昨日、銀オプションのプット売りの実例として、2000オンスを行使価格16ドル、満期4月11日で売却しました。プレミアムは95.8ドル。4月11日に16ドルを下回っていなければ、手数料10ドルをひいた85.8ドルが純粋な収入となるわけです。
ほぼ1日経って、このポジションが現在どうなっているかを確認していきましょう。
まず画面最下部の「損益合計(コスト込み)です。こちらが-73.8USドルとなっています。この損益合計は、もらったプレミアム(95.8ドル)に対し、「現在ポジションをクローズ(プットを買い戻す)すると損益がどうなるか」、を表しています。上記の画面でいうと、95.8 - 149.6 の53.8ドルに、購入時の手数料10ドル、売却時の手数料10ドルを加えて-73.8ドルが現在の損益となります。
もし4月11日まで反対売買してプットを買い戻さなければ、クローズにかかる損失は出てきません。この損益は、このポジションの含み損益だといえます。なお、プレミアム支払日が4月4日となっていますが、これはアプリの仕様(?)だそうで、実際にはプット売却時の3月29日にプレミアムは支払われています。
次に、グリークを見ていきます。ここがオプションの面白いところであり、難しいところでもあります。まず、前回も解説したデルタは381XAGです。2000オンスですので%に直すと19.1%になります。購入時は535XAGでしたので、かなり減少しました。デルタは、満期日に権利を行使される確率も表すので、少し安全性が増したともいえます。
購入時の銀価格は16.27ドルでしたが、現在は16.35ドルに上昇しています。行使価格である16ドルから離れました。ちなみに、原資産価格と行使価格が同じものをATM(アット・ザ・マネー)、今回のように原資産価格が行使価格を上回っている(このままでは行使されない状態)をOTM(アウト・オブ・ザ・マネー)といいます。原資産価格が行使できる金額にある状態をITM(イン・ザ・マネー)といいます。このATM、OTM、ITMはオプションの記事では必ず出てきますので、ご参考まで。
デルタはATMのときに0.5=50%となり、OTMになるに従って減少していきます。今回は銀の価格が上昇したので、さらにOTMとなり、結果デルタが減少しました。デルタが減少するとプレミアムの減り方が穏やかになるので、銀価格が上昇を続けてもプレミアムは連動しては下がらないということになります。
次に、グリークの「セータ」を見ます。こちらは10USドルと記載されています。プレミアムは残存日数が多いほど大きく、日数が残り少なくなると減っていきます。日数が長いほど行使できる可能性が高いのでプレミアムが大きく、日数が減ると行使可能性が下がっていくのでプレミアムも減る、そんな感じです。では1日あたりプレミアムがどのくらい減少していくのかを示しているのがセータです。
ここでは1日あたり10ドルプレミアムが減少していきます。今回はプットを売っているので、買い戻すためのプレミアムが10ドルずつ減少、つまり10ドルずつ含み益が増えている状態です。なお、セータは満期に近づくほど減少幅が大きくなりますが、満期間際では、ATMの場合は減少加速、OTM、ITMでは減少がほぼなくなります。
ボラティリティは15%→14.8%でほとんど動きませんでした。今日は、銀価格が約0.1ドル上昇したことで、プット売りポジションには少しだけ有利になりました。また明日以降、状況を見ていきます。
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