前回、「法人の移転登記を自分で行う」という記事を書きました。そこにまとめた書類を用意して、法務局に発送してみましたので、今回はその具体的なサンプルとと顛末を。
移転登記を自分でやってみる
法人の住所が移転したら、移転登記というものを行う必要があります。行政書士とかに依頼すると、まぁ5000円〜の手数料が取られるのですが、実は本当に大したことのない作業です。ということで、今回は自分でやってみました。
この記事で書いた通り、必要な書類は4種類。
- 登記申請書
- 同意書(定款変更の必要がある場合は必須)
- 業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面
- 印鑑届出書(管轄外移転の場合)
ただし、今回は同じ管轄区内での引っ越しなので、印鑑届出書は不要だし、定款変更もないので同意書も不要です。つまり、用意した書類は「登記申請書」と「業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面」の2種類だけになります。
実際に使った書面を今回は紹介します。
登記申請者書のサンプル
さて実際に使って受理された書類をPDF化したものが下記です。ダウンロードできます。この中の赤字の部分だけど、自分の項目に変更していけばOKです。元版は法務局のテンプレートなので、それをダウンロードして修正しましょう。
1ページずつ見ていきましょう。法人番号、商号(社名)、本店(住所)はいいですね。登記の事由ですが、ちょっとテンプレートと違います。ぼくは自分の住所を法人登記先にしており、自分の引っ越しで法人の登記住所も合わせて変更になりました。このとき、事由として「本店移転」だけでなく「代表社員の住所変更」も書いておけば、まとめて処理してくれるということでした。
そのとき、「登記すべき事項」には、代表社員の住所移転と原因年月日も記入しておきます。また、登録免許税の内訳には、代表社員の住所移転に必要な1万円を足して、合計4万円にしておきましょう。
この1ページのほか、2ページ目に連絡先電話番号などが入っています。3ページ目には、収入印紙4万円分を貼ります。コンビニでは4万円の収入印紙はまず売っていないで、郵便局で現金で買うことになります。この3ページで、移転登記申請書は完了です。
業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面のサンプル
業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面は、本当に大したことがありません。下記の通りの書類を用意するだけ。ぼくの法人は社員が1人なので、自分の住所と名前を書いて終わりです。代表社員の後ろには一応捺印しています。
製本して提出
移転登記申請書は3ページあるので、印刷してホッチキスで留めたら、製本テープなどで製本して契印を押します。複数ページにまたがって印鑑を押すことで、ページが差し替えられていないことを証明するものですね。
ちなみに製本テープをわざわざ買ってくるのもなんだなぁと思っていたら、コピー用紙を切って製本する方法もあるんですね。こういうのは図解されてもさっぱり分からないのですが、動画でみると一発です。便利な世の中になったものです。
こうして製本した申請書と決定書を一緒に、送付状を付けて担当の法務局の「法人登記係」宛てに郵送すればOK。3万円とか4万円の印紙が貼ってあるので、レターパックライトなど、追跡可能な方法を使うのは必須です。
ちなみに今回は同時に2社の変更を行ったのですが、書面を2セット用意して、計8万円の印紙を貼り、まとめて送付しました。送付状に2社分あるよって書いておけば問題ありません。
果たして変更されたのか?
この書類を出したのが4月14日の木曜日。届いたのは15日の夕方でした。もし内容に問題があれば、法務局から記載の電話番号に連絡があるということだったのですが、果たして無事に移転が完了したのでしょうか。
登記簿謄本を取ってみれば、移転が完了したか確認できますが、実はもっと簡単な方法があります。法人番号検索サイトを使うのです。
例えば、最近移転した楽天証券を法人番号検索サイトで見てみましょう。下記のとおり、現在の住所が記載されていて、事由発生日、つまり移転の日が7月8日、最終更新年月日、つまり手続きが完了したのが7月13日であることが分かります。
同じように自分の法人を検索すれば、新しい住所に変わっているかが分かります。ぼくの場合、事由発生日が4月15日、最終更新年月日が4月19日と記載されていました。
これで晴れて移転登記が完了していることが確認できました。最初に法務局に問い合わせて懇切丁寧に教えてもらったというのもありますが、けっこう簡単でしたね。外部に依頼するにしても、必要事項は同じなので、発送の手間くらいしか違いはありません。こういうこともやってみるものです。