FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

コロナショックからコロナバブルへ

3月に起きたコロナショック。リーマンショック以来と言われる株価下落に、阿鼻叫喚、毎日がお祭りでした。ところが、3月23日を底にして、株価は反転。急速に戻りつつあるように見えます。

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実体経済の痛みから、金融危機に推移してしまうかどうかがポイント

さて、今回はコロナショックという実体経済に大きく影響する出来事が発端です。旅行業、ホテル業、テーマパーク業、外食業、そんなところにものすごい影響が出ています。2020年はもうダメでしょうし、定義的には2四半期連続のGDPマイナスとなり、リセッション入りとなります。

 

ただし、これはあくまで災害であり、経済の根幹の構造自体を揺るがすものではないという見方があります。確かに、リモートワークの広まりによって、オフィス面積を削減する企業が出てきたり、感染リスクの継続のために営業方法を変更せざるを得ない飲食店もあるでしょう。旅行にしても、少なくとも2020年は積極的に海外へ行きたいという人は減少するはずです。

 

ただし、こうした変化で生活が一変するかというと、意外と人々の生活様式の変化は簡単ではありません。また、旅行というエンターテインメントが減る一方で、屋内で楽しむゲームは大流行です。外食が減る一方で、スーパーマーケットは業績好調、Uber Eatsなどの料理のデリバリーも増加しています。

 

つまりコロナの影響によって、経済構造が変わるとしても、ネガティブな影響を受ける一部の産業がある一方で、逆ポジティブな産業もあるということです。zoomのようなビデオ会議システムは絶好調ですし、Amazonのような通販も好調。オンライン系の企業にとっては、需要がシフトしたことで追い風が吹いています。

 

IMFも2020年こそ、世界はおしなべてGDPがマイナスに転じると予想していますが、2021年はその反動で、2019年を超えるGDPの増加を予測しています。ある業界から別の業界への需要シフトは起こるものの、経済全体では1年程度で復調の見通しです。

2020年4月「世界経済見通し(WEO)」

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止まらないバラマキ

コロナが収束すれば、経済状況は戻ります。その時、各国中央銀行の過度な金融緩和によって、激しいバブルが発生する可能性すらあります。

 

何しろ、これまで頑張って財政支出を抑えてきたのに、ここに来てタガが外れたように補助金や助成金をバラマキまくっています。コロナの経済への影響を抑えるために必要だという理屈は分かりますが、例えば、雇用が安定している公務員や、収入に影響のない年金生活者への10万円補助はなぜ必要だったのでしょうか。財務省も野党もバラマキを抑えるムードになく、いまはもう配れるだけ配ってしまえ! という雰囲気を感じます。

 

既にコロナ対策の規模はGDPの40%にあたる234兆円に達しており、新規国債発行額もすごいことになっています。

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GDP4割の経済対策も景気回復には不十分、早くも3次補正期待の声 - Bloomberg

この状況は日本に限りません。今年大統領選を迎える米国をはじめ、各国でコロナ対応のためのお金が湯水のように投入されています。さらに、国民もアナリストもメディアも「これではまだ足りない!」と言っています。

 

補助金や助成金が、今この危機を乗り越えるために必要なのは間違いありません。でも、国民の多くが「もっとよこせ」というムードになってきたら危険です。この流れは社会主義以外の何ものでもないからです。ここでもらったお金は、いずれ国民が返すのですから。

すでに起こっているコロナバブル

経済がまだ本調子でないとはいえ、2021年のGDP回復見通しと、これだけじゃぶじゃぶの経済政策が行われたら、株価は上がります。実態経済が復活していなくても、あまりまくったカネが向かうのは、下がって割安に見える株式市場だからです。

www.newsweekjapan.jp

実体経済がまだ復活していないのに、 株価だけが将来期待で上がる。これは典型的なバブルですね。2021年に向けてコロナが抑え込まれ続け、経済も順調に回復すれば、高い株価も、経済が後追いする形で正当化されるのでしょう。ただし、コロナの再流行が起これば期待によって作られた相場はすぐに崩壊するでしょう。

 

これはリアルタイムで経験していないので、資料に当たるしかないのですが、日本のバブル期のことを思い出させます。

1985年のプラザ合意で急速な円高に→公定歩合の引き下げ→土地と株価が急激に上昇→1987年ブラックマンデー→日経平均の底支え→バブル突入

2019年でさえ「カネあまり」とずっと言われていたのに、今回のコロナで、さらにじゃぶじゃぶになりました。しかも、従来の金融緩和と違い、今回は国民に直接大量のお金をばらまくという、まさにヘリコプターマネーです。

インフレから債券価値下落

個人的には、このまま通貨が価値を保ち続けられるとは思っていません。

 

 

こうした中で、やっぱり気になるのは債券です。アルゼンチンのデフォルトは話題になりましたが、原資はあるのに払わないテクニカルデフォルトだという声もあるし、9度目のデフォルトだということを見ても、もう確信犯的ですね。

www.jiji.com

 

当初、原油価格下落からシェールオイル企業の破綻、ジャンク債の暴落というシナリオが恐れられたのですが、FRBなどの支援もあり、いったんその可能性は薄れたようです。これが起こってしまえば、再び金融危機に向かう可能性もありましたが、現在はハイイルード債も、株式と足並み揃えて値を戻しています。(青はハイイルード債のHYG、赤はS&P500)

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ただし、このあとインフレが進むと見るなら、最も価値を失うのは債券です。この動きには注目していきたいと思っています。

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