昨日7月10日、サイゼリヤが突如株主優待の廃止を発表しました。公平性に配慮して配当を増額するという、最近流行りの取り組みです。現物株ホルダーとしては、マジか!と思ったのですが、株価はどう動いたでしょうか。
株主優待廃止
サイゼリヤはこれまで自社の食事券を株主優待として出していて、大人気でした。
- 100株 2000円分
- 500株 1万円分
- 1000株 2万円分
しかしクロス勢の排除を狙ってか、長期保有制限を付け、さらに保有しているかどうかの判断に「任意の日」を指定するなど、かなり気合を入れて厳密なチェックを行っていました。
ぼくはレストランとしてのサイゼリヤも大好きなので、毎回優待をもらっていたのですが、この「任意の日に確認」を機に現物株も保有することにしました。結果としてはコロナ禍の株価が下がっているタイミングで買うことになり、相当な含み益が乗っている現物株となっていました。
ところが8月末の権利付き最終日を前にして、突如優待廃止が発表されたのです。
当社は、より多くの株主様に当社株式を長期的に保有していただくことを目的として、
株主優待制度を実施しておりました。
この度、株主の皆様への公平な利益還元のあり方という観点から、慎重に協議した結
果、配当による利益還元に集約することが適切であると判断し、株主優待制度を廃止することといたしました。
株価は急落、そして
飲食店については、株主優待がほしい個人株主が株価を支えているという認識が広がっています。特に100株などの小口株主にとっては、配当が増加するよりも株主優待をもらったほうがリターンが大きく、有利だということもありました。
今回、優待廃止とセットで18円→25円への増配を発表しましたが、増配額は7円。これまで100株で2000円分の優待券がもらえたのに、配当の増額は700円なので、これは小口投資家にとってはマイナスなわけです。
当然株価は下落するだろうなぁと思ったところ、実際、PTSで9.5%も株価は下落しました。
5750円で10日に引けた株価は、優待廃止後PTSで急落しました。翌日7月11日は400円安の5350円で寄付き、一次5250円まで下がりました。しかし、9時台に底を付け、その後、株価はぐんぐん上昇。結局5630円と約100円安まで値を戻しました。
優待廃止の下げは買い?
優待廃止発表で急落、そして全戻しって流れを見て思い出したのがJTです。JTは優待&高配当銘柄として有名でしたが、2022年の2月に優待廃止を発表して、株価はそれに反応しました。ところが2ヶ月程度で全戻しし、その後はさらに上昇。結局、絶好の買い場だったということがありました。
含み益がたっぷり乗っていて、このくらいの下落なら別に痛くもない僕のサイゼリヤですが、優待廃止の影響がなくなって、逆に配当増加を織り込んでくるくらいの状況になったら、改めて売却したいと思います。まぁ優待ないなら日本の個別株保有する理由もないので。