FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

株クラの定番「どっちがいい?」問題 5番勝負

株クラには、定期的に現れる「どっちがいい?」問題があります。つまり、どっちが正しいかの明確な答えがないか、あるいは新人投資家さんが必ずつまずくポイントだということなのでしょう。

インデックス vs. 高配当

永遠の論争の一つがインデックスか高配当か?です。一般的な意見としては、高配当の是非を中心に語られることが多いように思います。インデックス派の意見としては、「企業利益を内部留保する(キャピタルゲイン)か配当で出す(インカムゲイン)かは選択の違いであり、配当には課税されるため、その分だけ不利」というものでしょう。

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ただし、これはそのほかの条件が同じならです。

 

僕はインデックス投資家ですが、実は高配当の魅力も感じています。一つは、相変わらず粉飾決算がなくならない中で配当金というのはキャッシュであり、現金は財務諸表よりも正しく会社の状況を伝えていること。安心できるのは配当をしっかり出す企業です。

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また配当には税制優遇があって、実はキャピタルゲインよりも税率を小さくすることもできます。どんな配当でもOKではないので、銘柄を選ぶ必要もあるし、本人の収入状況にもよるので一概に言えませんが、有利な場合もあるのです。

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というわけで、この勝負は個人的には引き分け。一概にはいえず、時と場合によるです。

オルカン vs. S&P500

こちらも定期的に湧いてくる「オルカン vs. S&P500」論争です。オルカンは全世界株式のことを指し、MSCI ACWIかFTSEのグローバル・オールキャップ・インデックスのどちらかに連動する投資を意味すると思っていいでしょう。S&P500は当然米国株式。つまり、全世界か米国集中か? です。

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ただし前提として、全世界の株式の時価総額の約半分は米国です。そのため残り半分の国々も、ポートフォリオに入れたほうがいいかどうか?が論点になります。

 

全世界派の人の一般的な主張は「米国の覇権はそろそろ終わる」というものが多く、米国一本でOK派の人は「米国は継続的に高いパフォーマンスを上げてきた」というものです。これは世界経済の行方を占うという、大変難しい話で、誰もが一言意見を持っているが、どっちが正しいかはなんともいえないといったところではないでしょうか。

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一方で確実にいえるのは、「米国のみよりも全世界のほうが投資先が分散されている」という点です。そもそも米国株のインデックスに投資するのは、どのセクターや銘柄が伸びるのか自分には予測できないと思うからで、だからこそ全部に投資するのでした。ならばもっと分散度を高めれば、リターンは平均化されリスクは下がり、シャープレシオは向上すると思うのですが、どうでしょう。

 

もし全世界のパフォーマンスよりも米国のパフォーマンスに自信を持っているというのなら、それは自分の銘柄選定能力に賭けているのであって、モダンポートフォリオ理論を背景にした投資ではないと思うわけです。

 

というわけで、この勝負は個人的には全世界の勝ち。未来が分からないから分散するのなら、より幅広く分散できたほうがいいはず。

賃貸派 vs. 購入派

マイホームは賃貸がいいか購入がいいかは、株クラに限らず永遠の論争テーマです。ただこちらも論点はだいたい出揃っていて、購入のメリットは、

  • 税制優遇
  • 低金利

そして賃貸のメリットは

  • 引っ越しがしやすい
  • まとまったお金も与信も不要

です。

 

別の論点でいえば、購入というのは居住用不動産クラスに対して、ハイレバレッジな投資をしていることを意味します。よくも悪くも不動産アセットにポジションを取っているわけです。税制や金利で有利な投資になるので、勝率は高いと思いますが、投資しているのと同じだということは忘れてはいけません。

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また合理的ではない違いとして、購入には「所有感を満たす」というメリットもあります。人によってはこの価値は大きいでしょう。

 

さてというわけで、この勝負は個人的には購入の勝ち、としたいところですが、自分自身は賃貸です。単に物件を買うタイミングを逃したというだけなのですが、それが理由で引き分けとしておきます。

個別株 vs. ETF vs. 投資信託

これまた定期的に発生する個別株 vs. ETF vs. 投資信託論争です。これは大きく、個別株 vs. インデックス(ETF vs. 投資信託)という構造になります。個別株とインデックスの勝負については、棄権します。というのも、大勝する人から大敗する人まで幅広く分布するのが個別株なのに対し、インデックスはその市場での平均値を取れる手法だからです。

 

他人を出し抜けると思える人なら個別株をやったらいいし、他人と同じ成績でいいというならインデックスが最適です。ご自身の目指す道をどうぞという感じ。ただ、たまに聞く「勉強を重ねてプロ並みの時間を使うのでもない限り、個別株投資は難しい」という言葉には反対します。

 

この言葉は「しっかり勉強してプロ並みに時間をかけて分析すれば、インデックスよりもいい成績が取れる」という意味だからです。ぼくは株式投資がそんなに簡単なものだとは思えません。プロよりも自分が優秀だと思う人だけが、個別株で勝負すればよいかと思います。

 

さて、ではインデックス投資をする際の手法としてETFと投資信託の勝負はどうでしょうか? 実はこの数年で投資信託の環境が大きく整備されて向上しました。大きな論点は下記の記事にまとめていますが、いまやETF有利というのはほとんどないといってもいいと思います。

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特に、NISAなどの非課税口座で運用するなら配当金を出してしまうETFは、非課税枠を損してしまいます。2024年からはNISA枠が永久化・拡大するので、ますますその意味は大きくなります。

 

というわけで、この勝負は投資信託の勝ち。隠れコストがどうなるかという課題はまだ残っているにせよ、バンガードのETFに近いくらいのコストになってきた最近のインデックス投信は素晴らしい商品だと思います。

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一括投資 vs. 積立投資

最後、5番目の勝負は一括投資対積立投資です。まず、これは今現金がたくさんある場合の話だということに注意が必要です。いまあるキャッシュを、一括で投資するのがいいか少しずつ積み立てるのがいいかという問題です。毎月給料から投資に回すような場合は、積立投資一択で、一括投資という選択肢は最初からありません。もちろん、給料から貯めておいて、あとで一括投資するなんてのは論外です。

 

その前提で考えていくと、理論的には一括のほうが有利です。投資はリスクに晒す資金の量と時間でリターンが決まるからです。

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ただ、理屈通りにいかない部分というのも往々にして出てきます。例えば、NISAです。新NISAは1800万円の枠をもちますが、1年間で投資できるのは360万円です。つまり一括投資は行えず、360万円ずつ積み立てる形になります。もちろん、NISA枠に収まらなかった資金は貯金としておいておくのではなく、特定口座とかで投資するでしょうから、正確には積み立てではないのでしょうけど。

 

「今が高値だから一括投資は怖い、下がったタイミングでも買い付けたいから積立投資がいい」という人もいるでしょうし、気持ちも分かります。でもそれが事実なら、今積み立てる必要なんてなく、もっと大きく下がったときに一括で買えばいいのです。今が高いか低いかが分かり、どのタイミングで買うのがいいかが分かっているということなのですから。

 

というわけで、この勝負は一括投資の勝ち。ただ誰しもタイミングを図りたくなるものなので、機械的な積み立てなら一括のほうがいいということで。

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あなたなら?

株クラで定期的に発生する「どっちがいい?」問題について、5番勝負形式で自分なりに考えてみました。みなさんならどう考えますか? Twitter投稿のリプでコメントいただけるとうれしいです。