人の給料額や資産額って気になるものですよね。というわけで、今回はぼくの過去20年間の給与と資産額の推移を公開します。振り返って、思ったことなども。
過去20年の給与と資産
定期的に、自分にもしものことがあったときのために、財産目録などを作っています。その中で、いくつか数値的なものをアップデートしていたら、給与履歴と資産履歴がちょうどあったので、これをまとめてチャートにしてみました。
給与のほうは2003年から記録があったのですが、資産額のほうは2007年からしか付けられていません。いずれも2007年を1として、指数化しています。このチャート、なかなかに示唆深いですね。
給与
給与はキレイな右肩上がりです。2011年にジャンプアップしていますが、これはリーマンショック直前に役員になり、給与カットを受けていたのですが、それが元に戻ったせいです。その後も順調に給与は増え続け、セミリタイアした最終年、2018年がピークになりました。2007年から比較すると約1.6倍といったところ。業績も絶好調で賞与もふんだんにもらった年でもあります。
ただし、2003年と比較しても2.2倍にしかなっていません。そう、この下方硬直性と伸びの緩さが給与ならではです。もし給与だけで、ストック・オプションがなかったら、かなり資産の増加ペースは遅くなっていたことでしょう。
そして19年にセミリタイアしたことから給与は半減。そこから下がり続けます。2022年には2003年とほぼ同じ額になっていましたから、20年経って元に戻ったという感じです。
支出
実は支出については記録が残っていません。ただ振り返るといろいろと思うこともあります。というのは、実は新卒で働きだしてから現在に至るまで、ほぼほぼ支出額が変わっていないのではないか? ということです。
新卒から数年は、ものすごい量の残業と休日出勤で年収が4桁に届くこともしばしばでした。そしてそれを全部綺麗さっぱり使ってしまっていたんです。学生時代もアルバイトで30万円くらいは稼いでいたので、仕送りと合わせて手取り40万円くらい。その当時から、持っているカネは全部使うという感じでした。就職とともにクルマも買ってと出費もかさみ、これだけの手取りがあっても足りないくらいだったのです。
その後、貯蓄に目覚めて支出を減らします。といっても転職して給料が大きく下がった(というか残業とか休日出勤がなくなった)こともあり、節約ができなければ完全に家計破綻となるところでした。
よかったのは2000年代に給与が上昇しても、生活レベルをほぼ上げなかったことです。新卒当初から金遣いが荒かったので、それと同レベルの生活が続いてきたともいえます。結果、給料が上がった分はほぼほぼ貯蓄・投資に回すことができ、月30万円とか入金できていました。
給与がピークに達した2015年頃からは、実は入金を止めていました。もはや資産の増減があまりに大きく、入金がほとんど誤差のように感じたからです。その頃は、あまり支出のセーブを考えず、欲しいものはたいてい買っていました。そして現在は、この頃と同じくらいの支出レベルで過ごしています。
資産
資産も2007年を1としていますが、こちらはよりハイペースな右肩上がりで推移しました。セミリタイアを決めた2018年のタイミングでは、資産額は07年の約9倍まで増えていました。この時点で「まぁ”セミ”リタイアなら死ぬまでなんとかなるだろう」という計算をしていたわけです。
ところが入金ゼロ(というかマイナス)にもかかわらず、資産は増え続けます。結果、完全FIREした2023年には、セミリタイア時のさらに2.5倍にまで成長しました。07年から比較すると23倍です。
このくらいの額に達すると、もはや入金は誤差です。正直、あってもなくても大して変わらない。さすがに「生活費は誤差」とまでは言えないので、気にはしなくてはいけませんが、生活費を賄っても資産の成長のほうが大きい段階に来ています。
配当などのインカムゲインキャッシュフローの額だけでも、07年当時の給与額を上回ってきました。さすがに給与額がピークだった18年には及びませんが、副業なども合わせると、それに近いところまで来ています。
ステージを切り替えていくのが人生
ここで経済的な側面から人生の各ステージを振り返ってみましょう。
まず22歳までの最初の20年は人的資本を蓄える時期でした。親にすべてを支えてもらい、自分のスキルを高めます。経済的には全く何も生み出していませんでしたが、今後に向けた発射台を作っていくステージです。
そこから40代なかばまでの20年は、人的資本に経験を加えつつ、それを金融資本に変換していく時期でした。つまりスキルと経験を給与に替えて、給与から株式など金融資本を構築していくステージです。
ここである程度金融資本が貯まると、自律的に資本の成長が始まります。人的資本から燃料を投下しなくても、雪だるま式に増えていくようになるのです。ぼくがセミリタイアを決めたのはこのタイミングでした。
これからは金融資産をベースに別のものに変換していく時期です。それは自分自身の経験でもあるし、家族にいろいろな意味で引き継いでいくということでもあります。さらに、コミュニティや社会に貢献したいということでもあります。3つ目のステージを楽しもうと思っています。