東京メトロが10月23日にプライム市場に上場する予定です。時価総額は6400億円と、久々の大型上場となり、しかも50%が売りに出されます。上場にあたり株主優待も発表になったのですが、これがなかなかに面白い内容でした。
東京メトロが上場
東京メトロこと東京地下鉄は私鉄の中でも優良企業です。2024年3月期の売上高は3892億円、営業利益は763億円、当期純利益は462億円。1株あたり利益(EPS)は79円63銭で、配当は32円です。2025年3月期は売上が4.7%増の4075億円、営業利益が15.2%増の880億円、EPSは90円02銭で、配当は40円を予定しています。
株式の売り出し価格は1100円予定なので、この価格で買った場合、配当利回りは3.6%。主要電鉄系の配当利回りは次のような感じで、安定公共インフラ系銘柄としては、配当だけ見ても人気になりそうです。
- 京成電鉄 0.82%
- 東急 1.19%
- 京浜急行 1.37%
- 小田急電鉄 1.79%
- 京王電鉄 2.01%
- JR東日本 1.75%
- JR西日本 2.67%
- JR東海 0.91%
- JR九州 2.25%
株主優待
株主優待は3月31日と9月30日の年2回。内容は電鉄系でよくある株主優待乗車券のほか、関連施設の優待券となっています。
株数に応じて発行枚数が増えますが、100株あたり乗車券1.5枚のレートは変わりません。年間に直すと100株あたり3枚ですね。1枚あたりの価値がどれくらいかも感がてみましょう。他の電鉄と違い、メトロはいずれも区間が短く、最も高い切符でも28〜40kmの330円(ICカードで324円)になります。
この切符の価値を100%で評価して優待利回りを出すと、0.44%(株価1100円想定)。年間保有ならその2倍の0.88%になりますが、うーん。なかなかに渋い優待ではあります。
全線定期乗車証が面白い
でもちょっと面白いのが全線定期乗車証です。これは要するに乗り放題ですね。同じレートで計算すると、10万株は乗車券150枚換算なので、半年定期は150枚と同価値というのがメトロ側の算出です。半年は26週、平日毎日往復でメトロに乗るなら260回になるので、切符の2倍くらいの実質価値があるともいえそうです。
260回、例えば324区間に乗ると8万2420円分の価値。これは市場価格でも4万〜5万円くらいにはなるのではないでしょうか。例えば近鉄の半年間全線定期券はだいたい10万円程度で取引されています。なお販売されている全線定期券は6ヶ月で9万5420円となっています。
ちなみに、この全線定期乗車券をもらうには1100万円(株価1100円の場合)が必要です。制度信用でクロスした場合、貸株料は1.1%なので1日あたり331円。3日で1000円ほど。キャッシュがあれば、悪くない銘柄になりそうです。
そばのかき揚げ無料トッピング!
さらに関連施設の優待券もいいところついています。
- EC サイト「メトロの缶詰」300円引きクーポン券1枚(3000円以上お買い上げの際、1年間何度でも利用可能)
- 「地下鉄博物館」無料招待券5枚
- 「そば処めとろ庵」かき揚げトッピング無料券(350円以上利用時)3枚
- ゴルフ練習場「メトログリーン東陽町」入場無料券 (平日限定)5枚
そば処めとろ庵はこういうそばや。
次の駅にあるそうです。駅の改札の外ですね。
- 大手町(丸ノ内線、千代田線、有楽町線、半蔵門線)
- 西船橋(東西線)
- 新木場(有楽町線)
- 錦糸町(半蔵門線)
- 後楽園
- 門前仲町
- 上野
またメトログリーン東陽町の入場券は200円です
→メトロのIPOのブックビルディングが始まりました。どの証券会社でどう申し込むのがいいでしょうか? 試してみました