明けましておめでとうございます。コロナ禍はあったものの、2020年は投資家にとってはいい年になりました。その成績はまだ集計中なのですが、この1年を振り返り、2021年の戦略を考えておきたいと思います。
5セグメント戦略は継続
2020年は、投資戦略を5つのセグメントに分けて、それぞれ投資対象や目標リターンを決めて取り組んできました。
結果でいえば、この戦略は悪くありませんでした。Twitterなどでは、年間パフォーマンス+50%などの声もよく聞こえてきますが、ぼくはおそらく20%未満。しかし、株式比率は40%であり、しかもメインはインデックス投資です。株式と逆相関する資産を多く組み入れた結果、この株高の恩恵にはフルでは乗れませんでした。
一方で、このポートフォリオによって、かなりリスクを抑えられたのも事実。アグレッシブに資産を増やす時期はすでに過ぎており、リスクを押さえて着実に資産を増やすステージに入っています。なにしろ高年収の仕事を捨てて、セミリタイアに入っていますので。
という意味で、5セグメントはそれぞれ補完し合う関係にあり、悪くありませんでした。2021年の戦略もこれをベースにしていきます。
株式セグメント
6%のリターンを期待する株式セグメントは、コロナ禍にともなう各国政府の金融緩和を受けて、バブルかという値上がりを見せました。主に、GAFA(ただしApple除く)とインデックスからなるぼくのボートフォリオは、GAFAが絶好調で、インデックスはまちまち。
米国株と日本株は好調でしたが、新興国と欧州株は微妙でした。ただ、後半戦ではS&P500よりも新興国や欧州株が上がる局面もあり、単に出遅れただけともいえるかもしれません。チャートの通り、S&P500が年初来15%増なのに対し、新興国EEMは+12%。北米除く先進国のEFAは4%しか戻していません。
当然、これらを時価総額通りに組み込んだVTは中間といったところ。
しかし、この結果を踏まえて、どちらかというと米国株よりも、新興国や欧州株をオーバーウエイトで行こうと考えているのが2021年のポートフォリオです。
コロナ禍の前から、大きなトレンドとして米国一強に疑問を感じており、中国の凄まじい伸びを肌身で実感しています。アントの上場延期やアリババの中国政府との対立など、政治的リスクがあるのも事実ですが、それでも中国企業はやっぱり強い。なんだかんだって老成さえ感じる国内企業に比べて、若い勢いを感じるのが中国企業です。
資源についても、2020年は金(ゴールド)の上昇で始まりましたが、今後金融緩和を背景にインフレが進むとしたら、それは自然と資源高をもたらします。新興国の産業はほぼイコール資源であり、これが上昇するならインデックスも上昇です。もちろん、ロシアはじめ政治リスクはありますし、資源(コモディティ)の中でも最大の原油は政治で決まります。そうしたことを考えると、たいへん複雑なパズルなのですが、5年、10年をみたところ、このトレンドは続くと見ています。
債券セグメント
これまで15%ほど保有していた債券セグメントですが、2021年はここが大きく縮小する年になります。すでに12月に一部の債券を売却していますが、さらに整理が進むでしょう。
金融緩和はマネーの価値を落とし、それはつまり、マネー建てで利益が確定している債券の価値も落ちるからです。株価の上昇が続く一方で、債券は価格高止まり。米国長期債、たとえばIEFの利回りは2%まで落ちており、これはPERに直すと50倍ということです。
長短金利差があれば、ロールダウン効果も期待できる債券ですが、米国債長短金利差を見ると、このところわずかに開いたものの、歴史的にはイールドカーブはフラットな感じです。
信用スプレッドを取るARCCのような社債系はともかく、国債の投資妙味は失われているように感じます。こう思う投資家は多いようで、だからこそその資金は株に流れ込み、株高につながっているわけです。
リアルアセットセグメント
太陽光発電所中心のリアルアセットは、12月に2基が連係して合計3基に。1月にも4基目の連係が決まっており、2月には5基目、6基目が稼働見込みです。そして3月には7基目も動く目処がたちつつあり、これで発電所については一段落となります。
続いては、本当は2020年内に購入したかった不動産です。これを早期にモノにしたいというのが2021年の取り組みになります。
セミリタイアしつつも、まだサラリーマンでいるのは、いまのところなんとかやりたい仕事をサラリーマンとして続けていられるというのと、融資を考えた場合、サラリーマンは属性的にたいへん有利だということがあるからです。逆にさっさと融資を決めてしまい、真の意味で自由になりたいと思っています。
ヘッジセグメント
2020年は本当にヘッジセグメントが活躍した年でした。金(ゴールド)も大きく上昇、そしてクリプト=仮想通貨は17年のバブル期なみの上昇を見せました。
ゴールドはしばらく売る気はなく、5年ー10年の長期保有のつもりなのでいいとして、300万円まで上昇したBitcoinはちと悩みます。17年のバブル期は230万円まで上がり、日本のそこら中を熱狂が包みましたが、今回は米国発祥、しかも機関投資家や企業が牽引役ということで、国内での盛り上がりはまったく見られません。
バブルかもしれないし、バブルではないのかもしれません。すでにポートフォリオの1割にも達しようとしているので、ちょっとリバランスして、少し売りたいとも思うのですが、BitcoinもEthereumもレンディングに出していることもあり、売ることがとてもおっくうです。雑所得の課税を考えても、2021年はうまく損失を作りつつ、その分Bitcoinを売る年にしたほうがいいのかもしれません。
DeFiのブームには乗り遅れてしまったのですが、2021年は、STOやNFTなど、新しいクリプトの取り組みに注目しています。
オルタナティブセグメント
2020年は、もっとも時間と労力を費やしたのが、このオルタナティブセグメントだっったといえるでしょう。優待クロス、IPO、PO、分売、各種キャンペーン対応などです。
なんだかんだいって、他のセグメントと同じくらいのリターンを生み出すこのセグメント。しかも流動性が高く、不動産や太陽光のように何十年も待たずに、すぐに利益や損失を確定できます。
難しさは、時間と手間がかかり、さらに操作ミスが命取りになるということ。けっこうな操作ミスで、数十万円の損失を出したのも2020年でした。また、それぞれ「名義」あたりに得られる利益が決まるため、家族の頭数がリミットになるのも注意です。他の投資方法と違い、資金量がリニアに利益に反映されません。
それでも、数千万円レベルまでなら十分に、資金の量だけ利益が出ます。引き続き、こまかなキャンペーンに取り組みつつ、しっかり優待クロスにも取り組んでいきたいと思います。
セミリタイアの行方
投資に関する5セグメントの方針はこんな感じですが、おそらく2021年はセミリタイアの生き方にも変化が起こるでしょう。セミリタイア生活に入って2年が過ぎ、各所に歪みも生まれつつあるからです。
主だった融資が完了した時点で、次のステージに移行する予定です。何かしら仕事は続けるはずなので、アーリーリタイアというよりもセミリタイアには変わりありませんが、日常はけっこう変わるでしょう。
いやはや、2021年も面白い年になりそうです。願わくは、早くコロナが終息して、禁じ手になっているオフ会にいろいろ顔を出せればと願っています。