FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

GMOクリックCFDでVIX投資

しばらく市況がバタバタしていたので休んでいましたが、久しぶりにVIX投資を再開しました。これまでサクソバンク証券を使っていましたが、今回はGMOクリック証券のCFDでVIXを取引します。

 

kuzyo.hatenablog.com

 

GMOクリック証券の場合、VIX銘柄は3種類あります。

 

 

米国VI

S&P500のVIXに連動する銘柄です。本日時点のレートは15.18ドルとほぼVIX値自体と同じです。ただし、VIX自体の取引はできませんので、原資産はCBOEで取引されているVIX先物になります。先物は決済期限があるので、定期的に期限が先の先物に乗り換え(ロールオーバー)をします。基本的には、期近の先物よりも、期先の先物のほうが高いので、安いものを売って高いものを買うとロールオーバー時に価格が下がることになります*1。これを減価といいます。

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VIX Centralより。限月が先のVIX先物のほうが価格が高いことが分かります。つまり現在はコンタンゴ状態です

 

この減価を反映して、米国VIでは月に1回、価格調整額というものを発生させています。ロングの場合、価格調整額の支払い、ショートの場合は価格調整額を得ることができます。つまり、VIX自体の上下で儲けるのではなく、米国VIをショートして、価格調整額で儲けるという戦略が取れることになります。

 

GMOのログイン後ページから調整額履歴を見ることができます。CFDから「インフォメーション」を選び、

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ページカブにある「価格調整額」から「履歴一覧」を選びます。

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そして、銘柄選択から「米国VI」を選ぶと、過去の米国VI価格調整額を見ることが出来ます。

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データをまとめたのが下記のグラフです。一ヶ月ごとに価格調整額が支払われており、だいたい1000円から1500円前後のようです。米国VIを10ごとの支払い額なので、原資産額15ドル✕10枚で150ドル=16,600円あたりの月次リターンを折れ線グラフで記してみました。

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青棒がマイナスに振れているのは、先物価格が期先のほうが安い、バックワーデーション状態だったということを示します。逆にプラスなのはコンタンゴ状態です。このコンタンゴ状態によって収益を得ていくというのが、VIX投資の一つの戦略です。コンタンゴの分析については、下記の記事で書きましたので、読んでみてください。

 

kuzyo.hatenablog.com

  

米国VIブルETF(UVXY)

2つ目のVIX銘柄が「米国VIブルETF」です。こちらはティッカーコード UVXYでNY証券取引所に上場しているETFで、VIX先物に1.5倍のレバレッジをかけたものになります。原資産のファクトシートはこちらです。

 

米国VIとの違いは、毎月1回ロールオーバーを行うのではなく、毎日少しずつロールオーバーをしていきます。それによって、常に先物の限月が1ヶ月になるように調整しているのです。毎日少しずつロールオーバーをすることで限月を一定を保つ仕組みをコンスタント・マチュリティと呼びます。

 

そして、差額は価格調整額などの形で支払うのではなく、基準価格に組み入れます。 つまり、毎日継続的に減価が続き、価格が下がり続けるわけです。

 

UVXYはプロシェアーズが運用するETFですが、ストラテジーはiPathのVXXと同じです。ざっくりいうと、VXXにさらにレバレッジをかけたのがUVXYだと考えていいと思います(UVXYとVXXの比較)。

 

過去1年のUVXYの価格チャートが下記です。今年1月のVIXショックの際には価格が3倍近くまで跳ね上がりましたが、トレンドとしては下がり続けているのが分かります。

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過去5年のチャートを見ると、恐ろしい勢いで0円に近づいているのが分かります。

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米国VI、UVXYともに、コンタンゴによる減価狙いならば売り(ショート)することになります。当然、VIXが急騰したタイミングで売るのが一番いいわけですが、そういう際には空売り規制が入ることがしばしばあるので、なかなかいいタイミングでは売れません。

 

米国VIベアETF(SVXY)

3つ目の「米国VIベアETF」は、ティッカーコード(SVXY)で上場しているETFです。米国VI、ブルETFとの違いは、値動きが逆になるインバース型だということです。つまり、コンタンゴによる減価によってSVXYの価格が上がっていくことになります。ただし、インバース型自体にも減価する性質があるのでコンタンゴ効果を多少打ち消すことになります。さらにレバレッジがかかっています。

 

1月のVIXショックの際に、ものすごいことになったのがこのVIXインバース型です。チャートを見てください。

 

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ぐんぐん上昇して価格があがり、140ドル近くまで行ったところで、一気に13ドルと10分の1まで下落しました。

 

このSVXYは、内容としてはXIVと同じです。そしてXIVは、「前日比で80%価格が下落したら強制償還する」という即死条項にひっかかり、つまり強制ロスカットとなりました。当時、XIVのポジションではかなり痛い目を見ました。

https://hass104.blog/objectives-changes-of-svxy-and-uvxy/

 

VIXインバース型の注意点は、放っておくとポジションがどんどん巨大になることです。CFDは証拠金取引なので、与力に対するレバレッジがどんどん上がっていくともいえます。そして、下落するときはこのようなものすごい状態を引き起こします。そしてXIVのような強制償還(強制ロスカット)のリスクもあります。

 

SVXYはなんとか生き残ったものの、当時に比べてレバレッジ倍率を下げ、現在は-0.5倍のレバレッジ(マイナスというのはインバースということ)となっています。

hass104.blog

 

長くなったので、実際の取引は次回に。

*1:期近の先物のほうが安い状態をコンタンゴ、期先のほうが高い状態をバックワーデーションといいます。たいていはコンタンゴ状態ですが、VIXが不安定なタイミングではバックワーデーションにもなります