FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

LINEクレカ3%終了後の高還元カード選び

だいたい3%還元という、赤字覚悟の高還元だったVisa LINE Payクレジットカード(LINEクレカ)の3%還元も4月末で終了です。5月からは還元率が2%に下がってしまいます。では、5月からはどんな決済手段を使えばいいのでしょうか?

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驚異の3%還元

初年度3%還元という高還元をひっさげて登場したLINEクレカ。4月末まで……という但し書きでしたが、やっぱり5月からは改訂されて、2%に還元率が下がることになりました。

 

でもまぁ、これはこれは仕方ありません。3%還元というのは間違いなく赤字だったからです。そもそも、なぜクレジットカード事業者(イシュア)がユーザーに還元ができるかというと、決済をした際に、店舗(加盟店)が決済手数料を支払っているからです。

 

1000円のものをお店で買うと、加盟店はカード会社などに手数料を払い、カード会社はその手数料の一部をユーザーに還元しています。では、いったい加盟店が支払う手数料はどれくらいなのでしょうか。従来は、加盟店の業種などによっても異なるとされ*1、その手数料率は業界内の秘密でした。

 

ところが、経済産業省が2018年に明らかにした「キャッシュレスビジョン」の中で、その一端が明らかになりました。それによると、加盟店が支払う手数料率は平均して3.24%です。

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そこから、加盟店開拓を行うアクワイアラに0.3%が支払われ、Visa、Mastercard、JCBといった国際ブランドに0.1%が取られ、カードを発行する会社(イシュア)には2.3%しか渡らないのです。

 

その上、発行会社は次のコストを負担します。

  • アクワイアラへの端末利用料 5円/回
  • 銀行振り込み手数料 200円/回
  • カード発行コスト 500円/枚
  • カードの優待サービス、旅行保険料など

その上で、ユーザーにポイント還元などを行っているわけです。この状況の中で3%も還元したら赤字になるに決まっています。業界内では、ギリギリの線として1.5%が限界だとも言われているようです

 

そのため、今回3%から2%に還元率を下げたとはいえ、この率も持続可能とはいえません。早晩、1〜1.5%程度まで下がることが想定されます。とはいえ、少なくとも2%は確保。しばらくはこれを活用したいものです。

用途別、これが現時点での最良か?

では、LINEクレカ3%がない中で、期間が決まっているキャンペーンを除くと、どんな決済手段が最も還元率的にお得になるでしょうか? まとめたのが次の図です。

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コンビニは三井住友カードNL

コンビニについては、三井住友カード(NL=ナンバーレス)常時5%還元が強力です。ただし、条件があってプラスチックカードをタッチするタッチ決済を利用しなくてはなりません。Apple PayやGoogle Pay、Apple Payに登録したMastercardコンタクトレスでは2.5%還元に減ってしまいます。

間違えました(@投資馬さんありがとうございます)。下記の2パターンならば5%還元になります。

  • プラスチックカードをタッチ(Visa/Mastercard)
  • Apple PayにMastercardを登録してタッチ

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実は、Visaは通常の三井住友カードを作ってしまったので、今回コンビニ目的でMastercardブランドのNLをちょうど作成したところでした。VisaはApple Payへ登録できませんので、Mastercard+Apple Payの組み合わせは、コンビニ払いに最適ですね。 

 

NLはカード券面にカード番号がないので、Apple Payに登録するときはVpassアプリから登録するとスムーズです。

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 QUICPayを使ってセゾンパールアメックス

QUICPayが利用できる場所ならば、セゾンパールアメックス常時3%還元が強いです。こちらはプリペイドではなくクレジットなので、ガソリンスタンドでも利用できるのがいいですね。また、Apple Pay/Google Payに登録したQUICPayでもOKなので、プラスチックカードを持ち歩く必要はありません。

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iDとタッチ決済、ECサイトはTOYOTA Waleet

iDおよびタッチ決済が使えるところならば、リクルートカード→Kyash→TOYOA Waletを組み合わせた2.9%が最良でしょう。また、Mastercardのカード番号も発行されるので、ECなどで利用するときも、こちらが良い感じです。 

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そのほかの場合はLINEクレカ

これらの場所以外では、従来通りLINEクレカを使うことになります。とはいっても2%還元なので、決して悪くはありません。念のため注意点としては、LINE Payに紐付けて使う「チャージ&ペイ」は0.5%に大改悪です。これによって、還元率の観点ではLINE Payを使う理由は全くなくなりました。

 

また、これまで通常還元率だった「請求書支払い」の還元率が0.5%にダウンしてしまいます。紙で届いた電気代や税金は、これまで請求書払いを使うことで3%還元できていましたが、もうこの技も使えません。

 

2%還元になるのは、あくまでプラスチックカードを普通に使ったときだけと考えておくのが重要です。ただし、LINE Payと関係ないカードと紐付けたiD払いは2%対象、また税金や保険については、従来通り5万円/回までは2%対象です。

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 タッチ決済を軸に、2%以上の還元率競争は続く

このところの還元率動向を見ると、一時期のQRコード決済の還元キャンペーンはなりを潜め、新たにタッチ決済のキャンペーンが増加してきています。しかも、還元率はそれほど高くないものの、短期ではなく期間未定の長期のものが多いですね。

 

最近、投資のリターンが1%上がることは目指しても、カードの還元率はあまり気にする人が少ないんだな、ということに気づきました。手取りのうち、住宅費2割、貯蓄率2割とすると、6割を消費に使っていることになります。年収の40〜50%相当でしょうか。これを高還元カードを使って支払うと、相当なリターンが生まれます。

 

年収600万円、手取り480万円だとするとカード支払い額は288万、2%還元なら5万7600円が得られます。これは、資産500万円のリターンを1%上昇させるのと同じ効果です。税払いが不要なことを考えると、もっと効果が大きいかもしれません。

 

しかもリターンは確定の2%で、普段使うカードを切り替えるだけ。「節約術」のように、何かを諦めたり不便になることもありません。特に資産形成期の人ほど、うまく高還元カードを使うといいですね。

 

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*1:水商売などだと手数料率は高いといわれ、一説には10数パーセントとも言われていました