ヤフーグループのFX業者、YJFXがトルコリラ/円、メキシコペソ/円、英ポンド/豪ドルの取り扱いを始めました。新規通貨という意味では、それほど珍しいペアではありませんが、注目はキャンペーンということでスワップポイントが高水準となっています。
リラ円のスワップが60円!
注目はリラ円です。なんと、1万通貨あたり買い60円、売り▲75円という高水準です。
他社が高いところでも32円(SBI)なのを考えると大盤振る舞いですね。約2倍です。単純年間合算では、2万1900円にもなります。
現在トルコリラは17円ですので、17万円あたり年間2万1900円。利回りにすると12.8%にも達しします。レバレッジ2倍なら15.6%、4倍なら31.2%です。
トルコリラ、FXネオの売りは▲25円
そして他社の中でも、FXネオのリラ円の売りスワップは▲25円です。年間にすると単純合算で▲9125円になります。
FXスワップアーブ レバ4倍で利回り15%
では、おなじみFXスワップアーブ(金利アービトラージ)を考えてみましょう。買いスワップ60円、売りスワップ▲25円ですから、1日のスワップ収益は35円。年間で1万2775円になります。
スプレッドは、YJFXが3銭、FXネオが1.7銭なので、1万通貨を両建てすると、300円、170円、合計470円のスプレッドコストがかかります。1日のスワップ収益が35なのを考えると、黒字化までの日数は14日になります。
1万通貨の両建ては、17万円✕2で、34万円の資金が必要ですね。34万円に対して年間1万2775円の利益ですから、3.7%の利益。これはレバレッジ1倍ですよ?
レバレッジ2倍なら7.5%、レバ4倍で15%、レバ6倍で22.5%の利回りになります。キャンペーンとはいえ、これは美味しいですね。
けっこう動くトルコリラ
トルコリラの年間チャートです。1年前は20円前後でしたが現在は15%ほど下がって17円程度になっています。高金利通貨の例に漏れず、基本的に減価していっています。
では変動幅はどうでしょうか? 過去のデータによると、平均して1日に1円弱変動しています。1日の最大変動はリーマンショック時の8.09円。23%ほどの日で1円以上変動しています。3円以上の変動も5%ほどあり、これくらいの変動はしばしばあると見たほうが良さそうです。
リーマンショック級を想定するなら8円以上、そうでなくても5円は余裕をもっておかないと、予想外のロスカットがありそうです。
レバレッジ2倍(証拠金8万5000円)の場合で、7.52〜8.15円の変動でロスカット。レバレッジ3倍(証拠金5万6000円)なら、4.73〜5.13円の変動でロスカットです。平常時なら4倍でもなんとか耐えられそうですが、コロナショックが襲っている今は、3倍がいいところな感じですね。
すると3倍なら、単純計算で年率約11%の利益ということになります。
問題はキャンペーンの終了
問題はキャンペーンの終了です。黒字化までに14日かかりますから、最低でもあと14日はキャンペーンが継続してくれないとよろしくありません。3月末までの継続はマストです。
その後のYJFXのスワップがどうなるかは定かではありませんが、半値の30円くらいになってもおかしくはありません。すると、スワップ差は5円に縮小し、年間で1825円。レバなしの場合の利回りは1%以下に沈みます。レバ3倍で、かろうじて利回り1.6%。際どいところですね。
最初キャンペーンに気づかず、なぜYJFXのリラスワップがこんなに増えているのか? と疑問に思っていましたが、これならギリギリトライしてもいいかもしれません。3月の優待クロスがあるので資金的には微妙なのですが、ポジションを建ててみようと思います。