FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

投資ってしたほうがいいのか、しないほうがいいのか

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このところ、投資が市民権を得てきたようで、回りの若者からも「投資ってどうやったらいいですか?」などと聞かれることが増えました。国や会社はあてにならず、自助努力が必要ということと、長期分散積立の金融庁プロモーションの効果か、昔のように投資=ギャンブルという見え方が減ってきているようです。

 

しかし、果たして本当に投資ってしたほうがいいのでしょうか?

投資の前に貯蓄じゃないか?

意外かもしれませんが、ぼくの考えは「投資の前に貯蓄でしょ」というスタンスです。どうも投資をしたいという人の話を聞くと、大して貯蓄ができていないのに、投資でお金を大きく増やしたいと考えている人がかなりいます。これはとっても危険ですね。

 

もちろん、サラリーという日々のキャッシュフローが安定して入ってきて、そこから継続的に貯蓄に回せるお金が出せるのなら、それほど多くの貯蓄は不要です。ぼくなりに思うのは、日々の生活費3カ月分+近い将来に必要になる支出分はキャッシュで持っておけ、というものです。

 

例えば、

・車を買い替えたいと思っているなら、現金で買えるだけの貯蓄がありますか?

・引っ越しを考えているなら、敷金礼金引っ越し費用分の貯蓄はありますか?

・1年以内に行こうと思っている海外旅行、その分の貯蓄はありますか?

・新しいスマホ、新しいPC。そろそろ買い替え時期なら、現金で買えますか?

・子供の入学金、現金で持っていますか?

 

これらはしょせん100万とか多くても300万円くらい。生活費3カ月に追加して、必要になると見通せるイベントにかかる費用は現金で持っておくのが鉄則です。もしスケジュールをきっちり立てられるなら、学資保険を使うとか割のいい円建ての定期預金とか、そういう形もいいでしょう。

 

まずはこうした基盤となるキャッシュを用意するのが先決だと考えています。

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インデックス投資は安全だが、リターンは常にプラスではない

なぜこう考えるか。こうした資金をインデックス投資に入れて増やそうなんて考えると、必要になったときにプラスになっているとは限らないからです。

 

例えば、米S&P500に1994年から投資した場合を振り返ってみます。配当再投資後の年平均成長率は9.54%。1994年に投資した1万ドルは、なんと現時点で11万5227ドルに増えています。10倍以上ですね。

 

ところが、短期の3年間のリターン、5年間のリターンで見ると、かならずしも一本調子で増加してきたわけではないことが分かります。

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  • 3年ローリングリターン プラス 18年/ マイナス 6年
  • 5年ローリングリターン プラス 13年/ マイナス 5年

これは3年間持ち続けても、25%の確率で元本を割っているということを意味します。5年持ち続けても27%の確率で元本割れです。確率といっても、もちろん投資したタイミングによるわけですが、今がお買い得なのかなんて分からないでのです。

 

しかも、最悪の3年間に当たってしまうと、リターンはなんとマイナス14.5%。まぁ心がくじけますね。そんなわけで、5年では足りず、少なくとも10年は持ち続けることが重要になるわけです。つまり、10年以内に使う予定のお金は投資に回してはいけません。

 

ちなみに日本株への投資ではどうでしょう。海外にも上場している日経インデックス400の2002年からのデータです。

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  • 3年ローリングリターン プラス12年 / マイナス 4年
  • 5年ローリングリターン プラス9年 / マイナス 4年

3年で元本割れはやはり25%、5年では31%の確率で元本割れです。日米ともに似たようなものですね。

投資を止められない、止めにくい方法を使う

そんなわけで、インデックスといってもそれなりの期間投資を継続しないとリターンはプラスになりません。つまり、一時的にマイナスが出ても、投資を継続することが重要。人の心は弱いので、なにか外部的な仕組みで投資を継続できるようにしておく必要があります。

 

それを考えると、60歳まで引き出せないiDeCoや、途中で解約すると節税効果が減ってしまうNISAはいい制度です。一般に老後資金のための投資と思われがちですが、そのほかの目的であっても、プラスになるまで継続するための仕組みとしては、シンプルですが重要です。

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元本割れしにくい投資法もあるが

もし投資に時間を避けるなら、元本割れしにくい投資法もあります。例えば優待クロスがその1つですね。ほぼ流動性を確保したまま、つまりもしも必要になったら数日で現金化できる状況のまま、年5%近いリターンを上げられると思います。

 

「元本割れしにくい」というのは、つまりノーリスクということではありません。直前での優待廃止のリスク、操作ミスによる損失リスク、優待品が思ったように現金に替えられないリスクもあります。とはいっても、株式投資に比べれば遥かにローリスクですけど。

 

金利差がしっかりあれば、FXの異業者金利アービトラージもありですし、ドル建てのステーブルコインに変えてレンディングを行うという手法もあります。いずれにしても、個別株式への投資は元本割れする可能性がけっこうあって、投資タイミングも難しく、そうそう簡単に利益を出せるわけではないということです。

 

少なくとも、直近必要になる支出に対しては現金を確保し、「失っても困らない」お金で投資を行うのが鉄則です。

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