しばらく前に話題になりましたが、ソーシャルレンディングのマネオで、いくつかの案件がデフォルトしています。どういう状況か、ぼくの現状をまとめました。
貸出中元本は存在するが、分配予定はなし
マネオの構造は、案件に投資をすると、予定された返済期日まで、毎月分配金が支払われるというものです。分配金の利率は予め決められていますので、元本が返ってくるかどうか、約束通り分配が行われるかがリスクです。
途中で、元本返済や分配が滞るのがデフォルトです。
通常、「my maneo」の「運用予定表」に、毎月の分配予定額が記載されます。そこには、各案件を合計した分配金、そしてその内訳として、元本の返済と分配金とが記載されます。
ところが、すべての分配予定が終わっており、今後分配の予定がないのに、「貸出元本金額」にお金が記載されています。これが、デフォルトを起こした案件になります。マネオでは、「期失」と読んでいます。これは「期限の利益の喪失」の略だそうです。
この案件は1600円ほどを分配した挙げ句、4月の支払いを最後にデフォルトしていることが分かります。
この案件の元本はどうなるのか?
まずデフォルトが起きたあと、マネオからメールで連絡が入りました。要するに、返済が止まったので、その理由はこうで、これから回収の調整をしますよ、という内容です。これが5月31日。
次に7月19日に再度メールです。回収の調整と並行して、担保である不動産の競売の申し立てをしたという内容でした。
さらに8月30日には、競売について裁判所からGOが出たという内容のメールが、9月30日には、競売に向けて対象不動産の評価段階だという内容が届きました。
このいわゆる不良債権の税務上の扱いは?
もう10月も半ば。このデフォルトにあった債券がどんな扱いになるのか、サポートに電話してみました。
まず、可能性として、全く回収できなかった場合です。いわゆる全損です。もう回収できないとマネオが判断した場合にこうなり、「貸出元本金額」はゼロになります。そして、実績のほうに、収入ではなくマイナスの損失として反映されるそうです。これは年間取引報告書にも記載されるということです。
こうなれば、今年のマネオの利益と、この案件の損失を相殺することができます。
また、担保を売却した結果、一部だけ回収できた場合も同様です。これ以上の回収が難しいとマネオが判断したタイミングで、損失額も確定するそうです。
ちょっと困るのは、年をまたいで2020年にはいった場合ですね。仮に、2019年にマネオへの投資案件全体で利益が出ている状態で、2020年に全損、損失確定となると、今年は利益に対して税金を払うことになり、翌年の損失とは相殺できません。順序が逆なら、損失の繰越も可能なのですが。
現時点での対応
このことはマネオも理解していて、年をまたぐ前に、再度メールで案件の回収状況を連絡するということでした。ただし、状況が分かるだけで、結局損失は2020年に送られる可能性もあります。
ソーシャルレンディングは雑所得扱いなので、今回の4万円程度の損失なら別の雑所得と相殺してしまうことが可能です。
ただ気になるのは、この間、4万円が利息を生むこともなく凍結され、いつ戻ってくるかも定かではないということです。これがソーシャルレンディングのリスクですね。
ソーシャルレンディング全体としてのリターン
残念ながら、徐々に投資を縮小してきたこともあり、2019年のマネオでの利益は1万7000円程度に過ぎません。
案件ごとに期間が違うので利回りを正確には出せませんが、2019年に限るとリターンは3.1%程度でした。ただしこれは、回収が終わった資金を再投資に回さず、引き出し続けてきている影響があります。つまり、投資エクスポージャは年初から年末にかけてゼロに向かってきたということです。平均的に引き出してきたとすれば、実際のリターンは6%程度(税引き後)になるでしょう。
この1万7091円の利益に対して、3456円が源泉徴収されています。つまり税前の実際の利益は2万547円ということですね。これに対して、デフォルトした案件への投資額が3万9933円。差し引き1万9386の損失です。というわけで、少なくとも3456円の源泉徴収分は戻ってくることになります。
またこの損失分は、別の雑所得収入−貸株や自動車のリース代収入と相殺する処理を行う予定です。
分かってはいても、実際のデフォルトが起きるとドキドキするものですね。ちなみにこの4年間の投資案件総数は53件。そのうちデフォルトは1件ですから、1.8%です。総利回りが8%程度ありましたから、実際のところ6.2%程度のリターンを得てきたことになります。