MUFGが、新たに会員制度を新設。会員向けに年会費無料のプラチナカードの提供を発表しました。詳細はまだ明らかになっていませんが、現時点で分かることからこのカードやサービスを評価してみましょう。
エムットの新会員サービス
三菱UFJが2027年3月に始める「エムット Excellent Club」は、要するに銀行にたくさん預金などを預けている人だけを集めた会員クラブです。入会ラインは三菱UFJ銀行の預かり金融資産3000万円以上、または投信などの資産運用残高1000万円以上。
目玉は2027年度上期に出る会員限定のプラチナカードで、年会費が永年無料、しかも還元率がカードの利用額ではなく銀行の預かり残高に連動して1.0〜1.6%に上がるという、いままでの経済圏カードとは違った発想のものです。
ほかに銀行・信託・証券・税理士の専門家を自分で指名してオンライン相談できる「Excellent Brains」、預金や住宅ローンの金利優遇、窓口の優先予約、スポーツのVIP席や美術館の貸し切りといった体験系、それに本人が亡くなっても家族が1年間は資格を引き継げる仕組みが付いてきます。狙いははっきりしていて、相続のタイミングで資産がネット銀行に流出するのを止めること。次年度以降はグループ各社の残高を合算して判定する予定だそうで、そうなると対象は100万人・75兆円規模になるとのことです。
気になるのは、このプラチナカード。年会費無料のプラチナカードをどう見たらいいでしょうか?

誤解1 アメックス・プラチナではない
よくある誤解1は、これは「アメックスブランドがついた三菱UFJニコスのプラチナカード」で、「アメックス プラチナカード」ではないということです。
アメックス プラチナカードは、先日リニューアルしたプレミアムカードで他社でいえばブラックカード相当。高級ホテルの無料宿泊2泊やホテルチェーンの上位ステータス、飲食は50%相当をキャッシュバックし、羽田空港の専用ラウンジ「センチュリオンラウンジ」も利用可能です。メタル製カードで年会費は16.5万円です。
一方、今回のエムットExcellent Clubカードの詳細は明らかになっていませが、参考になるのは既存のニコスのプラチナカード。こちらはよくあるプラチナカードで利用無制限のプライオリティパスが付いていることが特徴でしょうか。国際ブランドはアメックスがついていて、年会費は2.2万円です。
ぶっちゃけ、この2つは1クラス以上格が違う。そして、エムットExcellent Clubのカードが、ニコスプラチナ同等なのか、上位なのか下位なのかは明らかになっていません。

誤解2 三菱UFJ銀行に預ける必要がある
2つ目の誤解は、グループのeスマート証券に資産を預ければ対象になるわけではないということ。対象はあくまで三菱UFJ銀行です。預金込みなら3000万円以上が対象。資産運用残高なら1000万円以上が対象です。

では、「資産運用残高」というのはなにか。
投資信託、MUFGファンドラップ、国債等公共債、外貨預金、金融商品仲介(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、紹介型仲介、生命保険等、当行が定めた商品を所定の基準で算出した時価評価額の合計。円預金は除く。
金融商品仲介(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)というのは、三菱UFJ銀行で三菱モルスタ証券の口座を開き、銀行経由で売買指示などを行う形ですね。要するに、基本全部三菱UFJ銀行を入口にやりとりする金融商品が対象だということです。
来年度以降、グループのウェルスナビやeスマート証券も対象にしていく想定ですが、少なくともスタート当初は銀行に預けたものが対象です。
それでもハードルは低い
カードの詳細は不明だし、肝心の還元率アップのステージ詳細も明らかになっていませんが、それでも三井住友カードの同様の仕組みに比べるとかなりハードルは下がっています。
Oliveも預金&資産運用残高に応じて上位カードの年会費を無料にする仕組みを用意しています。Oliveプラチナプリファード(年会費3.3万円)なら3000万円、Olive Infinite(年会費9.9万円)なら5000万円が必要です。さらに、いずれも最低500万円は普通預金を積まなければいけません。
ところがエムットExcellent Clubなら、資産運用残高1000万円だけでOK。実は三菱UFJ銀行はオルカンも取り扱っている(オンラインのみ)ので、極端な話、オルカンを1000万円分買って預けておけば権利が得られるものです。ただ、三菱UFJ銀行にオルカンを移管するときに移管手数料(3000円くらい)を負担してくれるサービスはないので、手持ちのオルカンをいったん売って、三菱UFJ銀行で買い直すというのがリアルでしょう。

というわけで、「アメックス(ブランド)のプラチナカード」へ期待しすぎるのには注意。それから現時点では、三菱UFJグループではなく三菱UFJ銀行にいろいろ預ける必要がある。ただ、会員権利を得るハードルはかなり低いので、まぁオルカン1000万なら入れておいてもいいかな? くらいに思っています。カードの詳細が発表されてからが勝負ですね。