投資でセミリタイアする九条日記

セミリタイアを実現したサラリーマン。ETF投資を中心に、太陽光投資や不動産投資、オプション、VIX、FX、CFDまで使って資産運用をしています。

太陽光発電投資のIRRを計算する

先日、太陽光発電投資のメリット・デメリットを考察しました。今回は、実際にどのくらいの利回りが出る投資なのかを計算してみます。

kuzyo.hatenablog.com

 

 

太陽光発電の利回り表記に注意

太陽光発電案件の紹介サイトなどでは、「利回り10%!」などという表現が普通に書いてあります。これは嘘ではないのですが、二つ注意が必要です。

 

一つは表面利回りを表した数字だということです。つまり、別途経費がかかってきますので、その分利回りは低下します。ただし不動産投資などと違い、太陽光発電の場合、かかる経費はそれほど多くありません。草が伸びてパネルを覆うのを防ぐ草刈りの費用(年間15万円程度)、土地の固定資産税、太陽光発電システムの固定資産税、各種保険代などがそうです。

 

二つ目は特に注意が必要です。不動産の場合、土地と建物の価値はゼロになることは基本的にありません。数十年経っても、土地は実勢価格で、つまり購入時からプラスマイナス何%かで売れます。建物は次第に価値が下がっていきますが、賃料が得られる限り、ゼロということはないでしょう。RCなどでは40年以上価値が継続すると考えられます。

 

ところが太陽光発電の場合、国の買取保証FITが切れた20年後は、ほぼ無価値になる可能性があります。土地は、正直太陽光発電以外に使いみちがありませんし、市場価格での売電単価は未知数です。パネル自体はメーカー保証が25年というのが一般的ですが、次第に劣化が進みます。そのため、20年後には価値がゼロになると考えてシミュレーションするのが保守的です。

 

普通、利回りといったら元本が戻ってくる前提で計算して比較します。定期預金のようなものですね。不動産投資は比較的近い考え方でいけますが、太陽光発電の場合、元本がゼロになる前提で計算しなくてはいけません。つまり、「利回り10%」を定期預金などと比較してはいけないのです。こんなとき、同じものさしで投資対象を比較するにはIRRを使います。

 

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実際の案件のIRRをチェックする

さて、では太陽光発電投資の利回りをIRRで見てみましょう。前提として低圧の野立太陽光発電で、土地費用込で総額1800万円として計算してみます。草刈り費用は年間15万円、土地の固定資産税を年間2万円とおいてみます。収入は年間約200万円、表面利回り10.6%とおきました。多少前後はありますが、よくある表面利回りだと思います。借り入れについては、信販ローンで現在一般的な2.15%、元金均等返済としてみます。

 

さて、計算結果はどうなったでしょう?

 

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横軸のパーセントは、自己資金比率を表します。棒が20年間の累計利益額で、赤線がIRRです。これを見ると、全額自己資金でまかなった場合が累計利益額は最も多くなり、1250万円のプラスが生まれます。自己資金を減らしていくに従って、借り入れに対する利息の支払いが生まれるので累計利益は減少します。

 

一方でIRRは、当然自己資金が少ないほうが高くなります。全額自己資金の場合で約6%。自己資金30%の場合で約10%です。このIRRは、定期預金や株式などと比較しても大丈夫な利回りと考えていいでしょう。20年で資産価値がゼロになっても、このくらいの利回りが出るのが太陽光発電投資です。

 

借り入れ金利の変動がIRRに及ぼす影響

続いて、IRRに影響を及ぼす要素を見てみます。まず自己資金比率を20%と仮定します。その上で、借り入れ金利が変化したときにIRRがどうなるかシミュレーションしてみます。

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横軸が借り入れ金利です。借入金利が上昇するとIRRが下落、金利を抑えることができればIRRが上昇します。

 

案件を評価する際には、表面利回りはもちろん、自己資金比率(最近ではパネルなどのシステムは全額ローン、土地代、整地代などの諸経費は自己資金が普通です)、そして金利がIRRを大きく変化させる要因だということがわかります。そしてもちろん、売電収入はシミュレーションで出しているものに過ぎないので、日当たりの良さなどの違いが収入に大きな影響を及ぼしますね。