おすすめ本を紹介しまくる、「投資本編」と「小説編」に続き、今回は「科学読物編」です。このあたりから、けっこうマニアックな内容に入ってきます。というのも、この手の本は数百部スタートだったりして、1万部も売れるなんてほとんどないからです。
ほんと、世の中の本というのは、マンガが別格、占いとか芸能系とかはけっこう鉄板、小説はたまに大ヒット、ビジネス書はまだまし。科学書や学術書は、レアだったりするので。
というわけで、そんな中から僕が読んで「世界の見方が変わった」と思った10冊をピックアップです。
- 21) シンギュラリティは近い―人類が生命を超越するとき
- 22)宇宙をプログラムする宇宙―いかにして「計算する宇宙」は複雑な世界を創ったか?
- 23)素数の音楽
- 24)クルマはかくして作られる―いかにして自動車の部品は設計され生産されているのか
- 25)無限論の教室
- 26)多次元・平面国―ペチャンコ世界の住人たち
- 27)数学はインドのロープ魔術を解く 数理を愉しむ
- 28)フェルマーの最終定理
- 29)誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論
- 30)統計学が最強の学問である
21) シンギュラリティは近い―人類が生命を超越するとき
ちょっと前に流行ったシンギュラリティ。その原典であり考察の本。変化を突き動かすのは技術革新だけど、中でも半導体とAIの進歩は変革が大きくて、かつ速度が速い。確実に来る未来を知るための一冊。
22)宇宙をプログラムする宇宙―いかにして「計算する宇宙」は複雑な世界を創ったか?
宇宙が何のために存在するかの一つの解。それは、自らを計算するためだという。宇宙は巨大な量子コンピュータであり、全てが計算であるという、このアイデアに無茶無茶刺激されます。
23)素数の音楽
整数論は小学生でも分かるような親しみやすさをもっているくせに、じゃあ次の素数はどんなルールで登場するの? というシンプルな問いへ答えるのは難しい。でも、素数の分布を見ていくと、そこには繊細なハーモニーが奏でられている……という話。
24)クルマはかくして作られる―いかにして自動車の部品は設計され生産されているのか
人類の工学の粋を集めた自動車。その各パーツが、どんなふうに設計されて生産されているのかを徹底取材で明らかにする。うわべをなぞった本ではなく、本当に深い話がたくさん。
25)無限論の教室
誰もが一度は興味を持つ無限。これを対話小説形式で基礎から解説。アキレスと亀から不完全定理までってあるけど、無限とは数学であり哲学なんだよね。小学生でも何とか読めるレベル。
26)多次元・平面国―ペチャンコ世界の住人たち
世界が高さのない二次元だったら、そこに住む人はどんな生活を行っているのか? 最高の思考実験であり、次元というものを肌触りをもって実感させてくれる。しかしなんで絶版なのかね。
27)数学はインドのロープ魔術を解く 数理を愉しむ
計算できても微分がどうしても肌感わかず、初めてカチリとピースがハマったのはこの本から。数学に興味はあるけど数式難しい……という人でも、面白いところだけつまみ食いでき、文庫なのに最後はオイラー公式までいける。
28)フェルマーの最終定理
最高のサイエンスライター、サイモン・シン。ビッグバン宇宙論も暗号解読も素晴らしいんだけど、やっぱり最初に読んだこの本が最高だった。数学の業績を、ここまで分かりやすく書けるんだね。
29)誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論
いまでこそUIUXは重要!って言われるようになったけど、そんなの最近で、なぜ重要でどうしたらいいのかを認知心理学観点から説いたのが、この本。もはや古典ですね。改定版が出てるのを今知りました。
30)統計学が最強の学問である
ベストセラー。それまでギャンブルと世論調査の道具くらいにしか思われてなかった統計学を、「最強」とうたったインパクトは大きくて、確かにコンピュータの発展とともに、理論の世界から統計の世界に移行しつつある。この気づきは大きかった