FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

「太陽光発電所を売りませんか?」に買取価格を見積もってもらった

「太陽光発電所を売りませんか?」という電話がかかってくることが最近頻繁にあります。ではいったいいくらで買い取ってくれるのかと思い、買取価格を見積もってもらいました。

太陽光発電所を売りませんか?

「御社の太陽光発電所を売りませんか?」。法人の番号宛にそんな電話がかかってきたのは5月に草刈りに行ったちょっと後でした。発電所には所有者や連絡先を書いたパネルの掲示が義務付けられているので、それをチェックして電話しているのでしょう。

 

「ぜひお見積りお願いします!」

「では発電所の購入価格と、直近1年の売電金額は分かりますか? それから土地のレンタル料もお願いします」

「発電所の購入価格は1500万円くらい、直近1年の売電金額は、、、えっと220万円くらいだったと思います。途中は所有です」

「ありがとうございます。ではこれを元にお見積りをいたしますね」

「はいよろしくお願いいたします」

 

そこから1週間程度、こんなメールが届きました。

ほほー。1450万円で買い取ってくれるのか。ローンの残債を支払っても数百万円くらい残るな。この発電所、稼働から3年半。毎年100万円ちょっとくらいの収入を稼いでくれているから、700万円くらいのプラスになるのかー。意外と悪くないかも??

現在の400万円か、17年後の2250万円か

3年前に設備フルローン+土地で買った発電所。ローンの残債は1060万円でした。それを1450万円で売却できたら、キャピタルゲインを約400万くらいゲットできるわけです。

※初出で、インカムの手残り350万円を足していましたが、これを足すなら売却時だけでなく、保有し続ける場合でも足さなければいけませんでした。条件を揃えるために、過去の収入や支出は入れずに計算することに変更しました

 

おいしいかも? と一瞬思ったのですが、よくよく考えるとそうでもありません。だって、この発電所あと16.5年間は毎年100万円ちょっと手残りを出し続けてくれるし、ローン完済した最後の5年は毎年220万を得られます。100万x11.5年+5.8%220万x5年で、2250万円も稼いでくれるのです。そんなお宝をわずか400万円で売ってしまうなんて。

 

でも、2250万円を得られるのは16.5年後です。一方で売却すればすぐに400万円を得られる。時間的価値を考えると、すぐに売却して400万円を得るという考え方もあるかもしれません。

 

これはどう判断したらいいでしょうか?

 

もうちょっとちゃんと計算してみる

まずざっくり年間利益の220万円と買取金額の1450万円から、表面利回りを出してみます。これは割ればいいだけで、15%となりますね。買い手からすれば利回りは高いほうがいいですが、逆に売り手からすれば低い方が高価ということになります。そもそもこの発電所の購入時の表面利回りは約11%でした。その利回りがアップしているということになります。

 

ただし太陽光は永遠とこの金額分発電するわけではありません。FITは稼働から20年しか買取額を保証してくれないからです。こうした場合の利回りをチェックする方法がIRRです。スプレッドシートなどでIRR関数を使い、将来のキャッシュフローを入れれば利回りが出ます。

 

初年度の1450万円は投資額、そしてそこから毎年213万円のキャッシュフローが得られるという数字でIRRを計算すると12.64%となります。未来永劫CFが続くわけではないので、表面利回りよりも小さい数字になりました。

続いて、これらのキャッシュフローを生み出す設備の現在価値を計算してみましょう。その現在価値が1450万円よりも大きければ、売ったら損だし、小さければ売ったほうがお得だということになります。

 

そのための計算式はNPV(ネット・プレゼント・バリュー)関数です。IRRとは違い、1年目から17年目のキャッシュフローを使って現在価値を計算してくれます。ただ一つ重要な点があって、割引率も入れなくはなりません。

 

現在の100万円と来年の100万円は価値が違います。どれだけ違うのかというとだいたい金利で決まります。金利が5%なら、現在の100万円と釣り合うのは来年の105万円。逆にいうと、来年の100万円は現在価値に直すと95.2万円になります。このときの金利5%がすなわち割引率です。

 

ここで面白いのは、割引率に先のIRR12.64%を入れるとNPV=現在価値は1450万円と出ること。IRRは、1450万円を投資して毎年213万円(ただし17年間)を手に入れる運用の利回りは12.64%だということを意味しています。つまりこの投資において、投資家は12.64%のリターンを期待しているわけです。これを逆にみると、将来の収益に対して期待している12.64%のリターンで割り引くと、初期投資額の1450万円が出てくるわけです。

 

ちなみにこの割引率を4%と置けばNPVは2542万円になるし、株並の6%と置けば2196万円となります。

現在価値を計算してみる

では売却せずに保有を続けた前提で、どのくらいの現在価値になるのか割引率ごとに計算してみました。こちらは発電所が生み出すCFから、ローン返済を引いた粗CFで計算しています。このように、割引率を3%とおけば1800万円近い価値ですし、割引率が15%なら750万円ということになります。

最初の問に戻ると、今すぐ現金で400万円か、17年後の2250万円か? というものでした。17年後の2250万円を現在の価値に変換(割り引く)と、上記のような数字になります。約400万円に相当する割引率を計算すると約29%のときでした。

 

さてこれで答えが出ました。今すぐ現金400万と、17年後の2250万円が釣り合うには、割引率が29%、つまり400万円を年率平均29%で運用できた場合ということになります。

 

別の見方だと、売却して得た資金を株式で運用する前提で期待リターン6%と置くなら、1400万円くらいの売却手残りが額ほしい。つまり残債を含めると2460万円くらいに評価してほしいわけです。

 

ちなみに僕は太陽光の割引率は保守的に6%で割り引いています。しかし実際のところ、株よりも低リスクな運用商品だというようにも思っていて、3〜4%程度の割引率評価でもいいんじゃないでしょうか。もしそうなら、評価額はさらに200〜350万円ほどアップするわけで、なかなか買取の見積額とは開きがあります。改めて、太陽光発電所の権利はお宝に化けたなと思うわけです。

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