FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家で自由主義者、リバタリアン。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

青色決算書の難所は売上仕訳だった 後編

前回、銀行口座→マネーフォワードME→マネーフォワードクラウド確定申告で、確定申告向けの青色決算書作成を進めました。各種経費や家事按分などをスムーズに入力し、残るは売上。しかしこれが最大の難所でした。

問題の売上処理 源泉税

ここまでのスムーズさとは打って変わって、問題だったのが売上金です。ここにほとほと苦しんで、2週間くらい試行錯誤していたため、こんなに遅くなってしまいました。

 

売上金の何が問題かというと、売上として計上する金額と入金される金額が一致しないからです。なぜかというと、10.21%源泉徴収されるから。ぼくの手法だと

  1. 銀行口座の入金額をマネーフォワードMEで取り込む
  2. マネーフォワードMEのデータをマネーフォワードクラウド確定申告に同期

なので、入金額から売上額を計算しなくてはならないのです。ところがこれがシンプルではありません。源泉徴収には4パターンくらいあるからです。

  1. 支払い額の10.21%を源泉税とする
  2. 支払い額に10%の消費税を乗せ、その10.21%を源泉税とする
  3. 支払い額が月間で一定金額を超えたら、超えた分に対して10.21%を源泉税とする
  4. 源泉税を取らない

(1)と(2)は会社ごとにまちまち。入金額だけ見ても判断がつかないので、結局請求書に当たることになるのですが、実は請求書が不要という取引先もいくつかあって、そうなるとさらに面倒なことになるのです。

 

ちなみに、入金額から厳選税額を計算する式は次のようになります。ややこしいですね。

  1. rounddown((0.1021/0.9979)*入金額)
  2. rounddown((0.1021/0.8979)*入金額)

(3)はAmazonのアフィリエイトであるアソシエイツがそう。月間で12万円を超えると、超えた分に10.21%の源泉税がかかります。こんなの普通気づかないですよね。そして(4)はGoogle Adsensがそうですね。契約相手はシンガポール法人のGoogle Asia Pacific Pte. Ltd. で、海外取引なので消費税も発生しませんし、源泉税も取られていません。

 

まず(1)と(2)(3)の処理です。マネフォMEから取り込むと、事業主貸:売上高という仕訳で登録されます。そこに事業主貸(源泉所得税):売上高という科目で源泉所得税の額を追加します。源泉税の金額はスプレッドシートとかで別途計算することになり、やっぱり厄介なのです。

ぼくは法人を2社持っていますが、こちらの確定申告は税理士にお願いしています。一方で、個人の確定申告はずっと自分でやってきました。ただ、このところかなり複雑になっているんですよね。

問題の売上処理 売掛金

売上処理のもう一つの問題が売掛金です。売上の計上は役務提供が完了したタイミングになります。つまり12月に仕事が完了して請求書を発行したら12月に売上計上する必要があります。ところが通常入金は翌月や翌々月。マネフォMEは入金でしか売上を把握できないので、ここが抜け落ちる形になるのです。

 

幸い、ぼくは請求書をMisocaで発行しています。そしてMisocaはマネーフォワードクラウド確定申告と連携が可能。というわけで、12月分については請求書が不要な取引先についてもMisocaに入力して、それをマネーフォワードクラウド側で取り込むようにしてみました。

 

これはまぁまぁうまくいきます。下記のような感じで、入金額ではなく売上高としてまとまる感じの仕訳として取り込まれます。

ただ問題は、Misocaでこちらが計算した源泉所得税と、取引先の計算方法が一致するとは限らないこと。Misocaから取り込むと請求書に書いた源泉税が仕訳に入るのですが、実際に取られている源泉税は同額とは限らないのです。

 

そのため、結局1件1件源泉税がいくらなのかをチェックしていくことになります。いやはや、なんて面倒くさい!

もしかしてこういう簡便法もありか??

結局、マネーフォワードMEの入金データをスプレッドシートに読み込んで、取引先ごとにフラグを立てて源泉所得税の計算式を分岐させて計算。それを合算して正確な売上高をまとめたシートを作りました。これをマスターデータとして、マネーフォワードクラウドの仕訳を修正していくという作業を行いました。とんでもなく面倒くさい!

 

ただ、そのあとでふと思ったことが。もしかしてこれ、取引先ごとに年間売上を集計して仕訳に登録してもいい?ということ。生真面目に、請求書ごと、また入金ごとに売上の仕訳を作ってきましたが、所詮この規模の個人事業なら、月次売上データなんてなくても問題ありません。売上分析とかも別にしませんし。ただ財務情報としてはザルもいいところですよね。法人ならばあり得ない仕訳です。

 

なんで年間売上を集計して登録すると楽かというと、取引先から支払調書が送られてくるからです。ここには取引先が実際に処理した源泉所得税の額も載っています。この通り入れれば、まったくズレがないはず!

支払調書の作成と未払い金額の正確な記載方法マニュアル | 大阪・東京 寺田税理士・社会保険労務士事務所

 

と思ったのですが、実のところすべての取引先が支払調書を送ってくれるわけではありません。支払調書は税務署への提出義務はあるものの、取引先の個人事業主への発行義務はないからです。言えば出してくれるのかもしれませんが、たかだか数万、数十万の取引額について依頼するのも発行してもらうのも手間。それならこっちで計算してしまう方がまだ楽だったりします。

みんなどうしてるんだろう?

さて、この源泉所得税絡みの売上の仕訳はとてつもなく複雑だと思うのですが、世間の個人事業主の方々はどう処理してるんでしょう? ほんと不思議でなりません。今度どなたかぜひ教えて下さい。

 

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