前回は、GMOクリック証券で取り扱うVIX関連銘柄のCFDについて調べてみました。今回は、実際に取引を行う流れをまとめてみます。
GMOクリック証券では、CFDの取り扱いをしているので、普通の株式と同じように、売りか買いかを決めて数量を指定し、成行か指値かを選び、指値の場合は価格を決めます。その注文がいつまで有効かを「当日」「週末」「翌週末」から決めて、確認画面、発注を押せばOKです。
CFDは、株式と違って証拠金取引です。つまり、購入に必要な金額の一部だけで売買が可能です。米国VIでいうと、1枚15.1ドルとして10枚で151ドル(1万6700円相当)ですが、購入に必要な金額(証拠金)は3355円でしかありません。5倍のレバレッジがかかっていることになります。
これでは、ボラティリティが60%にも達する米国VIでは、簡単にロスカットされてしまいます。
では、どれだけの追加証拠金を用意すればロスカットを防げるのでしょう? GMOクリック証券では、「ロスカットレートの変更」という機能が用意されており、ここを操作することで自らロスカットレートを変更するとともに、そのために必要な証拠金を「拘束」することができるようになっています。
価格がどこまでいったらロスカットで、そのためにはどのくらいの証拠金が必要なのか、つまり最大損失額がどのくらいなのかを、わかりやすくすると同時に、自ら変更できるようになっています。同社ではこれを「セーフティバルブシステム(S.V.S)と呼んでいます。初めて使いましたが、たいへん使い勝手のいい機能ですね。
今回は、「米国VI」のショート、「SVXY」のロングのポジションをとってみました。
米国VIが200枚(10枚単位なので建玉数表記は20)、SVXYが50枚です。米国VIは、必要証拠金は66,742円ですが、ロスカットレートを32.5まで上げ、任意で352,782円の証拠金を入れることで、合計の拘束証拠金は419,524円としています。
下記は、VIXの過去データです。ここ数年はまだ落ち着いている方で、リーマンショック時には80まで達しています。今年1月のVIXショック時は30まで上がりました。
ロスカットレート32.5というのは、リーマンショック級はもちろん、ギリシャ危機レベルでもまずい数字ではあります。できればもう少し証拠金を積みたいところですね。
SVXYのほうは2011年半ばからのスタートなので、データがあまりありません。それでも目立つのは、VIXショック時です。140ドル台から10ドル台へと93%も下落しています。購入時の13.9ドルから93%下落すると0.97ドルですので、ロスカットは1.5ドルに置きました。
50枚の購入で、必要証拠金は76,214円です。ロスカットレートを1.5ドルに置くことで任意証拠金を60,785円積み、拘束証拠金は76,241円としました。
GMOクリック証券の拘束証拠金の計算は、ポジションごとに計算されます。つまり、複数のポジションで証拠金を共有できないということです。
ポジションAで利益が出ていても、ポジションBで損失が拡大してロスカットとなったら、ポジションBが証拠金を食いつぶすことでポジションAもロスカットされるということがあります。GMOクリック証券のS.V.Sでは、このようなことはおきませんが、それぞれの証拠金が必要なので資金効率が悪化するおそれがあります。
ただし、それが問題になるのは、逆相関のポジションを持っているときでしょう。今回のように、VIXに関して相関するポジションを持つなら、S.V.Sのほうが安心です。
来週から、VIX関連のポジション状況について見ていきます。