FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

節約の本質は「使うお金を減らすこと」ではない

f:id:kuzyo:20211115212239j:plain久々に、節約に関するネタを書いてみようかと思います。節約というと、いかに無駄なコストをかけないか、またどのようにして効能を変えずに費用を減らすかということが注目されます。しかし、もう一段視点を上げてみると、節約の意味が変わってきます。節約とは必ずしも「使うお金を減らすこと」ではないのです。

人生の3つのリソース

まず人には大きく3つのリソースがあります。それは、お金、時間、能力です。この3つは相互に変換可能となっています。

 

まず時間を使えばお金を得ることができます。働くってことですね。そのとき能力があれば、この倍率をアップさせることができます。有り体にいえば、時給がアップするってことです。お金=時間 x 能力 って感じです。

 

では能力はというと、お金と時間を使って向上させられます。このメインは教育です。学生時代の20年あまりを使って、人は能力を向上させます。このとき、親がお金を費やしてくれれば、多少その効率は上がるでしょう。また、義務教育以上の教育には費用がかかり、最低限のお金がないと受けられません。

 

時間については、基本的にだれしも持っている量は同じですが、こちらもお金を使うと多少伸ばすことができます。健康を維持して適切な医療を受けるには、国民皆保険の日本であってもお金が必要になるものです。

 

能力は、基本的に使っても減らないし、それどころか使い続けることで向上するという特性を持ちます。ただし、時間の経過とともに体力の衰えや時代の変化で、能力の価値が減少する場合も多々あります。これまで引っ張りだこだった能力が、ある日、突然無価値になってしまうなんてこともあるのです。

 

この3つのリソースの中で、お金だけがちょっと特殊な力を持っています。それは、所有に上限がないということ。時間や能力には上限があって、人の10倍の時間を持つとか、人の100倍の能力を持つとかは難しいものですが、お金に関しては、人の1万倍持っているなんてことがザラにあります。

 

そしてお金は、それ自体がお金を生み出すという特徴を持ちます。使う額よりも増える額の方が大きければ、自然と拡大していくのです。さらに特に投資にいえることですが、それが1万円であっても1億円であっても、基本的には同じ比率で増加させられるのも特徴です。時間は論外として、能力も次第に上昇カーブが鈍化していきます。能力が能力を呼ぶといった効果もあるにはありますが、同じペースで能力は上昇するわけではありません。スポーツ選手やアーティストを見るとよく分かるように、一定のレベルを超えたら、これまでの10倍の時間を費やしても5%向上するかどうか、というのが能力です。

 

これらは当然細かなところで異論もあるでしょうし、例外もありますが、リソースが相互に変換可能なこと、その中で時間だけは差異が出にくいこと、お金だけが簡単に増やせることには、だいたい納得する点だと思います。

最も希少な時間

こう見ると、3つのリソースで最も希少なのが時間だということが分かります。人がもっとも安易に消費してしまうのに、得ようと思っても最も得にくいのが時間なのです。これを実感した人は、時間をお金に換えるという労働を辞めて、FIREを目指すわけですが、この話はまた。

 

ここで言いたいのは、節約のために「使うお金を減らすこと」ばかりに意識がいって、残りの2つのリソース、時間と能力を無為に使ってしまってはいけないということです。

 

よく言われることですが、10円安い卵を求めて往復30分かけて遠いスーパーに行くのがよい例です。その時間的余裕があるなら、ネットスーパーで卵を買って、浮いた時間で労働をするほうが、総合的にすべてのリソースを増やすことができるはずです。そしてこれは、能力が高くて、時間の金銭換算が高い人によく当てはまります。

自分の時給を計算してみよう

「自分の時給を計算してみよう」という話があります。1日8時間労働、年220日勤務と考えると、労働時間は1760時間。年収500万円の人の場合、時給は2840円になります。年収1000万円の人なら倍の5680円ですね。スポットの仕事でこれだけの時給が得られるかどうかは別として、その人の1時間をお金に換算するならこれだけの価値があるわけです。

 

そう考えると、30分かけて遠くのスーパーにいくことのコストが節約できる額に見合うのかはちゃんと考える必要があります。また、30分を節約できるなら3000円程度かけてタクシーに乗ることのメリットが高いことも分かります。

 

さらにFIRE民なら、その年収を諦めれば、自由な時間が1年得られるわけです。

3つのリソースをどう使うかが人生

このように人には3つのリソースがあって、それをどう変換して、どのように使うかが人生設計になります。お金の節約にばかり目を向けると、そのほかのリソースを無駄使いしてしまう可能性があることには注意です。

 

ただし、人生は3つのリソースのためにあるわけではありません。お金を増やすことが人生の目的ではないし、少しでも人生の時間を長くしようとして健康を気にしすぎるのもどうでしょう。人は健康のために生きるわけでもないのです*1

 

自分のすごしたい人生を実現するために、お金を使い、時間を使い、能力を使います。あ、能力については使っても減らないどころか、使うほど増加するというのも特徴ですね。

 

人生の目的、生き様はひとそれぞれですから、必要なお金の額も違うし、必要な時間も違います。

  • お金:保有に上限がない。お金がお金を生み出す
  • 時間:誰しも持っている量はだいたい同じ。減る一方で増えることはない
  • 能力:使っても減らない。使い続けないと時間とともにさび付く。時代の変化で突然価値がなくなることがある

このような人のリソースの3つの特性を理解した上で、自分が生きたい人生に合わせた配分を心がけたいものです。

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*1:能力だけは、それを目的に生きてもいいように思います。ぼくの偏見ですけど。