FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIer(FIRE)を実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

インデックス投資でも市場の見極めが必要か?:2022年の投資方針検討(2)

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前回は、現状のポートフォリオの状況とリターンの状況について振り返りました。続いては、今後のポートフォリオ構成の前提となる市場環境について考察してみます。

インデックス投資家でも市場の見極めは必要

インデックス投資家は、よく市場環境を予測したり相場の上がり下がりには賭けないといわれます。これは短期でいえば真実で、例えばウクライナ情勢が更に悪化するのか、それとも改善に向かうのか、なんて予想しても分かる物じゃないし、そこに賭けてはいけないという考え方です。

 

ではインデックス投資家が何に賭けているのかというと、長期の経済成長です。資本主義経済下において、企業は競争し経済は拡大していきます。経済成長は一般にGDP成長で測られ、GDPの内訳は、税金と給与と企業利益=投資家の利益となります。GDPが成長する限り、投資家はリターンを得続けられる。そして、それは過去平均すると6%前後で推移してきたということです。

 

では、中期の市場についてはどうでしょうか? これはいろいろな見方がありますが、僕は見極めるべきだという立場です。

株価は利益とムードで決まる

中期というのがどのくらいの期間かというと、インデックス投資家にとっては10年単位くらいでしょう。それは、10年単位くらいで投資家のムードが変わるからです。

 

改めて株価が何で決まるかというと、1株あたり利益(EPS)と「ムード」です。ここでいうEPSは将来のEPSなので、企業業績の未来を予測することにはなりますが、インデックス投資の場合は全体としてのEPSなので、まぁ景気の良し悪しと同じようなものになります。

 

問題はムードです。これは、投資家の熱狂具合を示すもので、楽天的なムードならESPの30倍とか40倍の値段で株式が売買されます。逆に悲観ムードなら5倍、10倍くらいまで価格は下がります。

 

景気に連動するEPSは、3倍も8倍も予想から乖離することはありません。ところが、実に3〜8倍も、ムードによって株価は変わるのです。

現在のムード=PERはどのくらいか

このムードは、PERと呼ばれ、現在の株価がEPSの何倍で取引されているかを示しています。PERが高ければ投資家は楽観的、低ければ悲観的だということです。

 

PERにはいくつか算出方法がありますが、インデックス投資家に向いているのはシラーPERという補正後PERでしょう。一般にCAPEと呼ばれ、株価を「インフレ調整済み過去10年間のEPS平均値」で割ったものになります。

 

米国のCAPEを見ると、平均が16.92倍なのに対し、現在は35.4倍。かなりの高値圏にあることが分かります。これがいつ弾けるかは不明ですが、長続きしないことも明白でしょう。

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仮に平均の17倍まで落ちるなら、それは企業業績が全く変わらないにもかかわらず、株価が半分になることを意味します。それが現状のCAPEだということです。

このペースで米国株が上がることはない

CAPEを見なくても、リターンをみても、現在の米国株が上がりすぎだということが分かります。下記は、該当期間の年平均リターンです。

  • 2000-2022 7.24%
  • 2010−2022 13.84%
  • 2020-2022 16.41%

もっと前に遡っても、年平均リターンは10%前後です。直近数年のリターンの高さには、逆に恐怖を感じます。

 

株式はコロナショック後の金融緩和で上がりすぎました。5年間のローリングリターンで見ると下記になります。ここで分かるのは、直近5年ほどの米国株は少しスピードオーバー気味だということ。長期平均に比べてもリターンが高すぎるのです。平均に回帰するという長期トレンドからいうと、米国株のターンはおそらく終わりかけています。

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もし年平均リターンが10%に収束していくなら、米国株のリターンはしばらくマイナスが続くでしょう。株価は先取りしてしまっており、企業利益の伸びを超えて上昇してしまっているのです。

長期では上昇するが、中期では停滞

以前から米国株の先行きには不安だと書いていましたが、ますますその思いは強くなっています。ただし、今回ウクライナ侵攻があったことで、株価は大きく下げており、さらにFRBの利上げも少しペースを落とすという観測もあります。

 

これは実は米国株の延命につながるのではないかと思っていて、おそらくウクライナ侵攻が一段落したら、株式市場は大きく反発するでしょう。そしてその後のインフレと金利の動向が、市場にとって本当の試練になるはずです。

 

そうはいっても、株価が大きく下落する大恐慌のような状態になるとは限りません。米国経済は順調であり、インフレもしっかり製品価格に転嫁できています。企業業績はインフレ分を超えて上昇するでしょう。こうした業績に支えられ、またしっかりとした配当に支えられ、株価が底支えされる可能性も十分にあります。

 

年平均リターンが10%程度になるまで株価が横ばいで推移する。そして企業業績が伸びることで、PERは平均である17倍程度まで落ちてくる。EPSが2倍になれば、現在の株価のままでもPERは17倍になるわけで、そういうシナリオだってあるわけです。

株価が厳しいなら?

株価が今後10年くらい厳しい可能性があるなら、どんな投資先があり得るのでしょうか。その1つはもちろん債券です。

 

現在の金利上昇局面では、当然ながら債券価格は下落します。金利上昇とは債券価格の下落とイコールだからです。一方で、債券価格の下落は債券の利回りを上昇させます。つまり、金利上昇局面での債券は、キャピタルゲインこそマイナスになる可能性が大きいのですが、インカムゲインはプラス。そのため、株式に比べると安定してリターンを得られる可能性が高いということです。

米国債の動き

直近5年の米国債の動きを見てみましょう。2年もの国債は政策金利の影響を大きく受け、10年超の長期債は景気動向の影響を受けるといわれています。

 

コロナ禍で急激な金融緩和にともない、2年債の利回りは急降下しました。その後、長期債は株価の戻りにも連動して徐々に利回りを上昇させていきましたが、2年債利回りが急上昇したのはFRBが利上げをほのめかしてからです。

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今度は1970年台からの超長期で見てみましょう。2年債は政策金利の変動に伴って上がったり下がったりしていますが、長期債は安定的に利回りが下がっていることが分かります。

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このことは、縦軸を対数に切り替えるともっとよく分かります。債券は超長期で安定的に価格が上昇してきたのです。ただし、コロナショックの直後は、利回りが大幅に下落=価格上昇しすぎました。ぼくはこの段階ですべての国債を処分したのですが、そろそろまた国債価格が長期のトレンドラインに戻ってきたという感じです。

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債券は本当に儲かるのか?

株式になれた人から見ると、債券のリターンが小さく見える人もいるでしょう。実際のリターンはどうなのでしょうか。2000年から現在までの債券リターン(配当再投資)が下記になります。

 

年平均10.78%のリターンを出している株式に比べると、かなり見劣りする成績です。一方で、株式の最大下落幅は50%に達し、ワーストイヤーのリターンが-37%だったのに対し、10年債は最大下落率が7%、ワーストイヤーも-7%にすぎません。

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続いて、3年のローリングリターンで見てみます。1年はともかく、3年、5年、10年、15年の平均リターンは比較的安定していて、次のようになっています。

  • 短期債 1.9%前後
  • 長期債 4.8%前後
  • 超長期債 6.6%前後
  • 株式 9.5%前後

そしてリーマンショック時のように、株式には大きくへこむタイミングがありますが、債券はかなり安定しています。18、19、20年のようにほぼゼロになってしまったタイミングもありますが、それでも大きな損失が出るというほどではありません。

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そんなわけで、このまま長期金利が上昇するなら、長期債、超長期債をポジションに組み入れることを真剣に検討しようと考えています。

 

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