先日、投資に役立つ暗算として「72の法則」と「115の法則」を紹介しました。ただ、役立つ暗算はほかにもあります。今回は、ローン返済額を暗算で計算する方法です。
こちらはある行政書士さんのブログで知りました。
ローン返済額というのは、1000万円を1%の利率で借りて20年で返すなら毎月いくら払うか? を指すものです。住宅ローンや不動産を買うときのローンの計算に暗算ができると便利ですね。元利均等払いの計算になります。
紹介されている式は、
- 金利を含んだ総支払額を出す
- 返済回数で割る
という流れになります。(1)の総支払額は、
- 借入金額 x 利率 x 期間 ÷ 2 x 1.1 で金利を出します
- 金利に元本を足します
です。なぜ2で割るかというと、借入した元本は返済によって徐々に減っていくからです。1.1を掛けるのは元本の減り方は最初はゆっくりだからです。ざっくりとした係数が1.07〜1.12くらいなので、1.1としたそうです。
※元本が減らないとしたら左の図になりますが、元本が期間を通して徐々に減っていくので半分。元本が減ると利子も減るのでそちらも半分。つまり右の図のようなイメージになります。
※ところが、元利均等返済の場合、初期の支払いはほぼ利子で、元本の減りが遅く、後半は逆に元本の返済比率が増えていきます。そのため、単に2分の1にしてはダメで、係数をかけて調整する必要があります。これがだいたい1.1だということです。
これで総支払額が出ました。今度はそれを返済回数で割ります。5年ローンなら60カ月ですので、60で割る感じですね。これで月々の返済額が出ます。
先の1000万円を1%で20年返済の場合はどうなるでしょう? まず総支払額すね。金利は110万円になります。元本が1000万円なので、合計1110万円です。
これを240カ月で割ります。4万6250円となりました。これが毎月の返済額です。実際にExcelのPMT関数で返済額を計算すると4万6179円となります。ほぼ近しい数字が出ることが分かりますね。
検算
では、0.5%から5%の範囲、5年から30年の範囲で、実際の返済額と暗算でどのくらいの誤差が出るのか確認してみました。プラスはその分だけ実際の返済額のほうが多いことを示し、マイナスは少ないことを示します。
金利が高くなるほど、また年数が長くなるほど差が出てきますが、住宅ローン、不動産ローンのレベルならばほぼ誤差なく計算できることが分かります。なかなかこれは便利ですね!