九条です。FIRE後の自由な生活をベースに、投資・税制・制度・クリプト・法人運営を考えるブログです。 利回りや還元率の表面ではなく、税引き後の手取り、制度の前提、リスクと不確実性を見ながら、自由を増やす方法を書いています。

1億円でFIREは可能なのか? をシミュレーションする

「1億円FIRE」が再びXで話題になっていますね。教科書的な回答は「できるかどうかは人による」というものになるわけですが、それではつまらない。都内に住んでいることを前提に、1億円FIREの生活がどんなものになるのか、シミュレーションしてみましょう。

資産1億円だと月間どのくらい使えるのか

まず資産が1億円あると、月間どのくらい使えるのでしょうか。ここではよく言われる4%ルールをそのまま当てはめます。いや、いろんな意見・議論があると思いますが、今回は取り崩し理論ではなく、1億FIRE生活のリアルを考えるのが目的なので。

 

1億円の4%は400万円。つまり、毎年400万円取り崩していき、一応米国でのエビデンスに照らすと、これで死ぬまで資産は持つということになります。

 

特定口座の場合はこの400万円に20.315%の税金がかかるわけですが、NISA枠が拡大した昨今、1億なら全額NISAでいけんじゃないの? というまぁ少々無理のある前提をおいて税金は考慮しないことにします。

 

ただ、社会保険料はかかります。住民税非課税世帯+国民年金免除という手もありますが、税金を緩くみた代わりにここは少々保守的に、確定申告をしないので国民健康保険は均等割のみで6万円ちょっと、国民年金が約21万。合計で年間27万円払うと仮定しておきます。

 

400万から社会保険料27万を払うと残り373万円。果たしてこの金額で生活できるのかどうか。これで大丈夫ならFIREできるってことになりますね!

独身都内一人暮らしの場合

1億FIREで400万取り崩し手取り373万円だと、どんな生活になるでしょうか?

項目 月額 年額
家賃 110,000円 1,320,000円
食費 60,000円 720,000円
水道光熱費 18,000円 216,000円
通信費 8,000円 96,000円
日用品 15,000円 180,000円
衣服・美容 25,000円 300,000円
交通費 10,000円 120,000円
医療・保険 10,000円 120,000円
交際費 30,000円 360,000円
趣味・サブスク 20,000円 240,000円
予備費・雑費 4,833円 58,000円
合計 310,833円 3,730,000円

食費6万なので、自炊メインでも外食もそこそこ可能。交際費3万+趣味2万で週1〜2回の外出も余裕です。家賃は11万使えるので、23区内でも十分に候補がありますね。唯一、予備費が年間5.8万しかないので家電が壊れると買い替えはハードかもしれません。

 

逆に、完全FIREにこだわらず、必要なときだけアルバイトするなどすれば欲しいものは何でも買える生活になるのではないでしょうか。

都内専業主婦と暮らす場合

次に、専業主婦を一緒に暮らしながら2人分の生活費を1億円の資産から拠出することを考えてみましょう。

項目 月額 年額
家賃 95,000円 1,140,000円
食費 70,000円 840,000円
水道光熱費 23,000円 276,000円
通信費 12,000円 144,000円
日用品 22,000円 264,000円
衣服・美容 22,000円 264,000円
交通費 10,000円 120,000円
医療・保険 15,000円 180,000円
交際・外出 18,000円 216,000円
趣味・サブスク 10,000円 120,000円
予備費・雑費 13,833円 166,000円
合計 310,833円 3,730,000円

 

一人暮らしとの差は、食費、水道光熱費、医療費、通信費などが上がり(赤字)、家賃や衣服・美容、交際・外出、趣味・サブスクへ掛けられる費用が下がる(青字)ことです。

 

家賃はちょっと厳しくなりますが、例えば築年を気にしなければ、こんな物件が自由が丘徒歩7分広さ30平米で9万円です。

都内で暮らすことは可能ですが、余裕はほとんどありません。外食は控えめ、旅行はほぼなしというのが実のところでしょう。

都内専業主婦で子ども1人の場合

続いては都内で暮らし、専業主婦+子ども1人の場合です。単に人数が増えて食費や光熱費が増えるだけでなく、教育費の積み立てが必要なのが大きな違いです。子ども手当が月間1〜1.5万円もらえますが、これに加えて毎月1万円教育費の積み立てに回すプランです。

項目 月額 年額
家賃 85,000円 1,020,000円
食費 80,000円 960,000円
水道光熱費 27,000円 324,000円
通信費 13,000円 156,000円
日用品・子ども用品 28,000円 336,000円
衣服・美容 20,000円 240,000円
交通費 10,000円 120,000円
医療・保険 15,000円 180,000円
交際・外出 12,000円 144,000円
趣味・サブスク 5,000円 60,000円
教育費積立 10,000円 120,000円
予備費・雑費 5,833円 70,000円
合計 310,833円 3,730,000円

 

家賃はついに8.5万円に。家族3人となるとそれなりの広さもいるので、こうなると23区中心部は非現実的となり、多摩地区や、足立、葛飾、練馬の外縁部など東京の周辺がターゲットになります。

 

外食は限定的。レジャーも近場でお金のかからないところ、旅行は年間7万円の予備費をうまく活用するイメージでしょうか。

 

けっこうカツカツになってくるので、専業主婦ではなく多少は働いてもらうほうがリアリティあるようにも思うのですが、ならばFIERしてないで自分が働け! という気もしないでもないかな。

都内専業主婦で子ども2人の場合

さらに、都内住み、専業主婦+子ども2人の場合です。そんなン無理だろ?と初めは思っていたのですが、あら、1億円FIREでも完全に無理ではないのかも。かなり厳しくはあるのですが、なんとか成り立っている感じもあります。

項目 月額 年額
家賃 75,000円 900,000円
食費 90,000円 1,080,000円
水道光熱費 30,000円 360,000円
通信費 14,000円 168,000円
日用品・子ども用品 35,000円 420,000円
衣服・美容 20,000円 240,000円
交通費 10,000円 120,000円
医療・保険 15,000円 180,000円
交際・外出 8,000円 96,000円
趣味・サブスク 3,000円 36,000円
教育費積立 5,000円 60,000円
予備費・雑費 5,833円 70,000円
合計 310,833円 3,730,000円

 

ただ家賃は7.5万円まで下がりました。それでもこちら物件など、板橋区で三田線徒歩3分、50平米あって家賃7.2万円です。築58年ですけどRC。

交際費・外出費、趣味・サブスク費は合計1.1万円で、ほぼ余裕なし。アマプラもネトフリも躊躇するレベルです。旅行は交通機関を使わないほうがいいでしょう。

 

そして何より厳しいのが教育費。子ども手当が2人で2〜3万円もらえるとはいえ、大学進学は厳しいレベルです。子どもには少額金をマックスで借りてもらうことになるでしょう。

 

ただまぁ、都内から離れればこちらでも無理ではないですね。埼玉、千葉などで家賃をさらに数万抑えられれば、教育費にその分回せます。お金をかけた遊びはできないかもしれませんが、そもそも豪遊したければFIREしなくてもいいのではないでしょうか。

1億FIREって意外と行けるんじゃ?

ぼくの肌感だと、1億でFIREってちょっとの相場変動や病気、家電が壊れたとかですぐ破綻するイメージがあって、都内で暮らすなら2〜3億くらいあったほうがいいんじゃね? くらいの思いでいたのですが、独身や夫婦二人くらいなら意外といけますね。というか、僕自身も都内子ども2人なのに大した額もなくFIRE(最初はセミリタイア)したので、大口はたたけません。

 

まぁ考えてみればそりゃそうで、手取り373万円というのは額面年収にすると500万円前後になります。新卒の初任給が、上がったとはいえ平均で300万円前後(ボーナス含む、手取りは更に下がる)なのですから手取り373万円で生活できなかったら、新卒は暮らせないことになります。というか、30歳の平均年収でも430〜470万くらいだそうですから、そこより生活レベルは上。いや、貯蓄が不要なのでそれよりも1段高い生活が可能だともいえます。

 

1億円FIERは、(貯蓄額にもよりますが)年収600万円位の人とおなじくらいの生活ができると考えても、さほどおかしくはなさそうです。

 

これを「足りない」という人は、年収600万円の人よりいい生活を普段送っているわけで、それを言い始めたら、いくらお金があっても足りません。とはいえ「1億も持ってるのに、何この厳しい暮らし……」と思うような家族がいれば、そりゃFIREなんて無理ですね。なので、1億FIREは、可能か不可能かでいったら「可能」。やりたいかどうかは「人による」。ということで、これをぼくの結論としたいと思います。

www.kuzyofire.com

www.kuzyofire.com

www.kuzyofire.com