1回10万円を、手数料無料、即時送金できる「ことら送金」。2022年10月のサービス開始からまもなく2年。対応金融機関は徐々に増え、今回住信SBIネット銀行も対応へ。活用法を考えてみます。
ほとんどは地銀、信金だが
ことら送金が利用できる金融機関は「288先」をうたっていますが、実のところ、その殆どは地銀と信金です。これは地銀・信金がシステム共有していて一つに対応すれば一気に利用可能になるのが大きいでしょう。そもそも横並び体質ですしね。
そのため実際のユーザー体験的には、ネット銀行などがどこまで対応しているかが重要です。そういう意味での主な対応銀行をピックアップすると、次のようになります。
- SBI新生銀行
- みんなの銀行
- ゆうちょ銀行
- 4メガバンク
もともと4メガバンクから始まったサービスなので(資本も4メガの出資)、メガバンクが利用できるのは当然ですが、実はネイティブアプリから使えるのは三井住友銀行だけで、ほかは「J-Coin Pay」とか「Bank Pay」とかから利用しないといけないのは玉に瑕。まぁそれだけシステム的に硬直しているのでしょう。
SBI新生銀行とみんなの銀行は、使っている人にはありがたい。
今回、あれ?対応してたの?と思ったのがゆうちょ銀行です。ゆうちょへのお金の出し入れは、振込手数料がかかりけっこう嫌だったのですが、ことら送金に対応したなら楽ですね。2024年2月に対応を開始していました。ただし送金可能回数は5回/月です。ちょっとせこい。
ついに住信SBIネット銀行が対応に
今回ことら送金のプレゼンスがぐっと上がるのは、住信SBIネット銀行が対応すると発表したからです。8月下旬に向けて、利用できるようになります。
住信SBIネット銀行は振込手数料無料回数が多く、UIUX的にも振込が大変容易な銀行なので、ことら送金対応のメリットは、次のようになるでしょう。
- 他銀行から住信SBIネット銀行への送金
- 電話番号やメールアドレスで受け取れる
- 即時送金で全銀ネットより速い
ぼくの場合、メガバンクから住信SBIネット銀行に資金を戻したり、ゆうちょ銀とのやりとりに活躍しそうです。また全銀ネットはモアタイム対応金融機関でも、朝などはけっこう着金に時間がかかるので、即時送金はけっこうありがたい。ただ上限10万円なので、資金移動には全然使えないですけど。
電話番号やメアドで送れるのは、もう少し普及したら飲み会の割り勘などで活躍しそうです。ただPayPayでいいんじゃない? という気もしなくもありません。
GMOあおぞら銀はどうなった?
ちょっと気になったのがGMOあおぞら銀です。実はネット銀行の中では早期から「対応予定」とうたっていたのに、今になっても未対応。なんか問題が起きているのか、プライオリティが下がってるのか。
GMOあおぞら銀といえば、ネット銀行の中でも先進的な取り組みを行う銀行だと思っていたのですが、このところ、あまり新たな取組がありませんね。一時期、メイン口座にできないか検討してみたのですが、証券会社各社との連携(即時送金とか)がいまいちで止めてしまいました。
手軽に利用できることら送金に対応する金融機関が増えることに期待しています。