先日クルマを買い替えたわけですが、そうすると選び直しが必要になるのが自動車保険(任意)です。ぼくは無駄な保険には入らない方針ですが、任意の自動車保険だけは別。頻度が低くて起きると致命的な損害を被る出来事は、保険でカバーするのが基本だからです。
自動車保険会社の選び方
これまでさまざまな自動車保険会社を使ってきました。その昔、初めてクルマを買ったときはディーラーのいわれるがままにオススメされた保険会社で契約したのですが、その後、ダイレクト系の保険会社が出てきてからは、それらを相見積もりして選択しています。
これまで、三井ダイレクト、SBI損保、三井住友海上火災などを使ってきましたが、はっきりいって大手だから安心みたいなことはありませんでした。保険会社の顧客満足度データや不払い率などを見ても、大手なら安心ということはないようです。
一方で面白いサイトを見つけました。日本損害保険協会がまとめた顧客からの苦情の数が、契約者数に対してどのくらいかというデータです。
これを見ると、うーん。確かにダイレクト系のほうが苦情比率が多いようですね。
もう1つ、同じサイトから「自動車保険支払(損害率)ランキング」を見てみます。これは、保険料収入に対してどのくらいの保険金を支払ったかを率で表したものです。SBIやチューリッヒは受け取った収入の8割以上を保険金として支払っているんですね。逆にいえば儲けが少なくて、経営の安定性は低いともいえますが。
※自動車保険支払い(損害率)ランキング:自動車保険ランキング
自分自身でいえば、保険会社のお世話になるような事故を起こしたことが一度もないので、これらの実態は分かりません。少なくとも現時点では、各社その質に大きな差はなく、金額の多寡で決めていいレベルだと考えています。
最適な自動車保険の項目
さて、自動車保険は保障の幅を広げたり、オプションを付けるとどんどん保険料が上がります。ではどうやって選んだらいいでしょうか。基本は「頻度が低くて起きると致命的な損害を被る出来事」に限定することです。
- 対人賠償 無制限
- 対物賠償 無制限
- 他者運転特約
- 弁護士特約
以上です。これ以外は基本的に申し込む必要はありません。対人賠償/対物賠償が無制限というのは、まぁどこでもそうですし、分かると思います。
他車運転特約は、他人のクルマを運転して事故を起こした場合に保険金が支払われるものです。修理中に借りた代車や、友人のクルマを運転する際など、意外と他人のクルマを運転する場合はあるもの。普通は自動付帯となるのですが、念のため、付いているかどうか確認したほうがいいですね。
弁護士特約は安くない特約ですが、入れておいたほうがよいと考えています。というのは、次の場合、保険会社は相手側と交渉できないからです。また保険会社が行った示談交渉に納得できない場合も、弁護士が相談に乗ってくれるようです。
- もらい事故でこちらの過失ゼロ
- 相手が無保険の場合
注意点としては、「弁護士特約(自動車事故のみ)」と「弁護士特約(それ以外も含む)」がありますが、自動車事故のみに限ってもいいのではないでしょうか。また、補償は家族全員が対象になるので、家族で別々のクルマに乗っている場合、1人が弁護士特約を付けておけばいいということになります。
放っておくと付いてくる傷害保険はどうでしょうか。これは自分や同乗者の怪我や死亡時の補償ですね。自分自身については生命保険と重複するので、不要ですし、ぼくのように生命保険も入っていなければ、これだけ入るのは矛盾です。ただし、家族以外の同乗者も対象になるので、「友人を乗せているときに事故を起こして大怪我を負わせてしまった」というような事態を想定するかどうかですね。
車両保険は基本的に不要です。人を引いてしまうのに比べて、クルマをぶつける頻度は高く、その時の損害金額も高くはありません。最悪、そのクルマの代金までです。にも関わらず保険料が高いのが特徴で、これは本来保険でカバーすべきリスクではないからです。ただし、心の平穏が欲しい場合は別ですけど。
保険料を見積もりしてみる
というわけで、下記の条件で保険料を相見積もりしました。
- 対人賠償 無制限
- 対物賠償 無制限
- 他者運転特約
- 弁護士特約
なお、多くの保険会社で「早期割引」「インターネット契約割引」「証券不発行割引
」があり、それらをフルに使っています。また、ぼくはノンフリート等級20等級で、事故有係数0なので、割引がマックスに効いている状態ですね。
実際の見積もり結果は次の通りです。なお当然ですが、そのほかにも運転者範囲や年齢条件、免許証の色、クルマの保険料率で金額は変わってきますので、あくまでぼくの場合は……ということで。
- SBI損保 1万5220円
- チューリッヒ 1万6130円
- 三井ダイレクト 1万4590円
- アクサダイレクト 1万7510円
- セゾン自動車火災 1万6080円
- ソニー損保 1万7950円
- イーデザイン損保 1万5010円
- 東京海上日動 1万9210円
東京海上日動はいま入っている保険の継続です。こちらは「団体割引30%」が効いていてかつ、人身傷害が自動付帯になっています。
こうやって並べてみると、だいたい1万5000〜1万8000円くらいに集まっていることが分かります。最安は三井ダイレクトでした。ちなみに条件を少し変更した場合、次のようになりました。
- 弁護士特約、搭乗者傷害(1000万)付き 1万6370円
- 搭乗者傷害(1000万)付き 1万2110円
- 弁護士特約付き 1万4590円
- いずれもなし 1万600円
搭乗者障害は1510円、弁護士特約は3990円の追加保険料という感じです。でも両方を足しても1万6100円で、1万6370円にはなりません。270円の差はよく分かりませんが、保険の計算が複雑なことは分かりました。
では2番めに安いイーデザイン損保で、搭乗者障害(1000万円)を付けた場合はどうなるでしょうか。こちらは1万5560円となり、このセットの場合は三井ダイレクトよりも安くなりました。
弁護士特約までに留めるなら三井ダイレクト、搭乗者障害も含めるならイーデザイン損保が、ぼくの条件の場合は「最安」だということがわかりました。
自動車保険料率について
ちなみに自動車保険は、乗っているクルマによって金額が変わります。その根拠となるのは、型式別料率クラスです。損害保険料算出機構のサイトで調べることができます。数字が高いほど保険料も高くなります。乗用車でクラス1〜17まであり、クラス1が最も安くなります。
これは損害保険料算出機構が算出したもので、実際の保険会社が使っている料率クラスとは必ずしも一致しませんが、大きく参考になるものになります。
ただこれだけだと「どのクルマの保険料が高い/安いのか」というのが分かりませんね。そこで下記のサイトから、保険料率の安い順、高い順に車名を見ることができます。
いやぁ面白い。意外なクルマの保険料が高かったり安かったりします。軽自動車の料率クラスが低いのはまぁ分かりますが、乗り換え前に乗っていたクルマの料率クラスが、対人、対物ともに「1」だったことには驚きました。
ちなみに「対人賠償」の料率クラストップのクルマには、シビックやビッグホーン、ベンツG、Sクラス、ディアマンテ、デリカスターワゴン、キャラバンコーチ、ランドクルーザーなどが並んでいます。また「対物賠償」のクラストップは、リンカーン、ランドローバー、テラノなど。「搭乗者障害」はADワゴン、ウイングロード、セド/グロ、パルサー、カローラ、クラウンなどで商用車が多いのでしょうか。