
Anthropicを知っている人はどのくらいいるでしょうか? ぼくが現在最も頻繁に利用しているLLMである「Claude」を開発している企業です。非上場の企業ですが、個人投資家でも投資できる方法があるということで、投資してみました。
エンタープライズ市場でトップシェアを誇るLLM、Claude
生成AIの代名詞といえばOpenAIのChatGPTですが、すべてにおいて最高のLLMというわけではありません。現在のLLMは、米国勢と中国勢に大きく分かれ、米国勢では下記がメインどころ。
- OpenAIのGPTシリーズ
- GoogleのGeminiシリーズ
- AnthropicのClaudeシリーズ
- xAIのGrokシリーズ
- MetaのLlamaシリーズ
中国勢では、アリババのQwenやDeepSeekのDeepSeekなどが有名ですね。いずれもオープンソースです。
この中で、Claudeを開発しているのがAnthropicです。一般にはあまり馴染みがないかもしれませんが、主にプログラミングコードを書く「Claude Code」が大ヒット。企業のソフトウェア開発において急速に支持を集めています。
下記は米ベンチャーキャピタルのMenlo Venturesが7月31日に出した、企業における大規模言語モデル(LLM)の導入実態を調査したレポートからです。24年6月にClaude3.5を投入し、シェアを急成長。現在はOpenAIを上回り、エンタープライズでの32%とトップです。さらにコーディング市場においては42%と圧倒的な強さを誇ります。

さらにWSJは2028年にAnthropicが黒字化しそうだという内部資料を入手、報道して話題になりました。同社の2025年売上高は約42億ドル($4.2B)と報じられ、同年のキャッシュバーン(赤字額)は約30億ドル($3B)だといいます。これはOpenAIが2028年に約740億ドル($74B)の赤字を見込んでいるのとは対照的です。
OpenAI脱藩組のダリオ・アモディが創業
OpenAIはLLMのリーダーですが、多くのAI企業はOpenAIが輩出した人材が創業しています。Anthropicの創業者ダリオ・アモディは元OpenAIのAI研究者で、研究部門のVPとしてGPT-3の開発などに携わりました。OpenAIに参加する前はGoogleのDeepMindにおり、その前はBaiduでAI研究をしていました。
2021年にOpenAIを離れAnthropicを創業すると、FTXやGoogle、Amazonから大規模な出資を受け、2022年にはClaude1を開発。2023年にはClaude2、そして2024年にはClaude3を発表し、そのあたりからブレイクしました。ちなみにChatGPTの登場は2022年末で、GPT-4は2023年春の発表でした。
方向性としては「安全性重視」と言われていますが、実際に使った印象としては、ベンチマークに現れない知性を重視しているというものです。LLMの評価は与えられた問題をどれだけ正解できたか? というベンチマークと、複数のLLMの回答に対してどちらが優れているかという人間の評価によるチャットボットアリーナなどがあります。Claudeは必ずしもベンチマークで最高得点というわけではありませんが、使っていて知性を感じるんですね。
下記は人がLLMを評価するLMArenaの「TEXT」におけるランキングです。トップはGemini2.5Proですが、2位、3位、4位にClaudeが入っています。

そして、コーディング(WebDev)においては、順位が変わってClaudeがトップに立ちます。

このように、性能的にはトップクラスで特に企業導入に強く、コーディングAIとしてはすでにかなりの収益を上げているのがClaudeだというわけです。
僕は投資家として、創業者や財務だけでなく、プロダクトの出来が自分で評価できる場合は行います。AnthropicのClaudeはそれに完全に合格しました。現在ぼくが最も利用するLLMがClaudeで、次がGemini。日常のちょっとしたことで使うのは、ChatGPTかGrokといったところです。ちなみに現在はClaudePro、Gemini、ChatGPT Plusに課金しています。
HiJoJo.comにて購入
今回Anthropicに投資したのは、「個人投資家向けのユニコーン投資プラットフォーム」をうたうHiJoJo.comです。2017年創業で、第二種金商法の免許を持っています。これまでSpaceXやStripe、xAI、OpenAI、Discordなど米国のユニコーンに投資できるファンドを販売。2024年には累計販売金額400億円超、販売会員数8500人を超えたといいます。

Anthropicは490人限定で合計15億円まで申し込みを受付けています。先着順で、490人に達するか15億円に達したら終了ということのようです。現時点で、残り日数31日、投資人数は261人、投資額は8億7500万円に達しています。

未上場企業に投資するだけに仕組みはかなり複雑です。投資家はHiJoJoパートナーを介して、匿名組合に出資し、匿名組合がファンドに投資、そのファンドがさらにAnthropic株式を組み入れているファンドに投資するという、いわゆるファンド・オブ・ファンズの仕組みです。
そのため手数料も多重にかかります。まず購入時に販売手数料が1%。そして匿名組合が信託報酬に相当する管理手数料などを年間2.8%徴収します。さらに、対象対象ファンドを買い付ける際に、最大15%の手数料を支払う形です。ファンドは最大5年で償還されるものなので、最大でざっと30%が手数料として消える形。なかなかすごいですね。

今回の契約は5年間で、その間に買収されたりIPOなどのEXITがされなかった場合、持ち分をセカンダリーマーケットで売却する形で資金が償還されます。現在Anthropicの評価額は1830億ドル(2025年9月のシリーズF)となっていて、すでにかなり高額な評価額なのですが、どこまでいけるか気になるところです。
さらに、この投資で利益が出た場合、成功報酬も支払わなければなりません。経由する投資ファンドへの成功報酬が、最大で出資金額の15%。さらに、今回の投資で得た利益の22%を支払う形です。

かなり手数料が高い投資にはなりますが、上場前のピュアなAI銘柄への投資というのは、一回くらい試してみてもいいかな? と思います。
