昨年秋に、ボルボのEVに乗り換えました。69kWhという大容量バッテリーを搭載しながらB+セグメントというコンパクトさが特徴。数カ月乗ってみたので、EVにまつわる賛否両論の言説について評価していきたいと思います。前回の走行距離に続き、今回は充電です。
神話2 充電は大変だ
EV否定論者がよく言うのが、「数分で満タンにできるガソリン車と違い、EVは充電できる場所も限られるし時間もかかるので現実的ではない」ということ。これは、一部は真実ですが、誇張されている点もあると感じています。
まず、200km以内の走行においてはEVはまったく充電のことを考える必要がありません。というのも、基本自宅の車庫で充電するからです。200Vの専用電源から充電すると最大6kWのスピードで充電でき、一晩放っておけば十分だからです。
宿泊前提の移動以外、100km以上先のところに行くというのは珍しいので、日常の街乗りや日帰り観光などでは充電のことを全く気にする必要がありません。これはガソリン車よりもかなり気楽です。
またコストも安価です。69kWhのバッテリーを自宅の電源で満タンにした場合、東京電力の従量電灯Bの場合で、2100〜2700円かかります。最近またガソリン価格が急上昇していますが、それに比べても安価ですね。
ホテルに充電設備なんてない
では遠出したときはどうでしょうか。よく充電器の数は増えたといいますし、実際総数でいえば大量です。下記は都内のEV充電施設のマップですが、数だけでいえばガソリンスタンドよりも多いのではないでしょうか。

ただ、これはあまり意味がありません。都内住みのぼくにとっては自宅で充電するので、都内にいくら充電設備があっても意味がないのです。では旅先の状況は? というとまだまだです。
たとえば、スキー場や観光地にいってホテルの駐車場で充電できるか? というとまだまだです。先日苗場スキー場に行ったのですが、プリンスホテルの駐車場には充電設備はありませんでした。実のところ、かぐらみつまたの側にある道の駅か、月夜野ICの側までいかないと急速充電器はありません。しかも月夜野IC近くのファミマにある充電器は壊れていました。
プリンスホテルの駐車場でこれなのですから、充電設備のある宿泊施設のほうがレアでしょう。じゃあ充電設備のある宿に泊まろうと思っても、楽天トラベルなどでは「充電設備のある宿」では絞り込めません。「新型コロナウイルス対策」の有無やクルマ椅子の有無では絞り込めても、EV充電設備は都度ホテルに電話しないとわからないのです。
結局安心して充電できるのはSA/Pだけ
道の駅は比較的高速充電設備があり、コンビニなどでも充電設備を設けるところが増えてきました。ただこういうところはあっても1基しか置いてないんです。なぜ1基で足りないのか。実はEVを充電している人はそれほど多くなく、埋まっていて待ちになるという状況にはまだ遭遇していません。
困るのは、CHAdeMO充電器はよく壊れていることなんです。複雑な設備だし安全性にも気をつけなくてはいけないのは分かります。ただ付近に一箇所しかなくて、やっと行ってみたら壊れていた。これほんと困るんですよね。

結局、安心して使えるのは複数の充電設備が置いてある高速道路のSAになります。ほぼSAには置いてあるし、充電中に施設に入って休憩もできるので、現実的です。そのほかの施設の場合、充電はできるものの、30分くらいの充電中、いったいどうしてたらいいの? となりがち。完全に無駄時間になってしまいます。
あとは温泉施設併設の道の駅で、充電中に温泉に入るのはとてもいい。ただ充電は30分制限というルールがあって30分経ったら充電がいったんおわるのでクルマを移動しなくてはならないのですが、温泉に入っていると30分で戻るのがけっこう大変だというのはあります。
充電時間はけっこう必要?
さて、遠出のときには途中で充電が必要になるのですが、どのくらいの頻度でどのくらいの時間、充電する必要があるのでしょうか。だいたい100km走るのに15〜20kWhくらい充電できればOKです。
SAで最も多い50kWのCHAdeMO充電器だと、25〜30分くらいで充電できます。充電設備は30分制限なので、一回充電すれば100km追加で走れるという感じです。最近増えている90kWの充電設備だとEX30の場合実効60kWくらいになって20分くらいで20kWhいけます。
GoGoEVで調べると、国内の充電設備は下記のようにだんだん高速充電器が増えてきています。
- 90kW以上 2927件
- 40〜89kW 6744件
- 39kW以下 1091件
ぼくの実感だと、そこそこの遠出でも、行きに15分SAで充電し、帰りに15分SAで充電すれば十分一泊旅行を賄える感じです。ただ、この15分の休憩時間がもったいないと思うならEVは向いていません。
一応90kW充電器で、30分x2で1時間くらい充電すればほぼほぼフル充電することもできます。ちょうどバッテリーを使い切る形で自宅にたどり着くと、自宅の6kW充電器では満充電までけっこう時間がかかるので、連日クルマを使うときは問題もあります。こういうバッテリーマネジメントを考えなくてはいけないのが、ガソリン車に比べたデメリットでもありますね。