FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

高市自民党が歴史的勝利で、投資家が気にすべきこと

2月8日開票の衆議院選挙では、自民党が単独316議席、与党で352席と2/3を押さえるなど、歴史的な大勝利となりました。これにより参議院で否決された法案も衆議院で再可決できるようになり、衆参少数与党の状況から一転、どんな政策も首相が方向性を決められるという安定政権へと踏み出しました。

 

では、投資家の観点ではこれをどう捉えたら良いか。そこをチェックしておきます。

相変わらず分からない為替

まずは為替です。高市氏は金融緩和=低金利維持派なので、基本的には日銀への利上げ牽制が強まるでしょう。さらに、積極財政路線はつまり国債発行増加やインフレ期待上昇へつながる政策です。日米金利差は縮小せず、国債発行で日本円への信任は落ち、インフレの可能性も高くなるわけで、どの要素を見ても円安圧力が継続です。

 

ところが直近1ヶ月のドル円為替を見ると、レートチェックで為替介入を警戒し急速に円高が進んだあと、徐々にまた円安に戻ってきたところ、選挙結果を受けて、157円台→153円台へと円高が進みました。

今回の大勝利で日銀の利上げが近づいたという見方もあります。日銀は12月に利上げに踏み切りましたが、その理由として「2 月に解散総選挙が実施されると仮定した場合、1 月会合で利上げは難しくなる」という解説がよくありました。利上げは政治的に不人気な政策だからです。

 

しかし逆にいえば、衆院選大勝利後なら、政治的に不人気な利上げがやりやすくなるということでもあるとみずほ銀行のエコノミストは言います。現在日銀の利上げは半年に1回のペースですが、これが3ヶ月に1回でも容認される可能性があるというのです。

 

やっぱり為替はどうなるのか、まるで分かりません。ただ大きな方向感として、政策的には円安、為替介入が起これば円高。その綱引き中という感じでしょうか。

積極財政は進展するのかどうか

続いて長期金利です。高市氏の政策は積極財政なので、教科書的にいえば金利は上昇します。日本の長期金利(10年もの)はコロナ後の0%から6年かけて上昇を続け、現在は2.237%まで上昇しました。そして高市氏が首相就任後、上昇は加速しています。

もっとも衆院選の勝利で金利がどう動いたかというと、一瞬上昇したもののすぐに下落するという方向感のないものでした。

なぜ金利は上昇しなかったのか。野村證券の池田氏は、自民党の大勝利によって「野党との妥協による大規模な消費減税のリスクが後退した」と指摘しています。公約に食品のみ消費税を2年間限定でゼロにすると掲げていましたが、大勝利によってこれを実際に実施する必要がなくなりました。

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消費減税に否定的なチームみらいが支持を伸ばしたことからも、慌てて消費減税をやる国民的な期待は低い。いま債券市場は「高市自民党が消費減税を行わない」と一定見ているのではないか? という構図です。逆に、公約通り消費減税をやるとなったら、金利は上昇する可能性が高いでしょう。

日本株6万円到達シナリオと出尽くしリスク

次は日本株です。9日の寄り付き直後に日経平均は5万7000円台に乗せ、最高値を更新しました。選挙前の終値5万4253円から約2700円の上昇で、先物段階で前日比2200円の上昇を示していました。

ただ、今後の上昇についてはやはり意見が分かれます。政権基盤が安定したことは株価上昇のプラス要因。一方で、財政・金利面で高市政策が進展することは、実は株価にとってはマイナス要因だからです。

 

ここからは、日経平均全体ではなく、セクターごとの追い風向かい風を見極める形に鳴るのではないでしょうか。まず円安が継続なら、輸出・製造株に追い風。利上げ加速なら銀行などに追い風。グロースやREITには逆風。

 

そして高市政権の「危機管理型投資」関連が、国策銘柄として引き続き伸びそうです。

  • 防衛・宇宙: 三菱重工、IHI、川崎重工など。防衛費増額の直接的恩恵
  • エネルギー(原子力・核融合): 原発再稼働・新増設に積極的なため、電力株やプラントメーカー(日立、東芝系)には追い風。
  • サイバーセキュリティ・AI: 能動的サイバー防御関連銘柄。NEC、富士通、トレンドマイクロなど。
  • 半導体: サプライチェーン強靭化のための補助金継続期待。

積極的財政の軌道修正は?

為替、金利、株価のそれぞれを見ていくと、市場の思惑がちょっとずつ見えてきます。高市政権の積極財政は両刃の剣です。今回の圧勝で、高市政権は「勝ったからこそ財政規律に回帰する」のか、「信任を得たとして積極財政を加速する」のか、どちらでしょう。

 

前者なら、円高・債券高・一時的な株安となり、後者なら円安・債券安が進行、最悪株価も下落するトリプル安となるリスクがあります。

 

注目は食品消費税ゼロの具体的なスケジュールがどうなるか。これは「国民会議」で議論を加速する方針を示しています。国民会議は政府や与野党のほか有識者や産業界などが参加し、国の重要政策を議論する会議。国民会議の状況に注目です。

国民会議とは 給付付き税額控除や消費税減税、重要政策を議論 - 日本経済新聞