先日、上司にセミリタイアする旨を伝えました。いやはや、これは緊張しますね。何しろ今の仕事を降ります、という提案なので、上司からすると耳を疑うような話になります。
一応、「給料は下がるよ」とか、「これからどうしたいの?」というようなありきたりな話は出ましたが、「いや困る」というような引き止めはありませんでした。半分がっかり、半分ほっとしたというのが正直なところです。心の中ではセミリタイアですが、さすがに「これからは資産運用で暮らしていきます。仕事は好きなことしかしません」とは言えないので、いろいろとオブラートに包む言い方になりました。
いまの会社が嫌いというわけではないので、すべて投げ出してあとは知らないよ、というようにするつもりはなく、時間をしっかりかけて引き継ぎをして行こうと思っていること。また、あと5年もこのままいたら、会社にしがみ付く人生になりそうなので、次のキャリアを考えたいということも話しました。
これまで、自分が上司として、部下から「辞めたい」という話を何度ももらってきました。「うわぁまたかよ。これは困った」と毎回感じてきましたので、逆の立場のこともよく分かります。ただ、ぼくは転職や退職を前向きに考えています。人が辞めるのは当社にとってはダメージだけど、その人にとってはきっといい選択なんだろうと思っているので、基本的に祝福するスタンスです。人によっては、「裏切られた」とか思う上司もいるんでしょうけど。
さて、最近マルクスの資本論に関する本を読みました。その中で、労働者の中でも勤勉に働く人が給与を貯めて資本家に変わっていく、という見方があるのを知りました*1。労働者から資本家へ。これはまさにキャリアチェンジですね。
こういう労働観は、『金持ち父さん貧乏父さん』でも同じだと思います。ラットレースという労働者階級でしっかりと資産を貯めて、仕事をリタイアして資本家階級へキャリアチェンジする。そういう発想でこの本は書かれています。
ぼくも学生を16年間やり、その後会社員として23年を過ごしました。学生としてスキルを貯めて会社員をやり、会社員として資金とスキルを貯めて資本家・投資家となっていく感じです。まだ完全に実感はわきませんが、楽しみです。
改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本)
- 作者: ロバートキヨサキ,白根美保子
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*1:マルクスは労働者と資本家を別の階級のように書いているように思います。ただし、昨今の労働者は年金基金などを通じて資本家階級でもあるんですね。少なくとも国民年金や厚生年金を払っている人は、年金基金を通じて株式や国債に投資しています。保険料収入は2015年度で33兆8065億円で、加入者は6728万人います。単純計算で1人あたり年間50万円を年金基金に投資している計算になるので