FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

何月に退職するのがいいか 完全FIREへの道(2)

経済的に自立(FI)した上で、退職に限定せず好きな仕事で働く(RE)ことがFIREだと思っていますが、今回サラリーマンも退職し、世間的な意味で完全FIREすることにしました。

 

退職の意志を固めたわけですが、ここで問題となるのが退職日です。何月何日付で退職するかによって、いろいろな要素が変わってきます。いつを退職日とするのがいいか、検討してみました

 

退職日付は末日が基本

まず退職日付は末日が基本です。「1日前に退職すると社会保険が安くなる」なんてことが書かれているところもありますが、これは単にその分を自分でのちほど負担することになるだけです。給与からの天引きならば会社が半分負担してくれるので、お得。

 

ちなみに、1日前の退職だと下記の図のような取扱になります。

というわけで、月末1日前に退職しても、最終月の社会保険料は給与からは天引きされませんが、単に自分で払うだけです。そして自分で払う場合は、特に任意延長の場合、全額自己負担なので、非常に損。

 

というわけで、日付としては月の末日が基本になります*1

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何月に退職するか?

続いては何月に退職するかです。下記では住民税の観点から退職月を考えました。住民税非課税世帯を考えたり、家族の扶養に入ることを考えると、12月末がいいのではないか? というのが以前考えた結論でした。

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今回は別の要素も考えてみます。

4月末退職のメリット 有給休暇付

まず4月末退職です。このメリットは新年度のスタートによって翌年分の有給休暇が付与されることです。ぼくの場合は、新たな年度になると20日の有給休暇が付与されるので、たいへんよいタイミングでした。

5月末退職のメリット

住民税は1−12月の1年間を集計した結果について、翌6月から支払いがスタートします。会社勤めの場合毎月住民税を支払う特別徴収なので、5月は前年分の住民税を支払う最後の月。

 

1-4月の場合、5月末までの合計住民税がまとめて天引きされますが、5月末退職なら5月分の住民税1カ月分だけの支払いで済みます。もっとも、これは支払いタイミングの話だけで、金額が変化するわけではありません。

6月末退職のメリット 夏季賞与支給

6月末退職の最大のメリットは賞与でしょう。公務員の賞与支給は6月30日、一般企業の場合は6月末から7月頭が多くなっています。ぼくの場合は6月末でした。どうせ辞めるなら、賞与をもらってから辞めたほうがいいですからね。

7月退職のメリット 夏季休暇付与

7月末退職のメリットは同じく賞与。支給時期によって6月か7月かメリットは変わると思います。もう一つは夏季休暇です。最近は8月決め打ちではなく、7〜9月の間で夏季休暇を取れるという会社も増えています。そういう制度があれば、有給休暇が3〜4日追加されるのと同じになります。ぼくの場合も、7〜9日の間で3日間の夏季休暇です。

8月退職のメリット

8月退職のメリットは、場合によって夏季休暇の付与があることでしょう。

9月退職のメリット

9月退職のメリットは、場合によって夏季休暇の付与があることでしょう。

12月退職のメリット

12月退職のメリットは冬季賞与です。公務員が12月10日、民間でもほぼ12月中でしょう。また、12月末の場合、会社側で年末調整してくれるので、自分で確定申告しなくて済むのがメリットです。

 

また、住民税非課税世帯を目指すなら計算上、暦年が変わる12月末がいろいろ都合がいいでしょう。

 

というわけで、下記の要素あたりが退職するタイミングを考える上ではポイントになりそうです。

  • 有給休暇
  • 夏季賞与、冬季賞与
  • 夏季休暇
  • 年末調整

標準報酬月額の影響

ちなみに、社会保険料には「標準報酬月額」という概念があって、毎年4-6月の報酬を平均して、テーブルに当てはめて決定されます。そのためよく「4−6月の残業を抑えると、社会保険料が安くなる」なんていわれるわけです。

一見、これも退職のタイミングを考える上で影響がありそうです。でも、転職や退職をした場合、新たな初任給をもとに標準報酬月額を計算しなおします。その上で、その標準報酬月額を、

  • 1月〜5月 初任給の場合 その年の8月まで
  • 6月〜12月 初任給の場合 翌年の8月まで

使います。いずれにせよ、大きめの変更があったら都度見直しがかかるので、退職タイミングに影響を与えるファクターとは考えなくてよさそうです。

結局いつ退職するか

このようなことを検討の上、ぼくはどうしたかというと、

  • 5月末 最終出社
  • 6月 有給消化:夏季賞与
  • 7月 有給消化:夏季休暇
  • 7月末日 退職

というタイミングにしました。4月を超えると有給休暇が20日付与されるので、7月末はある意味ベストタイミングだと思っています。

 

とはいえ、あんまり「どのタイミングがお得か」なんて考えずに、「辞めたいときが辞め時」だと思います。それだけの資産を構築してきたわけだし、変に我慢して無意味な時間を過ごすよりは、多少の金銭的損失があって、時間のほうが重要だからです。

 

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*1:この前読んだ社労士が書いた本で、退職日について「1日前がお得」なんて書いてあって、ひでー本だな。。と思いました。書籍の情報も鵜呑みにできません。ちなみに、会社側からすると、1日前に止めてくれると社会保険料負担が減るので、確かにお得ですね。