FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

配当3.9%をレバレッジで20%へ。FTSE100 CFDという選択肢

海外株のインデックス投資は合理的な投資家の鉄板の選択肢ですね。特にS&P500インデックスへの投資は、10%弱のリターンを目指す場合の最適解だと思います。でも今回はちょっと視点を変えて、英国の代表的な株価指数であるFTSE100を考えてみます。

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 作戦:高配当+レバレッジ+配当税先送り+為替リスクなし

作戦は次のようになります。FTSE100をCFDで運用することで、3.9%というもともと高配当なFTSE100にレバレッジをかけて、配当利回りだけで10%以上を実現します。さらに、くりっく株365の仕組みを活用して配当相当額への課税を先送りし複利の力を活かします。これらを為替リスクを負わずに日本円だけで行おうというものです。

 

いわば、高配当+レバレッジ+配当税先送り+為替リスクなしという作戦になります。

FTSE100とは

FTSE100は、イギリスのロンドン証券取引所に上場されている、時価総額が大きい100社を対象とした株価指数です*1。発音は「フッツィーワンハンドレッド」。意外に読めないので覚えておくとよいかもしれません。1983年12月31日の株価を基準値(1000ポイント)として計算する、TOPIXなどと同じ時価総額加重型指数となります。

 

ロンドン証券取引所上場企業は海外売上が中心の企業が多く、イギリス企業というよりも多くがグローバル企業です。FTSE100のETFであるiシェアーズ・コア FTSE 100 UCITS ETFの保有銘柄上位は下記の通りです

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3.96%という高利回り

このFESE100を構成する企業は高配当が特徴です。S&P500が1.8%、TOPIXが1.5%程度の配当利回りなのに対し、なんと3.96%*2

 

しかもFTSE100に組み入れられている各企業の配当支払日に応じて、1日ごとに配当相当額が支払われます。この毎日配当というのは、なかなかない仕組みです。下記は、2018年4月の配当金相当額の実績になります。

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一方で、S&P500に比べると株価自体の伸びは穏やかです。過去5年の推移をS&P500(赤)および日経平均(緑)と並べたのが下記のグラフになります。S&P500が5年で60%の伸びに対してFTSE100は12.5%。日経平均はアベノミクスで49%上昇していますのでかなり見劣りします。

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直近1年で見てみると下記のようになります。二桁の伸びだったS&P500と日経平均に対して、FTSE100は3.6%の伸びです。

 

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 長い目で見れば上昇基調ですが、キャピタルゲイン狙いというよりも、高配当をあてにする指数だと見ています。

CFDを使ったレバレッジ 

 さてFTSE100が面白いのは、国内の取引所でCFD取引ができるところです。CFDは株のFXとでもいうもので、差金決済、レバレッジあり、配当あり、そして為替リスクなしという特徴があります。

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このFTSE100、現在の価格で1枚あたり7600GBP≒112万7000円相当ですが、CFDでは1枚3200円で取引できます。実に35倍程度のレバレッジが可能というわけです。CFDでは配当相当額を得られるので、レバレッジ10倍で買ったとすれば配当利回りは実に39%に達します。

 

2倍のレバレッジでも7%相当、5倍のレバレッジで約20%の配当利回りとなります。

 

実際にはレバレッジ5倍だと20%の指数下落でロスカットとなりますが、過去のボラティリティレンジは、1年で9.7%、3年で14.1%、5年で10.6%と比較的安定しています*3。5倍以下のレバレッジが妥当でしょう。これは1枚あたり20万円から30万円程度の証拠金を置いておくという計算になります。長期投資ですから、レバレッジを控えめにして安定して運用することも大事です。どの程度のレバレッジにするかに考え方が現れます。

 

またCFDをくりっく株365で取引する場合、為替リスクをマーケットメーカーが負うため為替リスクがありません(くりっく株365)。海外指数への投資を考えたとき、ETF購入では得られないメリットの1つです。

 

配当への税金を繰り延べできる

 長期投資を考えた場合、最大のコストは税金です。複利の力を活かすのが長期投資の最大のポイントですが、そのためには税金をできる限り先送りすることが重要になります。

 

kuzyo.hatenablog.com

 この税金先送りの際に、いつも問題になるのは配当に対する課税です。残念ながらインデックス投資の場合、投資信託でもETFでも配当金相当額が、分配金や配当という形で支払われます。そのたびに、源泉分離課税の20%が税金として徴収されてしまうのです。

 

くりっく株365では、配当相当額はその配当を得たポジションを決済しない限り、確定損益ではなく含み益として扱われるルールになっています。そのため、長期的に保有を続ければ配当相当額に課税されることなく再投資が可能というわけです。

 

注意点は金利相当額

このように面白いFTSE100のCFDですが、2017年12月18日に大きな変更がありました。これまでCFDポジションにかかる金利は円金利でしたが、各通貨の金利に変わったのです。

 

円金利は実質ゼロであり、CFDポジション維持に対する金利を意識する必要がなかったのですが、この変更によってGBP(英ポンド)の金利がFTSE100のポジションにかかってくることになりました。下記が12月からの1枚あたりの実績です。

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英ポンドは現在1%以下の低い政策金利をとっており、現在のところ金利を払っても配当で十分にプラスとなる状況です。ただし配当額の10〜20%程度が金利支払いとなって失われるため、利回りもそれだけ悪化しました。

 

今後、配当額が大きく変動することは考えにくいですが、金利上昇は大いにあり得ます。金利がさらに上がると、配当狙いのFTSE100 CFDという作戦は見直しが必要になるでしょう。

↓9月時点までの金利相当額を除いた配当利回りをチェックしました

kuzyo.hatenablog.com

ぼくの現在のポジション

なかなかおもしろいFTSE100のCFDには、エクスポージャー(リスクにさらされている資産)で総資産の8%程度、証拠金として総資産の1%程度を割り当てています。レバレッジは約8倍とアグレッシブにとっていますが、ポジションをふくらませるならレバレッジを下げていく方針です。

 

こちらの投資は昨年8月から行っていますが、証拠金に対するリターンは、キャピタルゲインとインカムゲインあわせて既に34%に達しています。このペースでいけば、年間リターンは50%超の見込みですが、レバレッジ商品ですので大きなマイナスもあり得ます。