最初は日本の個別株から始めて、もう投資を20年くらいやっています。その間、リーマンショック、コロナショックも経験し、相場の大幅上昇と暴落も経験してきました。そん中、さすがに投資の経験値は多少貯まってきたわけですが、1つ分かったことは、どの時代にあっても、5%くらいのリターンを得られる投資法というのは確実に存在するということです。
年率5%くらいは得られる優待クロス
かなり市民権を得てきた優待クロスもその1つです。だいたい毎月優待の権利の得られる銘柄があるので、それを順次取っていけば、年間で12回の優待獲得機会があります。月ごとのざっくりしたイメージは次のような感じでしょうか。
- 1月 0.3%程度
- 2月 1.2%程度
- 3月 1.3%程度
- 4月 0.3%程度
- 5月 0.4%程度
- 6月 0.8%程度
- 7月 0.8%程度
- 8月 1%程度
- 9月 1.2%程度
- 10月 0.3%程度
- 11月 0.3%程度
- 12月 0.9%程度
もちろん、たくさんの資金を運用するほど利回りの低い優待をとることになるので、合計した利回りは悪化します。また、優待銘柄が少ない月は取り合いになるので、早期のクロスが必要になり、その分利回りは悪化します。
それでも単純合計で8.8%、上記のようなロスを入れてもまぁ年5%くらいのリターンは出るのではないでしょうか。株主優待は、食料品や飲食店の割引券なども多く、自家消費できる=税金がかからないものが多いのもいいですね。手間はかかりますが、年5%くらいはリターンを期待できるわけです。
ステーブルコインのレンディング
仮想通貨といえば、上がり下がりが激しくて、怖くて手を出しにくいと思う人がほとんどでしょう。ただし、株式などと同様に、仮想通貨にもいろいろな投資手法があります。その1つが、ステーブルコインを使ったレンディングです。
ステーブルコインとは、米ドルなどの法定通貨と価格が連動するように設計された仮想通貨です。USDCやUSDTなどが有名です。これらはコンマ数パーセントの乖離は起きても、基本的には1USDC=1ドルの価値を持ちます。つまり、一般のイメージとは違い、価格は極めて安定しています。
そのため、これを持ち続けても価格が値上がるということはありません。では、どうするかというと、これを貸し出すのです。仮想通貨取引所だけでなく、こうした貸出(レンディング)サービスを行っている事業者は数多く、その中でもニーズが高いのがステーブルコインです。
大手のレンディング事業者BlockFiだと、4万ドルまでは年利回り8%を提供していることが分かります。USDCとUSDTの両方を預ければ、8万ドル=880万円まで利回り8%が得られるわけです。4万ドルを超えても5%なので、まぁ銀行預金などとは比べものになりません。
なぜドルと価値が連動するステーブルコインに、ここまでの利率が付くのかは、専門家でも謎です。ただ、利回りも需要と供給で決まると考えれば、ステーブルコインの需要がそれだけ大きいということなのでしょう。
一昔前には……
一昔前を振り返ってみると、例えばFXの異業者スワップをアービトラージする手法は、やはり4%程度の年利回りを得ることができました。現在は為替が全然動かなくなってしまい、なかなか有利なレートは出てきませんが、これも一つの低リスク投資法です。
一時期は、FTSEのCFDをファンディングレートゼロで保有することができ、レバレッジをかけて保有すれば、配当だけで20%なんてこともありました。もちろんこちらは株価変動のリスクも負っているため、低リスクとは言いがたいのですが、コストゼロでレバレッジが掛けられたというのは貴重な機会でした。
いまは全く当たることがなく、宝くじ状態ですが、IPOなどもほぼ確実に儲かる投資手法でした。現在は、POなどがそれに近い状態かもしれません。
1年ほど前にドコモがNTTにTOBされましたが、このときもなぜかTOB価格よりも低い株価で売買が行われている日々が続きました。ここでドコモ株を購入してTOBに応募すれば、約0.6%の利益。年率換算するとやはり5%近いリターンが出たものです。
こうした投資手法は、いつでも効果があるわけではなく、一回こっきりだったり、数年間は使えるものだったりします。それでも、どの時代にあっても、よく情報収集すれば何かしら、低リスクながら5%くらいのリターンが見込める投資方法があるものです。
投資のリテラシー
いろいろな投資をやってみて思うことは、特定の手法に拘泥しないことです。インデックス投資のように、超長期間にわたり、一定の成果を出している手法もありますが、それでも株式全体のリターンは、今後低下していくだろうと分析する専門家は少なくありません。
そもそもが株式の長期投資における期待リターンは6〜7%程度と言われていたわけで、これが4〜5%くらいに下がっていっても何ら不思議ではないわけです。
そんな中でも、そこかしこに投資の機会は転がっています。長年投資をやってきて、得られたリテラシーというのは、実は「株式市場が不調でも、どんな時代でも、5%くらいはリターンを得られる手法がどこかにある」と分かったことでしょうか。
もちろん、インデックス投資の最大のメリットは全く手がかからないことです。逆に、今回挙げたような手法は、それなりに調べる時間もいりますし、操作の手間も必要です。だから、バリバリ働いている人はインデックス投資を行って、ほったらかしというのが最適解だと思っています。ただ、ぼくのようにFIREしてしまい、日々の時間に余裕が出ててきたら、こうした投資手法を調べて試してみるのも面白いものです。