FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

2020年の年間成績を振り返る +23.5%

さてでは2020年の1年間の運用成績を振り返ってみましょう。12月の成績結果で書いたとおり、総資産額は過去最高額を更新です。年間リターンは+23.5%となりました。

 総資産順調に増加

まずは記録のある2006年からの総資産額推移を見てみましょう。06年当時の運用資産額はいまから振り返ると可愛いものでしたが、それでも虎の子の資産でした。ちなみに、このときは日本の有名大型株式の比率が75%もありました。株式にほぼフルインベストです。

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2006年の総資産を1としていますが、そこから11倍まで拡大しました。ちなみに赤いラインはストックオプション。これが資産の増加を加速させてくれました。2020年は追加入金はゼロ。すごく細かく計算すれば多少のプラスマイナスはあるかもしれませんが、ざっくり見ると入金も取り崩しもありませんでした。

 

年次リターンの推移は次のようになります。念のため、こちらは総資産の増加額ではなく、入金を含めない、またストックオプションの転換株式の価値の変動を含めない、投資家として僕が選択したポートフォリオの年次リターンです。

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リーマンショックのときは35%も資産を減らしましたが、2011年から4年連続で20%を超えるリターンを出したのが資産額を押し上げました。ここ5年は、ポートフォリオを保守的に切り替えてきたせいもあって、だいたい10%台のリターンです。

FI倍率推移

では総資産が、年間生活費の何倍に当たるかを表すFI倍率の推移も見てみましょう。オレンジ色の四角のところでセミリタイアしたわけですが、そこから順調に倍率は増加して、ついに25倍に到達しました。

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この25倍というのは、総資産の4%が年間生活費に当たるという意味です。つまりよくいわれる「4%ルール」で考えると、税引き後4%のリターンを出していけるなら、永遠に資産が減らないステージに来たということです。

株式 +20.06%

総資産23.5%増の内訳です。株式は年間で20.06%増加しました。3月までのコロナショックで大きく減少し、4月からの回復と上昇で大きく増加です。3月の下がり方は笑ってしまうくらいの速さで、いったいどこまで下がるのか検討もつきませんでした。ちょうどそのときスキーに出かけていて、温泉に入りながら、「今日もこんなに下がった!」と楽しんでいたのを覚えています。

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ここからいつ反転するかなんて、全く分かりませんでした。2月の段階で異変を感じて損切りした知り合いもいましたが、その人達は3月の底で買い戻して、4月の上昇に乗れたのでしょうか。会えたら聞いてみたいところです。

 

銘柄ごとに見るととにかくハイテク株の強さが目立った1年でした。Amazonは実に76%増。Google、Facebookも30%を超えています。一方で、インデックス系はだいたい15%前後。ただしEFA(北米除く先進国)だけが5.1%増にとどまっており、出遅れ感を感じました。

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債券 -3.6%

債券は年間リターンマイナス3.6%でした。コロナショック前からIEF(米10年債)とMBB(米モーゲージ債)を持っており、これが株価大幅下落の際には上昇し、資産全体を守るクッションになってくれました。

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価格としてのリターンはマイナス3.6%ですが、この間の配当もあるため、全体としてはわずかにプラスです。ARCCがまだ9.4%下落したままですが、配当が約9%あるため、差し引きゼロといった感じでしょうか。

リアルアセット -8.08% 

太陽光発電所を中心としたリアルアセットはマイナス8.08%でした。これは一重に、1号発電所の木更津が、収益下振れしているせいです。投下資金に対する現時点でのDCF評価額は、下記の通りです。

  • 木更津 60.7%
  • 筑西 129%

DCFの割引率は6%としているため、評価額が投下資金に対して100%なら、毎年6%のCFを生んでくれるという計算になります。現時点で筑西は129%の上振れ価値ですが、木更津が60%しかないので、資産評価額としては8%下振れた形です。

 

とはいえ、次のように順調に発電所の連系が進んでおり、それぞれが稼働すれば安定したCFをもたらしてくれるはずです。

  1. 木更津 2020年3月連系
  2. 筑西  2020年11月連系
  3. いすみ 2020年12月連系
  4. 白子  2021年1月連系予定
  5. 石岡  2021年2月連系予定
  6. 君津  2021年3月連系予定
  7. ??  ???

シンプルな株式などのペーパーアセットとは違い、太陽光発電所はさまざまなコストがかかり、税処理も複雑。そして回収期間も20年を見る必要があり、事業という感じがして楽しいものです。2020年はやっと太陽光が稼働した年になりました。

ヘッジアセット +91%

2020年の最大のトピックは、ぼくにとっては株式ではなくヘッジアセットでしょう。現物の金インゴッド(ゴールド)はコロナショック後、ぐいぐい価格が上昇して2000ドル超え。円建てでも8000円を一時超えました。年初からのリターンは+18.5%となりました。

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そして何よりすごかったのはクリプト=仮想通貨=暗号資産です。Bitcoinは12月に300万円の大台を超え、1月に入ってすでに350万円まで上昇しています。年末の300万円の段階で、リターンは+280%。3.8倍に増加しました。

 

そしてもっとすごいのがEthereumです。2019年末のEthereum価格は1万4455円。それが12月末には7万5000円まで上昇しました。実に+421%です。1月に入って更に価格は上昇し、執筆時点では8万2000円を超えてきました。

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株式に比べるとマイナーな資産であり、投機に近いと言われながらも、その思想と実用性、そして世界にもたらすディスラプションから、クリプトロングを継続しています。17年の第1次バブルでも、投資額から一時は約5倍に上昇し、そこで30%ほどは利確しました。残りの70%を保有しつつ、冬の時代を2年間すごしてきましたが、2020年は再びクリプトの春となりました。

 

現在総資産の約10%がゴールドとクリプトであり、コロナショックがもたらした最大の資産高はここだったといえます。

オルタナティブ +17.3%

そして2020年のもう一つの立役者がオルタナティブセグメントです。これは、各種キャンペーンや優待クロス、FXのスワップアービトラージなど、短期投資でリスクをヘッジしたトレードを行う、ほぼ現金同等資産です。2020年は、かなり本格的に優待クロスに取り組んだ年になりました。年間で取得した銘柄数は227銘柄です。

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そして取得した個数は753個になります。ざっくりした計算ですが、獲得した優待の時価は約153万円相当。ざっくり1〜2割くらいは貸株料などのコストがかかっていると思いますが、それでも100万円オーバーの利益ですね。

 

毎週末の日興証券のロールオーバーは相当な手間と注意を必要としますし、異名義のクロスは数量を合わせるだけでもミスとの戦いです。1年やってみて、相当慣れはしましたが、まだ余裕という感じはしません。コロナ禍で外食やレジャーが壊滅しましたが、これらは優待が豊富な業種でもあります。自然、買取価格もかなり低くなり、リターンは低下しました。それでも、ミスさえしなければノーリスクで確定利益が出るというクロスは、なかなかに面白い取り組みでした。

 

とはいえ、オルタナティブセグメントはとてつもなく計算が複雑で、果たして本当にこれだけのリターンが出ているのか、正直計算が不安だったりします。2021年は、ちょっと計算方法を変えることも検討ですね。

2020年のまとめ

まとめると、前半こそコロナ禍でどうなるんだ? というくらい苦しい1年のスタートでしたが、その後の驚くほどの株価の回復、クリプトとゴールドの急上昇、秋からの太陽光発電所の連系ラッシュ、年間とおしての優待クロスと、なかなかに面白い1年でした。

 

また、外貨を絡めた節税も絶好調で、株式については配当額を上回る税務上の損失が生まれました。このあと、外国税額控除を確定申告で行うことで、還付が得られる見込みです。

 

5年乗ったクルマを売却したのも、2020年のハイライトです。こちらは利益こそ出ませんでしたが、それほど悪くない価格で売却することができました。

 

ちょっと気になるのは、日本以外で金融緩和が進んだことによる円高です。年初は108円だったドル円も、現在は103円。5%弱も円高に振れました。今後も円安になる見込みはそれほどないため、為替をどうするかは2021年のテーマの1つになりそうです。