「富裕層の定義が資産1億円以上であるという話の経済学的根拠」という記事を見つけました。よく、1億円が富裕層の定義とされますが、なぜ1億円なのかというのを噛み砕いて解説したものです。
日本のGDPは約500兆円ですが、GDPの三面等価の原則から分配面を見ると、企業に分配される分が約100兆円あることが分かります。企業に分配される、というのは、配当や利益剰余金として、要は株主の取り分となる分です。
※統計指標のかんどころより
日本において、資本として提供されているお金の総額(国富)は約3000兆円なので、100兆円の不労所得の利回りは約3.3%になります。つまり、あらゆる投資を総合すると日本では平均して3.3%でお金が回っているのです
なるほど、GDPの営業余剰への分配額から、投資家の不労所得の平均利回りを導き出しています。いろいろな投資がありますが、これをひっくるめて約3.3%ということですね。
一方で、1億円を3.3%で運用すると330万円の収入となります。日本の平均年収から考えると300万あれば働かなくても暮らせるというロジックになります。
つまりこの記事では、「働かなくても人並みに暮らせるだけの資産を持っている」=「富裕層」としているわけです。人並みでいいのかどうかというのは人それぞれですが、その境界が1億円というのには納得です。