FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

一番底?二番底? それが分かったら大金持ち

連日の暴落から一転、日経平均は3月23日から、米ダウ平均は24日から大きく反発しました。これを見て、「底を打った」という人と、「まだ2番底がある」という人に分かれます。

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※赤線は日経平均、青は米ダウ平均

現在のところ、日経平均▲18%、米ダウ平均▲25%

一時、年初来▲30%までいった日経平均は大きく戻して▲18%。ダウ平均も▲36%まで行きましたが▲25.27%まで戻しました。大きく下がったといえば下がりましたが、反発したせいで、なんとなくムードは明るくなっている気がします。

 

しかし一方で、大恐慌のときなどのチャートと並べて、「一時反発したあとさらに大きく下がった」という声もあります。どうなんでしょうね?

底かどうか想定するのは面白いけど、まぁ分かるもんじゃない

現時点でのぼくの考えは、底を打ったかどうかをいろいろな指標などを見て考えるのは楽しいけれど、いくら精緻に分析したって分からないよね、ということになります。短期の株価の変動は、ファンダメンタルズによるものではなく、市場参加者の心理状態によるところが大きいからです。

 

そして多くの人が「売り」だと思えば、実際に株価は下がり、そうなるとVaRなどで最大リスクを決められている機関投資家は、リスク資産を損切りして保有リスク量を減らさなければいけなくなります。決算期を控えた企業も、損切りして決算書をきれいにしなくてはなりません。

 

レバレッジをかけて投資していた投資家も、下がると追証がかかり、さらに下がれば強制ロスカット。損失を出しながら売らざるを得なくなります。こうして、市場の動きはポジティブ・フィードバックによって一方向に傾きます。

 

反発するときは逆の動きが起きた時ですね。端的にいえば、もう売るべきリスク資産がほとんどなくなって、レバレッジをかけているポジションもほとんどなくなったタイミングかと思います。

長期投資家にとっては底かどうかは気にする必要なし

そして長期投資家にとっては、底かどうかなんてあまり気にする必要はないと思っています。判断基準は1つです。

  • 今の株価が、ファンダメンタルズ的に割安かどうか

今が底じゃなくて2番底があるとしても、それは「さらに割安で買う」チャンスを逃しただけです。機会損失ではありますが、本当に2番底があるかどうかは分かりません。今が本当に割安で、投資できる資金があるなら購入のチャンスでしょう。

今は本当に割安か?

でも気になるのは、今が本当に割安なのかという点です。株価のファンダメンタルズで最も重要なのは1株あたり利益のEPSです。これが株価に対してどうなのかは、最も分かりやすい指標としてPER(Price Earnings Ratio)があります。

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S&P 500 PE Ratio

うーん。株価はけっこう下がりましたが、19.2倍というのはそれほど割安という感じでもないんですよね。もちろん一部コロナショックによる悪決算が反映されている可能性があって、実態としては割安の可能性もありますが。

 

短期のEPSではなく過去10年の移動平均EPSを、インフレ率で調整した値で、PERを計算する、シラーPER、いわゆるCAPEレシオ(Cyclically Adjusted Price Earnings Ratio)はどうでしょう。

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こちらもやはりまだ割安な感じはしません。逆にこの10年間、15倍から35倍近くまでCAPEレシオが上昇してきたことが印象的です。CAPEは純利益移動平均なので、利益が追いついてくれば安定してくるはずですが、倍率の伸びのほうが上回っている感じもあります。

 

資産額に対する株価倍率、いわゆるPBRではどうでしょうか。なんとこれだけ株価が落ちてもまだ2.8倍なんですね。水準としては2016年あたりと同じです。ちなみに日本株のPBRは1倍前後です。

 

日経平均のPBR1倍水準は2万0700円、TOPIXのPBR1倍水準は1390ポイントだということです*1。現在の日経平均は1万9389円、TOPIXは1459です。

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中長期的にみると、まだそんなに割安だとは思えない。それが現時点の感触です。ここからあと30%くらい株価が下がるようなら、PERも3割減となって、例えばS&'P500の24倍が16.8倍。そこまでいくと割安感が出ます。今くらいの落ち方なら、割安というほどではない印象です。

とはいえ1月、2月よりは安いのでVTを少し購入

とはいえ、当然1月や2月に購入するより安いのは間違いありません。絶好の大バーゲンだということで買いまくるほどではないが、定期買付にはいいタイミングだし、株式比率の調整のためにリバランスとして買い付けるにはよいタイミングな感じです。

 

というわけで、もしかしたら底打ち? ということもあり、VTを少し買い付けました。3月末の資産状況確認が楽しみです。

 

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*1:単純平均の日経平均を計算しなおすと、1万3600円が正確なPBR1倍水準だという説もあります(日経