1月24日、日銀が25bpsの利上げを決めました。これにより、短期プライムレートも0.25%程度の上昇が見込まれます。では、変動金利ローンを組んでいる場合、どのくらい支払い金利が増えるのでしょうか。
日銀が25bpsの利上げ
日銀は24日の金融政策決定会合で、2024年7月以来となる利上げを決めました。0.25%アップさせ、政策金利は0.5%程度になります。
今回も、正式な会合の前に複数メディアからリーク報道がされていました。どうやら植田日銀にとって、市場との対話とは特定メディアに事前にリークすることを指すようです。確かに市場にショックは起きませんでしたが、こうしたやり方はフェアでもないし、クリーンでもありません。個人的には反対です。
変動金利のローン支払い額はどれだけ増える?
さて、政策金利がアップとなれば短期プライムレートもアップし、短期プライムレート連動の変動金利も上昇します。不動産や太陽光など、ローンを借りて投資している投資家からすると、コストの増大です。
ではどのくらい支払い金利は増加するのでしょうか? 前提として、金利が上がると支払い総利息は増加します。1000万円を0.925%の変動金利で借り、180ヶ月=15年で返すローンを見ていきます。この場合、金利が25bpsずつ上がった1.175%と1.425%で、いろいろ比較してみましょう。
まず月々の返済額です。0.925%の場合月々5万9520円の返済(15年ローン)でしたが、25bps上がると6万622円に増えます。さらに25bps上がると6万1737円です。これが19年ローンだと4万7844円→4万8959円→5万91円へと増えます。

もう少しわかりやすく、増加分だけ見てみます。15年ローンだと25bpsの利上げで月々1102円の支払い増、さらに25bps利上げで+1115円の支払い増です。25bpsごとに1100円って感じですね。19年ローンだと、1115円→1132円増となります。

この15年ローン、19年ローンは太陽光をイメージしたものですが、住宅ローンっぽい例として、19年ローン金利0.5%、30年ローン金利0.5%も見てみましょう。下記が19年ローン金利0.5%(緑)と30年ローン金利0.5%(黄)です。いずれもざっくり25bpsで月々1100円くらい返済額が増えていることが分かります。

ただし、もともとの返済額は、右に行くほど小さいので、増加の絶対額は同じようなものでも、増加率は高いことには注意が必要です。
総支払金利の変化
続いて、総支払金利はどう変化するでしょうか。まず15年ローンから。

返済期間が長いほど、支払い総利息は増えます。同じ金利のバリエーションで、返済期間が19年のものも追加してみましょう。年数が15年→19年に増えると、金利が25bps上がったのと同じくらいの影響があることが分かります。

差がわかりやすいように増加額のチャートにします。また、住宅ローンに近い19年0.5%(緑)と30年0.5%(黄)も足しましょう。このように、利上げの影響はもともとの金利が高いほうが(わずかに)大きく、期間が長いほど総利息増加額が増加することが分かります。

1000万円のローンに対して、25bpsの利上げの総利息増加額をみると、こうなります。
- 15年0.925%:約20万
- 19年0.925%:約25万
- 19年0.5%:約25万
- 30年0.5%:約40万
そしてさらに25bps利上げがあると、次のようになります。
- 15年0.925%:約40万
- 19年0.925%:約51万
- 19年0.5%:約50万
- 30年0.5%:約80万
これはそれぞれ1000万円のローンに対しての話なので、ローン残債が5000万円なら5倍、1億円なら10倍になります。いやはやけっこう影響は大きいですね。
ぼくはちょうど先日、2.15%の固定金利から0.925%の変動金利に借り換えを行ったばかりなので、そろそろだろうとは思っていたものの、すぐさまの利上げに涙目です。