投資でセミリタイアする九条日記

セミリタイアを実現したサラリーマン。ETF投資を中心に、太陽光投資や不動産投資、オプション、VIX、FX、CFDまで使って資産運用をしています。

バックテストツール、Portfolio Visualizerでアセットアロケーションを考える

投資にとって最も重要なのはアセットアロケーションだ、と言われます。これは個別株で勝負するギャンブラーではなく、「投資家」ならば決して忘れてはいけない真実だと思います。

 

投資の総リターンの90%は、投資家の選択したアセット・ミックスによって決まる。

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しかし、最適なアセットアロケーションを導き出すのは難しいものです。そこで、過去の実績に当てはめてみて(バックテスト)、そのアセットアロケーションが最適なのかをチェックしてみましょう。米国のサイト「Portfolio Visualizer」の使い方を紹介します。

 

Portfolio Visualizerでは、資産クラスごとにアセットアロケーションを決める「Backtest Asset Allocation」と、具体的なティッカー名を入れる「Backtest Portfolio」の2種類で、バックテストを行うことができます。

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資産クラス別のアセットアロケーション

 

Portfolio Visualizerでは、「米国株」「米国バリュー株」「米国小型株」「10年米国債」「ハイイールド債」など38種類の資産クラスから、どこに何パーセントを割り当てるかを決めていきます。

 

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そのほかに設定するのは、だいたい下記のとおりです。

  • Start Year   バックテスト開始年
  • End Year   バックテスト終了年
  • Initial Amount 最初の投資額
  • Periodic Adjustment 資金の継続的な追加や取り崩し。「Contribute」は毎年資金を追加。「Withdraw」は毎年資金を取り崩し。「Fixed Amount」は固定金額を追加したり取り崩す形で、「Fixex percentage」は一定率を取り崩す
  • Rebalancing アセットアロケーションの比率が変わったら、比率が高いものを売って比率が低いものを買い、アセットアロケーションの比率を戻すのがリバランシング。これを行うか否か、行うならどのくらいの頻度で行うか
  • Benchmarek アセットアロケーションのリターンを何を比較するか。デフォルトでS&P500が登録されている

自分でアセットアロケーションを入力してもいいのですが、プリセットされているアロケーションの中から、「Growth」「Conservative」「Income」を選んでバックテストを表示させてみました。

 

Growth(Portfolio1)は株式に80%を回すアロケーションで、米国外へも28%を回します。Conservative(Portfolio2)は米国債に48%、海外国債に12%を回します。Income(Portfolio3)は80%を国債に回すアロケーションになっています。

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このグラフは、この3つのアロケーションとS&P500の4種類を並べたものです。 年1回のリバランスでバックテストしました。スタートは1994年となっています。結局、S&P500がダントツで成績がよいというものになりました。

 

Portfolio Returnの見方は次の通りです。

  • CAGR  年平均成長率
  • Stdev  ボラティリティ。標準偏差
  • Best Year 最も大きく上がった年の伸び率
  • Worst Year 最も大きく下げた年の下落率
  • Max Drowdown 月間で最も下げたときの下落率
  • Sarpe Ratio  シャープレシオ。大きいほど、リスクの割にリターンが大きいことを意味する
  • Sortino Ratio  ソルティノレシオ。シャープレシオの改良版。相場が下方に振れた時だけをリスクとみなして計算する。大きいほど下落局面に強いことを意味する。
  • US Mkt Correlation 米国市場との相関性。1は完全相関

S&P500はCAGR9.48%と大きいものでしたが、Stdevも14%と大きいものでした。シャープレシオとソルティノレシオが大きいのは、実は国債にほとんどを投資したIncome(Portfolio3)になっています。

 

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こちらのグラフは、同じアロケーションを、2000年スタートでバックテストしたものです。2018年現在時点のリターンはどのポートフォリオもほぼ変わらないだけではなく、ほとんどの期間でS&P500が下回っているという状況です。

 

こちらでもシャープレシオとソルティノレシオが最も大きいのはIncome(Portfolio3)でした。また、S&P500はMax Drowdownでなんと-50.9%を記録しており、一時的にせよ資産額が半分になったことを示しています。

 

個別銘柄別のアセットアロケーション

もう一つは、個別にティッカーを入れてチェックできるPortfolio Asset Allocationです。設定項目では、下記が違います。

  • Display Income  配当と分配金を別途グラフとして表示
  • Reinvest Dividends 配当を再投資するか否か

同様に、3つのポートフォリオを作ってみました。Portfolio1はぼくの現在のポートフォリオに近しい内容です。ただし、日本の証券コードは受け付けず、米国市場でティッカーがあるものしか選択できないようです。トヨタやソニー、TOPIXは選べましたがソフトバンクは選べません。

 

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Portfolio2は、S&P500 EFTであるIVVを50%、短期国債ETFのSHV50%です。Portfolio3は、Facebook、Google、Amazonに30%ずつ、残りをTeslaとNvidiaというハイテク成長株で固めたものにです。

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2014年からのバックテストでは、見事にハイテク成長株の圧勝です。CAGRは実に33%。さらにシャープレシオもソルティノレシオも他のポートフォリオよりも良いという圧勝具合です。

 

ただしこれはこの5年あまり、いかにハイテク成長株が好調だったかを意味するもので、今後もこれが続くことを示しているわけではないことは注意です。ぼくのPortfolio1はS&P500をCAGRで10%程度上回っているのはちょっと嬉しかったりします。

 

このように、米国株中心であれば、さまざまなアセットアロケーションをバックテストで試すことができます。以前、マネックスのアセットアロケーションツールを紹介しましたが、さまざまな統計情報が表示でき、バックテストで検証もできるという点で、Portfolio Visualizerはさすがのツールですね。ただし、日本株はほぼ選べないので、そこだけは注意が必要です。

 

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