FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

FIREは酸っぱい葡萄か『1億円を貯めてFIREを目指した男の人生』

しばらく前に「FIRE卒業」とか「FIRE失敗」とかが話題になりました。個人的には「うーん? そんなにFIREが不安かね?」と思ったものですが、確かにFIREが合わない人はいそうです。というより、FIREの意味を取り違えているようにも思います。

 

そんなことを思いながら楽しく読んだのがKindle無料漫画の『1億円を貯めてFIREを目指した男の人生』です。

T大卒、大手企業に入社しすぐにFIREを目指す

主人公のヨシオはT大卒のエリートで大企業に入社しますが、当初から目標はFIREでした。45歳までに1億円を貯めてFIREする。そのために飲み会にも行かずデートもせず、無料でできる娯楽を楽しみながら、ひたすら積立を進めます。大手企業で給料もいいのですが、あえて早く仕事を終わらせずのんびりと2倍3倍の時間をかけ、残業代もゲットするという生き方をします。

 

一方、同期の桐山は会社も生活もエンジョイ。貯金なんてせずよく遊び、よく働く。結婚してお金もかかるということで、さらに仕事に精を出しています。

 

そんなヨシオは会社での評判も悪く、若くして窓際のような立場になりますが、ヨシオ自体はそれもまたよし、給料が下がらなければ積立ができるということで、とにかく意識が向くのは資産額のみ。40歳には予定の5年前倒しで1億円に到達しました。

FIREへの不安、FIRE後の虚無

インフレもありもう少し資産が増えてからFIREを決断しようとするヨシオ。資産はさらに積み上がり43歳で1.5億円に達しました。でも不安は収まりません。

  • もしインフレでFIREを継続できくなくったら
  • もし税金や社会保険料がさらに上がったら
  • もし趣味に飽きて暇になったら

「もともと人生の選択肢を増やすためにFIREを目指していた。FIREすれば無限の可能性があるように感じた」

「しかしいざFIREできる状態になると、おもったより選択肢がないように思える」

 

悩んだヨシオは1年間休職し「お試しFIRE」をすることにします――。

とまぁこんな感じの話です。これい以上はネタバレにもなるので、書きませんが、日々資産額の伸びを見てニヤニヤしつつ、でも本当にFIREしても大丈夫だろうか? と悩む姿はなんかありそう!な話ですね。

FIREは酸っぱい葡萄か

このマンガを読んで最初に思ったのは「FIREは酸っぱい葡萄か」ということです。イソップ童話でキツネがどうしても手に入らなかった葡萄を「どうせ酸っぱくてまずいだろう」と見下すという話ですね。

 

FIREに憧れる人はたくさんいますが、なかなかFIRE可能な資産を貯めるのは簡単ではありません。となるとFIREしても「どうせ飽きて続かないだろう」「働かなければ不安に違いない」などと思いたくなるのはまさに酸っぱい葡萄。

 

「FIRE卒業」が一時メディアで大きく取り上げられましたが、「FIREして本当に幸せです」なんて人より、「FIREしたら思ったほど楽しくなかったです」のほうが、多くの人達の共感を得られるのはよく分かります。酸っぱい葡萄なわけです。

 

というのも、ぼくはFIREした人を本当にたくさん知っていていろいろと交流もさせていただいていますが、「FIREして失敗した」と思っている人は一人もいないからです。それどころかぼくも含めてほとんどの人が「もっと早くFIREすればよかった」と言います。

 

ちなみに、FIREしていたけど働き出すのは、FIRE失敗とは言わなくていいのではないかと思います。何度も書いていますが、FIREの本質は経済的自立というFIにあって、REは「現在のキャリアからのリタイア」でしかなく、FIRE後何か仕事がしたくなったらすればいいと思うし、実際ぼくも仕事は(生活やお金のためではなく)しているからです。

 

ヨシオもそうですが、FIREしたのに一人でいることがしんどくなって復職するとかは、FIREの意味を狭く捉えすぎているのではないでしょうか。「FIREしたら働いてはいけない」とか「FIREしたら一人で過ごさなければいけない」とか、そんな偏見がヨシオにもあるようです。もっと自由に、働くことはお金以外に得られるものも多いのですから、好きなようにすればいい。そういう選択肢があることがFIREの面白さだと思うのです。

FIREをゴールにしない

一方で、本書のテーマである「FIRE自体をゴールにしない」には強く共感します。ヨシオはFIREのためのプランは細かく考え、FIREというゴールを目指してきました。しかし、FIREしたあとのことは考えていなかったのですね。

資本主義が発達してから、ヒトの人生の大部分を仕事が占めるようになりました。でも、本来は仕事なんて人生で目指したいことの一部であって、人生で取り組みたいことなりたい人物というのは数多くあったはずです。いつの間にか、仕事でしか自己実現ができないというように我々は刷り込まれてしまいました。

 

仕事に憎しみを覚えながら早く退職したいという思いと、仕事こそが人生の自己実現の要であるという思い。この相反する思いを両方持っているのが現代人です。本来は、人生の面白さは仕事以外にあると思えてこそ、FIREしたあとの自由を満喫できるのですが、FIREだけをゴールにしてしまうと、一刻も早くFIREするために全精力を賃金を得るための仕事と投資活動に費やすという本末転倒の状態になります。

 

あれがやりたい、これもやりたい。会社員でいると実現できない。だからなんとかお金を貯めて投資して資金を作り、経済的自由を手に入れたり。こういう発想の人はまず退職して飽きるなんてことはありません。山登りが大好きで何ヶ月も登っていたくて、ついに会社を辞めてしまった――なんて人はこのパターンですね。

 

映画や読書、音楽、旅行。世界にはもっともっと触れたいものがあって、FIREすればいくらでもそうした事柄に触れていられる。このパターンもFIRE生活を満喫している人が多いです。資産が多ければ旅行とかに行きまくりですし、それほど資産がないFIREでも読書などならほとんどお金はかかりません。まさに晴耕雨読生活だっていいのです。

 

FIREはするものの、自分のやりたい仕事だけを選んでお金のためではなく仕事をする。ぼくは今のところこのパターンですが、これもよくある成功パターンでしょう。脱サラの最も難しく辛いことは、お金のためにやりたくもない仕事をやらざるを得なくなることと、それでもお金がなくて生活レベルが落ちまくることです。FI状態なら、それを気にせずNPOのようなつもりで仕事に携われます。

サラリーマン脳から離れよう

まだイメージがわかない人は、中小企業のオーナー社長が本当につまらない人生を送っているか考えてみましょう。会社に行って仕事をしてもいいし、仕事は部下に任せてゴルフにいってもいい。ビジネスがカネは稼いでくれる。こういう状況にある人が、「飽きたので会社員に戻りたい」と思うでしょうか。

 

大きくなったら会社員になったり自営業として好きなことをやる。多くの人は子どものころにそうしたイメージを刷り込まれますが、実際にはお金の稼ぎ方には4種類があって、そのうちの2つは、全く自分では労働をする必要がありません。いわゆるキャッシュフロー・クワドラントです。

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2023年は完全FIREした年でした キャッシュフロー・クワドラントで考える - FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

 

会社員(Employee)から投資家(Investor)に移行するのがピュアなFIREですが、この2つは対極にある生き方です。それは合う人、合わない人がいるのも道理。投資家に移行する前に、自営業(Self-Employed)や実業家(Business Owner)を目指してみるのは、失敗しないFIRE戦略だといえるかもしれません。

 

いずれもFIを達成していれば、うまくいかなくてもいつでも投資家(Invester)へジョブチェンジできるわけですから。

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