コロナ禍の影響が徐々に優待にも出始めています。有名な優待銘柄でも、廃止や改悪が続々発表されています。
増加が続いてきた優待だが
昨今株主優待を実施する企業は大きく増加しています。2019年は過去最高の1521社。全体の40%が優待を行っています。下記の大和インベスター・リレーションズの優待実施企業の推移を見ると、この20年で約2倍に増加していることが分かります。
とはいえ優待は企業業績にも関係するため、リーマンショック後は優待を止めた企業が出たことも、グラフから分かります。11年からまた増加に転じたものの、もしかしたらコロナショックも目に見える影響が出るかもしれません。
トラスコ中山優待廃止
衝撃だったのが12月銘柄のトラスコ中山(9830)の優待廃止です。廃止の理由はコストアップです。「優待商品の費用とともに株主総会会場や運営費用などが年々増加しました」としています。その費用は、優待品だけで年間1億8000万円。20年12月は、それが2億3000万円まで増加すると予想しています。
こうした増加は事前に予想できなかったはずもなく、これはコロナ禍による業績悪化の影響と考えるべきでしょう。トラスコ中山の優待は、100株で5000円相当の品物がもらえ、かなりお得なものでした。前回もいいものを、ぼくもいただきました。
残念ですが、自社商品以外もたくさん選択できたため、厳しかったんでしょうね。
平和は大規模改悪
大規模改悪となったのが、ゴルフ場運営の平和(6412)です。こちらは9月銘柄なので、あと一ヶ月弱。ぼくもクロスを建てる寸前の改悪発表でした。内容の変化は次の通りです。
- 優待券 1枚3500円 → 改定 1000円
- 100株優待 2枚 → 廃止
- 200株優待 4枚 → 2枚
- 300株優待 6枚 → 3枚
- 400株優待 8枚 → 4枚
- 利用制限 1名1枚 → 1名最大16枚
まず同株数でもらえる枚数が半減です。さらに1枚あたりの割引額が28.5%に減りました。つまり、14.2%まで価値が減ってしまったわけです。
もともとは8月22日時点でコストを差し引いても、1.5%程度の利益率を想定していました。ところがここまで価値が減ると、クロスコストを差し引くと現時点ではまだ赤字の想定です。もはや取るに値しない優待に変わってしまいました。
ゲンキードラッグはカタログ廃止
同様にカタログギフトやこしひかり5kgを廃止して、QUOカードに一本化したのがゲンキードラッグ(9267)です。6月20日、12月20日銘柄ですが、次の12月から変更です。
従来:次から1点:サプリメントセット/化粧品/カタログギフト/こしひかり5kg
変更後:ゲンキー商品券(出店県内) / QUOカード(出店県外)
また長期保有特典も廃止となりました。
8月の明光ネットワークも優待半減の改悪
目下獲得直前の明光ネットワークジャパン(4668)も、7月10日に株主優待の改悪を発表しています。下記は変更後ですが、従来はこの額面がすべて2倍でした。
単純にいえば、コスト加味しないで利回り半分。コストを加味すればさらに悪化という状態です。8月24日日興にてクロス建ての場合、100株でQUOカード500円なので、利回りはかろうじて0.60%という状態。従来は1.23%だったので、劣化が激しいですね。
優待廃止改悪に注意
幸い、今回はいずれもクロスを建てる前に発表があったので、直接の被害は受けませんでした。平和については利回りが高かったため、そろそろ建てようかと思っていたところ。危ないところでした。このように、優待を期待してクロスを建てたのに廃止担ってしまう可能性があるのも、優待クロスのリスクですね。
このように優待の廃止や改悪には注意していきたいと思います。こちらのinbest-jpには「株主優待速報一覧 新設・変更・廃止」がまとまっています。