FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

62万円出してApple Vision Proを買ったワケ

日本での発売と共に、AppleのハイエンドVR(MR?)ヘッドセットである「Apple Vision Pro」を買いました。そこそこレアかと思ったら、けっこう周りに「買ったよ!」という人が多く、なんかみんな好きなのね♪と思ったわけですが、せっかくなのでファーストインプレッションを。

なぜ買った?Apple Vision Pro

Vision Proはメガネを使ったまま使うことができず、たまにしかコンタクトもしないので、今回は内部に装着するレンズもセットで購入しています。最も安い256GBのモデルでも、レンズ込みの価格は62万4600円。た、高い! 40年前のMacみたい! と思うわけですが、今回は買おうと決めていました。

というのも、もしかしたら大きなイノベーションのファーストプロダクトになるのかもしれないから。Appleはこれまで、何度もこれまでにないプロダクトを世に出してきました。ぼくはそのほとんどを速攻手に入れてきたのですが、いくつか後悔したものがあります。

 

1つは初代iPod。たかだか数万円だったと思うのですが、2001年に発売になったときに買わなかったんですね。今や歴史になってしまって知っている人も減ったかと思いますが、iPodは単なる再生デバイスではなく「1000曲を持ち運ぶ」というキャッチフレーズで、音楽との向き合い方を変えました。iTunes Storeによる音楽配信も同時期に始まり、それがサブスク全盛の現在につながる大きな一歩だったのです。

 

当時、ぼくは節約に目覚めた頃で、この数万円をケチってしまいました。今となってはそれが良かったのか悪かったのかは分かりません。ぼくはざっくり過去の投資として年率平均12%程度で運用してきたのですが、当時の6万円を現在まで23年間12%で運用すると約80万円になります。ならば当時買えなかったiPodの代わりにVision Proを買ってもいいじゃない? と思ったわけです。

パススルー映像がすごい、手の認識凄い

実はVRデバイスを買うのは初めてではなくて、2018年に現MetaのOculus Goを購入しています。ただ、このときはしばらく使って「うーん。なんか違う」と思ってけっこうすぐに手放してしまいました。クオリティが厳しかったのです。

 

その後、そこそこヒットした「Meta Quest2」もいろいろなところで使いました。でもけっこう酔うんですよね。動き回るのは1時間が限度だった記憶があります。そして2023年秋に出た「Meta Quiest3」はけっこう出来がいいという評判で、MRがまともだと聞いて、何度も楽天でセールのたびにカートに入れたものの、ビックカメラですぐ売り切れになってしまい、購入できないでいたのでした。

 

という経歴があった上でのVision Proです。

まず最初に感じたのは、パススルーの映像すごい!です。VisionProは前面にカメラがあって、撮影した映像を内部に投影してくれます。つまりカメラ経由で外を見ているような感じになるのですが、これがけっこう高解像度で凄い。

 

さすがに肉眼で見ているのと区別がつかないまではいかないのですが、VisionProをかぶったままノートPCのディスプレイを見て操作できるレベルです。またレイテンシも小さく、映像の遅延がないため、ほとんど酔いません。このあたりは技術の進歩を如実に感じた部分です。

 

もう一つ衝撃を受けたのは指と視線を使った操作です。Meta Quiestは両手にコントローラーを持って操作する形で、なんかSwitchをやっているような感じですが、VisionProは視線と指のピンチ、ドラッグで操作します。

 

マウスカーソルの代わりに操作したいところを「見て」、指の人差し指と親指をつまむ操作をすればクリックになります。そのままドラッグも可能。この精度が本当にすごい。押したいところをさっと見て指をピンっとすれば操作できる。30分ほど使っただけで、違和感なく操作が可能になりました。

 

さすがに視線と指でキーボードを操作する気にはならず、ここは音声入力を使うのが基本ですが、一昔前と比べると相当にUIが改善されたのがよく分かります。ここはMeta Quest3が追いつけていない部分でしょう。

でも一体何に使う?

さて、AppStoreからひとしきりいくつかアプリを試してみましたが、正直役にたつというより、「3Dでモノが見えるすげー!」「解像度高いし視野角広いし没入感すげー!」といった、映画館体験に近い感じでした。要するにエンタメ用のディスプレイだと。

 

まぁそれはそれですごいのですが、ちょっとどうかな? という感じも。というのも映画館の3Dメガネは付けたまま2時間視聴できますが、VisionProは1時間も付けているとちょっと頭が痛くなるんですよね。何が原因か分からないのですが。

 

で次に試したのが、Macの外部ディスプレイとして使う方法です。こちら簡単で、VisionProを付けたままMacを開くと「Macの外部ディスプレイとして接続しますか?」みたいなダイアログが出て、OKをするとMacの画面がVisionPro内のウインドウとして開きます。

 

VisionProは片目4Kの解像度なんで、その中のウインドウであってもかなりのサイズ。少なくとも13インチのMacBook Airよりも高解像度です。実際にディスプレイとして使う場合、パススルー映像でキーボードは見えるので、いつも通りにキーを叩きながら画面だけが大画面で空中に浮かぶ感じになります。

 

けっこうこれすごいんですよ。ただ最新のMac OSじゃないと使えません。ぼくの場合、Airは最新OSにしてあるので使えたのですが、iMacのほうはVenturaなんで利用できず。Macは最新OSにアップデートすると不具合も多いので、下手にバージョン上げられないんですよね。

 

またこれはあくまで外部ディスプレイなんで、音は付いてきません。そのためAirPodsとかでMacの音声を拾って上げる必要があって、VisionPro単体では完結しない。ここはちょっと惜しいかも。

やっぱ60万って高いよ

というわけで、現時点でのVisionProの評価は次の通り。

  • 高解像度ディスプレイ、アイトラッキング、ハンドトラッキングの精度すごい
  • 外部ディスプレイとしてもすごい
  • ただエンタメ視聴機器として使うか、外部ディスプレイとして使うかしかない
  • キラーアプリは何か?
  • まだまだ1時間も付けていると辛い。デバイスの重さもそうだし、ディスプレイの解像度は現実との差がないところまでは行っていない

というわけで、いわゆるVR機器としては格段の進歩を遂げていて、Appleのブランド力で3500ドルの機器を作ればここまで行ける!ということを証明した感じではありました。ただ「これ買って世界変わった」とか「毎日外せない!」ほどのめり込むとか、そういう感じはありません。おもちゃとしては、ちょっとワクワク度は低いかも。

 

どれだけワクワクさせてくれるかは、こうした新デバイスの重要なポイントですが、昨今のアクションカムとか360度カメラと同じく、ちょっと微妙なんですよね。次はさらなるワクワクを求めてFPVドローンにでも手を出そうかな? と思う次第です。

 

www.kuzyofire.com

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