ちょうど1年前から、FXを使って米ドルの異業者スワップアービトラージを行っています。買いスワップの高い業者と、売りスワップの低い業者を組み合わせ、両建てすることで、為替リスクをなくし、スワップ差分を利益とする手法です。
利回りが4%→1%台に落ちてきた
1年運用して、このポジションをそろそろ解消しようかと考えています。理由は、利回りの低下です。
ポジション組成時、くりっく365でのプラススワップは68円。DMM FXでのマイナススワップは34円。差し引き34円が毎日入ってきます。年間にすると1万2410円です。1万通貨あたりの証拠金は4万4000円程度なので、レバレッジ6倍なら18万3000円程度。割り算すると、利回りは6%超になります。
これは美味しい!と思い、運用を始めました。
ところがこのところ、スワップ差が減少しています。くりっく365では85円、DMM FXでは72円のマイナススワップです。つまり、差し引きは13円まで減少しました。3割程度に利回りが悪化してしまいました。
利回りの高い南アランドに切り替え?
このまま持っていても、一応1万通貨あたり13円が毎日入ってきます。ゼロよりはましですが、決して高利回りとはいえません。
昨日ポジションをとった南アランドは、レバレッジ6倍で利回り9%。レバレッジ3倍まで落としても利回りが5%程度になります。米ドルポジションを解消して、南アランドに乗り換えるか? と考えてしまいます。
1つの通貨にまとめるリスク
ただしこれにはいくつかリスクがあります。一つは、南アランドにすべてを集約するリスクです。米ドルと南アランドの両方を持っていれば、為替が急変してロスカットとなっても、片方で済みます。
ちなみに、南アランドが動いたときに他通貨はどう動くのでしょうか? つまり相関はどうなのでしょう。下記のサイトで簡単に調べることができました。
ランド円について、相関は次のようになっていました。豪ドル、カナダドル、メキシコペソ、デンマーククローネなどは0.6以上とそこそこ相関が強いですが、米ドルとは0.3。あまり関連していません。
スワップアービトラージは、両建てですので、最大のリスクは急激な為替変動にあります。つまりボラティリティです。ランドのボラティリティが高まっているときに、ドル円のボラティリティも高まっていたら、リスク分散になりません。
というわけで、過去2年ほどのランド円とドル円の標準偏差(STDEV)の推移をグラフにしてみました。画像の上が為替推移、下が標準偏差の推移です。黒がランドで赤がドルになります。
これを見る限り、ボラティリティもあまり相関していないようです。この2年ほどの話ですが。
ポジション組み直しのスプレッドコストを回収できるか
もう一つがスプレッドコストです。スワップアービトラージでは、ポジション組成時にスプレッド分がコストとして発生します。ドル円はスプレッドが狭いので、通常10日以内には回収できますが、ランド円は1銭程度もあるため、回収に約1ケ月かかります。
これをどう見るかですね。
シミュレーションをしてみると、やはりランド円にポジションを組み直したほうがリターンは向上します。それはそうです。利回りがまったく違いますので。ただし、まだ慣れていないランド円に、一気にまとめてしまって大丈夫かは悩むところです。