FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

ChatGPT Proに3万円課金して「o1-pro mode」を試す

皆さんはChatGPT Proへの課金をしたでしょうか? 今回月額200ドル=約3万円/月という高額な課金をして、新たに使えるようになった「o1-pro mode」などを試してみました。

ChatGPTの新プラン 月額200ドルの「Pro」

これまで無料と課金の「Plus」が20ドルだったChatGPTに、いきなり10倍となる月額200ドルの「Pro」プランが登場しました。これに申し込むと何が使えるようになるのかというと、従来利用制限のあったo1、o1-mini、GPT-4o、高度な音声モードへの無制限アクセス、そして何より「o1-pro mode」が利用できることです。

とはいえ、200ドルといえばサブスク型のクルマが買えてしまう価格。冷静に考えるとすっごく高いのですが、一方でわずか3万円で24時間文句も言わずに働き続ける高学歴の社員を雇えるようなものだと思うと、安いとも考えられます。

みんなはどのくらい課金してる?

今回、ぼくのXのフォロワーさんに「どのくらいAIに課金してますか?」と聞いてみたところ、次のような結果になりました。

22%がAIに課金しているって、さすがぼくのフォロワーさんの感度は高いですね。そしてAnthropicよりもOpenAIのChatGPTのほうが課金率が20倍近い。何より、この高額なproに3%の人が課金しているというのも驚きでした。実数にして15人くらいもいるわけですものね。

o1-pro modeの実力 数学編

ではo1-pro modeの実力とはどんなものでしょうか。まずは、これまでGPT-4oが解けなかった「特定口座を売却してNISAで買うべきか? 判断基準はどこか?」という問題に対するo1-pro modeの回答です。

o1 pro modeがo1と異なるのは、複数の推論を同時に走らせて、その答えを検証モデルに通して最良の答えを出力するものだと、下記の記事では推察しています。「Best-of-Nサンプリング」という手法です。o1はいわゆる「チェーン・オブ・ソート(CoT)」を使ったもので、複数推論は使っていません。

Scaling Inference Compute Through Search
Search is another dimension of scaling that goes unharnessed with OpenAI o1 but is utilized in o1 Pro. o1 does not evaluate multiple paths of reasoning during test-time (i.e. during inference) or conduct any search at all. Sasha Rush’s video on Speculations on Test-Time Scaling (o1) provides a useful discussion and illustration of Search and other topics related to reasoning models.

Self-Consistency / Majority Vote is one such search methodology in which we simply run the prompt through the model multiple times, thereby generating multiple responses, and then we pick the correct answer by choosing the response that appears most often among a given number of samples.

検索を通して推論計算をスケーリングする。
検索は、OpenAI o1では利用されませんが、o1 Proでは利用されるスケーリングの別の次元です。o1は、テスト時間中(つまり推論中)に推論の複数のパスを評価しませんし、検索もまったく行いません。 Sasha RushのVideo on Speculations on Test-Time Scaling (o1)は、サーチと推論モデルに関連する他のトピックに関する有益な議論と説明を提供しています。

Self-Consistency / Majority Voteは、そのような検索方法の1つで、プロンプトを複数回モデルを通して実行するだけで、複数の回答が生成されます。

Scaling Laws – O1 Pro Architecture, Reasoning Training Infrastructure, Orion and Claude 3.5 Opus “Failures” – SemiAnalysis

では、そうやって約1分考えたo1-proが導いた答えはなかなかしっかりしたものでした。

o1-pro modeの実力 文章編

o1はそもそも論理力は強いものの、文章などはあまり4oと変わっていないという評価が多かったですね。o1-proではどうなのか、見てみます。

普遍的だけど、意外性があって、へぇ!と思えるような、マネー系のトピックを挙げて。それを元にブログ記事を書こうと思います。

こんなプロンプトを投げてみました。まずはGPT-4oです。うーん。まぁへぇ!という気はしないでもないけど、微妙にありきたりかな。

続いてo1です。似たような漢字ではありますが、もう少し論文的というかちゃんとした記事のようなタイトルになりました。なんか英語記事の翻訳のような香りがしますね。4oが出してきたのがアフィサイトのコタツ記事ッポイのに比べると、少しましな気がします。

最後にo1-proです。どうでしょう? o1に比べてさらにちょっと面白いかも?論文的なニュアンスを感じるのが、o1-proぽいですね。

この中でぼくがちょっと気になったのが、「「『お金が溜まる家相』は本当にあるのか?」:風水や心理学から見る暮らしと貯蓄行動の関係」です。ちょっとこれを記事として書いてもらいましょう。

「『お金が溜まる家相』は本当にあるのか?」:風水や心理学から見る暮らしと貯蓄行動の関係

「お金が貯まる家相」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。インターネットや一部の書籍では、家の間取りやインテリアがあなたの金運を左右する、という主張をよく見かけます。たとえば「玄関を明るくすると財運がアップする」「金庫は北側に置くと貯蓄が増える」「トイレを清潔にしておくとお金が入りやすい」など、さまざまなアドバイスが並びます。しかし、これらは単なる迷信なのでしょうか? あるいは、目に見えにくい効果が本当にあるのでしょうか。この記事では、風水と心理学の観点から「家の環境」が私たちの貯蓄行動にどのような影響を及ぼすのか考えてみたいと思います。

風水が示す「お金が貯まる」環境づくり
風水とは、中国を起源とする環境思想で、人の運気や健康、財運は、住まいを含む環境の「気」の流れによって大きく影響されると考えます。特にお金に関する風水アドバイスは多く、たとえばリビングは家族の「財庫」として明るく整える、玄関は良いエネルギーを迎えるための「口」なので清潔・明るく保つ、といったものが代表的です。また、水まわりを整え、水漏れや汚れをなくすことが「金運アップ」につながるとされることもあります。

これらの風水的指針は、科学的に実証されたものではありません。とはいえ、一見迷信と切り捨てる前に考えてみたいのは、「整った環境」がもたらす心理的効果です。たとえ風水自体に超自然的な力がなくとも、その環境を整える行為やそこで生まれる心地よさが、私たちの行動様式やお金の使い方に影響を与える可能性は十分に考えられます。

心理学的アプローチ:環境が行動を誘導するメカニズム
心理学や行動経済学の分野では、私たちの行動はしばしば周囲の環境や「キュー(手がかり)」によって誘発されたり抑制されたりすることが知られています。たとえば、「片付いた部屋」や「整頓されたデスク」では集中力が高まり、結果として仕事がスムーズに運び、無駄なストレスを感じにくくなります。また、視界に余計な刺激が少なければ、衝動的な行動(必要以上の買い物や散財など)をしにくくなることが示唆されています。

お金に関しても同様です。貯蓄を増やしたい人が、「使わないものをため込む散らかった家」に住んでいると、常に不要物が視界に入り、結果として「今ここにあるモノを処理するために何か買わなきゃ」「収納家具を買い足そう」といった形で無駄遣いへとつながる可能性があります。一方、整った環境では、本当に必要なものだけに囲まれるため、無計画な出費を抑制できます。

空間がもたらすストレス軽減と計画性の向上
また、生活空間が整っていると、心が落ち着き長期的な思考がしやすくなります。貯蓄や投資は短期的な快楽を諦め、長期的なメリットを重視する行為ですから、心の余裕が重要です。常に家の中が雑然としていたり、どこに何があるか分からない状況では、日常が小さなストレスに満ち、計画的な判断が難しくなります。結果的に、「疲れたからストレス発散でネットショッピング」など、短絡的な金銭行動に走りがちです。

逆に、風水的な考え方を取り入れ、定期的に掃除や整理を行うと、空間的・心理的余裕が生まれ、自然と節度ある消費行動が身につく可能性があります。「部屋がきれいになると運気が上がる」という表現は迷信めいて聞こえるかもしれませんが、環境を整えることでストレスを減らし、計画的な行動を後押しする「心の余力」を生み出すことは、決して非合理な話ではありません。

風水を「習慣形成ツール」として捉える
もし私たちが風水を単なるおまじないではなく、「習慣形成のツール」として使うならば、見方は大きく変わります。たとえば「玄関を常に清潔に保つ」「水まわりを定期的に磨く」といった風水上のアドバイスは、行動のトリガーとして機能します。その行為自体に運気を引き寄せる力はないとしても、清潔な環境を整えるプロセスで得られる心理的満足感や、自分自身が家を「大切に扱っている」というセルフイメージは、その後の行動様式にポジティブな影響をもたらすでしょう。

実証研究やデータはあるのか?
実際、「家の状態」と「貯蓄行動」や「金銭感覚」の関連を直接示す厳密な学術研究はまだ多くありません。ただし、「ミニマリズム」が世界的なブームになったことを考えると、環境整備が生活の質を向上させ、それが間接的に健全な金銭管理につながるという仮説は十分成り立ちます。ミニマリストは余計な物を持たないことでストレスを減らし、衝動的な買い物が減少したと報告する人も多く、これは心理的な因果関係を示唆するエビデンスの一つと言えます。

結論:超自然的パワーよりも心理効果に注目を
「お金が溜まる家相」は、超自然的なエネルギーや神秘的な力ではなく、私たちの心理や行動パターンに影響を与える「暮らし方のヒント」として読み解くことができます。家相や風水を信じるかは人それぞれですが、そこに記されたアドバイスを契機として、部屋を整理し、快適な暮らしを追求することは、結果的により健全な金銭管理へとつながる可能性があります。

迷信を頭ごなしに否定するのではなく、そこに潜む心理的効果や行動経済学的な要因に目を向ければ、「家相」と「お金の貯まり方」の関係は、私たちにとって決して無視できない示唆を与えてくれるでしょう。

 

さて、o1-proが書いたこの記事、どう評価しますか? 正直o1-proは思考時間が長いので、アウトプットに対してフィードバックを返す形でブラッシュアップさせていく方法が取りにくい。かといって、詳細なプロンプトを書けば質が増すかというと、そうでもなく、端的に一言で言っても細かく指示してもあんまりアウトプットが変わらない感じなのです。

 

o1-proの理系的なアウトプットと反応の悪さは、従来の4oなどとはかなり質が異なり、使い方も違ったものになるというのが実感です。OpenAIが4oとモデルを分けたのも分かります。必ずしも4oの上位版ではないのです。

 

またo1-proを使っておもったのは、普通の企業が理系の博士号を持った新卒を採用しても宝の持ち腐れだということ。経理で伝票処理させたり営業に行かせるなら文系の大学生で十分で(地頭はともかく学力的には高卒でも全然OKのはず)、理系の博士号を持っているならそれを活かせる仕事を与えなければ無意味なのです。o1-proをちょっと使って思ったのはそういうことでした。

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