AmazonがまたしてもKindle本のセールをやっています。「夏のセール」と銘打って4万冊以上の書籍を出版社横断で50%オフです。今回は、半額をポイントで還元ではなく、最初から価格が半額ですね。期間は8月7日から8月20日まで。投資系の本をいくつかピックアップしてみました。
インデックス系のバイブルをさらっと読む
インデックス投資のバイブルといえば、『ウォール街のランダム・ウォーカー』と『敗者のゲーム』ですね。この両書の著者、バートン・マルキールとチャールズ・エリスの共著が『投資の大原則』です。
内容としては、次の3つにつきます。
- お金を貯めよう
- インデックスファンドで分散投資しよう
- 借金と短期運用はダメ
インデックス投資の本を読んだことのある人なら、特に目新しいことはなく当たり前のことが書いてありますが、だからこそ古典といえる本です。「投資ってどうしたらいいか分からない」という初心者の人が、投資の常識を知るのにもってこいの本です。
目次は次のようになっています。
- まず貯蓄を始めよう
- シンプルな投資法
- 一に分散、二に分散、三に分散
- 大きな失敗を避けよう
- 私たちが進めるKISSポートフォリオ
- 暴落期でもあてはまる大原則
日本人が避けて通れない年金問題
続いてはこちらも定番の『人生100年時代の年金戦略』です。当資本の古典は海外からのものがほとんどですが、日本人として生まれた以上、避けられないのが年金保険です。払うことしかり、もらうこと然り。この本質を知れるのがこの本です。
以前書評も書きましたが、ポイントは次の3点になります。
そこそこの大部ですが、具体的に年金をどう払ってどう受け取るのがよいかの試算も載っています。老後のことなので関係ないや、という人もいるかもしれませんが、特にFIREを目指す人は、年金を考慮した資産シミュレーションが必須です。また、年金に関連した税金と控除をどう使うかも重要なポイントです。このタイミングで買っておいて損はありません。
インデックス投資家の心の動きを知る
インデックス投資は長期戦のマラソンです。個別株に比べれば値動きはさほど大きくないものの、それでも暴落時には30%、40%といったレベルで資産が減ってしまいます。インデックス投資の最も難しい点は、こうした暴落時に怖くなって投資を辞めてしまうことです。
こればっかりは、その時が来ないと分からないものです。コロナショックは非常に短期間で株価が回復しましたが、リーマンショックの際には天井から底値まで1年半かけて下落しました。そして、回復には4年かかっています。この間、「もう株価はもどらないんじゃないか」「含み損が増え続けるのに投資し続けていていいのか」という葛藤を誰もが味わうものです。
そんなとき、先輩投資家はどんな心境でいて、どのようにそれを乗り越えたのか。この『お金は寝かせて増やしなさい』は、日本のインデックス投資の大家である水瀬さんの心のありようが書いてあるという1点で貴重な本です。
「標準化」というイノベーション
さて投資本ではありませんが、ぼくイチオシの本がこちら『コンテナ物語』です。これはコンテナのサイズを世界的に統一したことで、物流が迅速化、低価格化し、そのことが世界を変えたという本です。
え? たったそれだけのこと? と思うかもしれませんが、この物流革命によって、世界は「フラット化」し「グローバル化」したのです。いくらネットが発達して情報通信が世界どこでも可能になっても、モノを運ぶ必要性は変わりません。そして、なんだかんだいっても、国際物流のほとんどは船なのです。
こちらは国土交通省の2009年の資料ですが、重量ベースでいうと99.7%が海上輸送、金額ベースで見ても73%が船を使って運ばれています。
そしてこのイノベーションは、何か新しい技術というわけではなく、サイズの標準化を進めたということが重要であり、標準化が持つパワーを感じさせます。
未読本
さて下記2冊はぼく自身未読の本です。1つは世界最大のヘッジファンドと呼ばれるブリッジウォーター創業者のレイ・ダリオの自伝的自己啓発本。単行本4400円が、今ならKindle版が2200円です。
こちらは米国株ブロガーとして有名なたぱぞうさんの書籍。こうした著名ブロガーの書籍で難しいのは、出版社側がどうしても初心者向けに書かせようとすることですね。たぱぞうさんは当然ながらかなり投資に詳しく、そのわかりやすい説明が特徴的です。しかし、初心者向けに書くとなると、通り一遍の当たり前の話が多くなります。Amazonのレビューを見ると、それが伝わってきますね。