FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

あなたは幾らで「FIREを買います」か?

FIREが売っているなら、あなたは買いますか? いくらなら買いますか? FIREって、節約したり投資手法を磨いたりして資産を増やし、清水の舞台から飛び降りるつもりで退職して達成するもの――みたいなイメージがあるかもしれませんが、実は普通に売っています。

FIREの値段

貯蓄して運用してせっせと構築してきた資産。それがついに1億を突破しました。そんなとき、1億円のプライスタグがついた商品が売っています。それは「FIER」。さあ、あなたはFIREを買いますか?

 

実はFIREというのは、これからの生活の自由をお金で買う行為です。

 

普通の人なら、これから10年、20年働き続けて収入を得、そのお金で生活を賄います。でも、その10年、20年分の時間を買ってしまう。これがFIREなのです。つまり、老後までの自由時間につけられた人生の値段。それがFIREの値段だといえるでしょう。

FIREはいくらか?

ではFIREはいくらでしょうか? まずざっくりとみんな65歳には引退して年金生活に移行すると仮定します。そのとき、これだけあれば老後も大丈夫かな? と思える金額はいくらでしょうか。「老後2000万円問題」のときに言われた2000万円? それとも3000万円? これは人によっていろいろだと思いますが、仮に3000万円だとしましょう。これがいわゆる老後資金です。

 

そしてFIREするなら老後までの生活費が必要です。あなたはもし65歳まで働き続けたら年平均でいくら稼ぐ見込みでしょうか? 500万円くらい? 1000万円くらい? この年収に、FIRE後65歳までの年数を掛けたものが、FIREの値段になります。

 

平均年収500万円で、いま40歳なら、FIREの値段は1億2500万円。50歳なら7500万円。年収が1000万円想定ならこの倍です。

 

この金額と老後資金を足した金額が、いま手元にあるならFIREが可能だという計算になります。例えば、必要老後資産が3000万円、働き続けたときの年収が500万円で、いま45歳なら1億3000万円あればOKということになります*1

 

このFIRE計画は資産運用を前提とせず、取り崩しだけを想定したものなので、極めて保守的です。これだけの資産があればFIREには問題ありません。

1億3000万円でFIREを買いますか?

さて、こうやって計算してみると、FIREの値段が具体的にイメージできるかと思います。年収500万円の人が45歳でFIERするなら必要な資産はざっくり1億3000万円です。このうちFIERの値段は1億円です。

 

ただ本当にFIREを1億円払って買いたいですか? 1億円あれば、立派なマンションや家をローンなしで購入できます。1000万円超の高級車を2年毎に買い替えてもお釣りがきます。1回100万円かけた海外旅行を年4回行っても問題ありません。はっきりいって、超リッチな生活ができるわけです。

 

こうしたものをすべて諦めて、FIREを買いたいでしょうか?

 

こんなふうに考えると、「FIREできるだけの資産がある!」という人でも、実際にFIREを実行する人がそうそういないのもよく分かります。「資産が貯まればFIREできる」のは事実ですが、「FIREを1億とか2億とかで買う」と考えると、「それは高すぎる」と思っても不思議ではないからです。

 

そして、FIREを買っても資産がたくさん残るような人ならFIREにも躊躇がないでしょうが、多くの人はFIREするのにギリギリな資産額しかないのが普通です*2。そんな中、FIREするというのは資産のほとんどを使って大きな買い物をするという意味になります。

 

さて、あなたはFIREを買いますか?

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*1:ただしFIREした場合、それだけ厚生年金が減ることには注意が必要です。その計算式は、年数×年収×0.005481。例えば先の年収500万・45歳でFIREした場合、20年×500万×0.005481で、54万8100円、年間の厚生年金が減ることになります。つまりその分老後資金が必要になる。65歳から死ぬまで35年と仮定すると、約2000万円追加で必要になる計算です。詳細はこちら

*2:だからFIREしても働き続けるサイドFIREなんて言葉もあるわけです。