収益不動産への関心をずっと持ち続けているのですが、こと相場の状況でいうと、やっと価格がピークを打って低下が始まったかな? という感じのようです。利回りでいうと、上昇が始まったかもというところ。
区分マンションは利回り低下継続
まず区分マンションですが、利回りの低下は落ち着いてきたようですが、上向いてはきていません。リーマンショック直後の2010年からの健美家のデータです。2010年当時は、区分の利回りが12%もあったんですね。価格も当時から約2倍になっています。
一都三県を抜き出すとこんな感じです。序列でいうと、東京23区→川崎市→横浜市→埼玉主要→東京市部→千葉主要という感じで、見事に層になっています。10年前は東京23区でも9%を超える利回りでした。
一棟アパートは価格のピークを超えたか
一方で、一棟アパートは2013年1-3月に価格がピークをつけ、徐々に下がってきているようです。利回りも復活の兆しが見えます。
一都三県で見ても、埼玉主要部や横浜市、そして東京23区で利回り上昇の兆しが出てきています。しかし、2012年など東京23区よりも川崎市のほうが利回りが低かった時代もあるんですね。
一棟マンションもアパートと似た傾向
一棟マンションもアパートとよく似た傾向です。一足早い2017年10−12月にピークをつけたようで、価格下落も早く、現在は2015年あたりの価格まで戻ってきています。
一都三県で見ると、23区以外での利回りが、2018年に入ってから上昇しているのが分かります。ただし、23区はまだ戻りが渋い状況ですね。
実需不動産は下がっていないが、収益不動産はピークを打った
住宅ローンなどの金利は引き続き低く、過去最低を更新中という状況です。一方で、スルガ銀行に端を発する、地銀の貸し出しバブルは弾けました。属性に関わらずフルローンが出たのも今は昔。現在は、普通に頭金を2〜3割入れてほしいと言われます。
つまり借りにくくなってきているわけで、これが収益不動産価格の下落を招いているのでしょう。価格が下がることで、利回りは上昇しています。
こうやって振り返ってみると、この10年は早くに不動産を買った人の勝ちだったことがよく分かります。利回りも高く、物件価格も2倍になっているのですから。ただし、普通のサラリーマンでも融資が簡単に引けるようになったのはこの5年ほどですから、10年前は買いたくても買えないというのも事実でしょう。
不動産投資では、物件価格や利回りもあるが、借りられるかが最も重要だとよく聞きます。たくさん借りてレバレッジを効かせることで、もし低利回りだとしてもIRRは大きくなるわけです。
低金利はまだまだ継続するという見方が一般的ですが、価格はどう動くか。不動産投資は面白そうなので、ぜひトライしたいのですが、ほんと、5年前に買っておけばよかったという感じです。