いやはやこの一週間の下げはすごかったですね。月曜日、9日に2万円を割ると、下がり続けて金曜日は1万7431円で終わりました。ちなみにアフターマーケットではさらに下がっています。この歴史的な一週間を振り返ってみます。
連日1000円下落の一週間
この一週間の日経平均のチャートと、寄り付き、大引けの日経新聞記事です。9日月曜日、まず2万円を割って始まり、最初の「1000円超安」となりました。
翌、10日火曜日は一時1万9000円を割るものの、168円高で終わります。
11日水曜日は、下げが徐々に拡大して昨年来安値。
12日木曜日は前場で急落し、ついに1万9000円割れです。
そして13日の金曜日。一時は1万7000円を割り込む暴落となりました。最後はやはり1000円超安となる1128円安の1万7431円で終わっています。
9日 寄り付き 東証寄り付き 大幅続落、2万円割れ 19年1月以来、円高や原油安で
9日 大引け 日経平均終値1050円安 1年2カ月ぶり2万円割れ
10日 寄り付き 東証寄り付き 一時1万9000円割れ、18年安値下回る
10日 大引け 日経平均、3日ぶり反発 終値168円高の1万9867円
11日 寄り付き 日経平均、反落で始まる 一時下げ幅200円超 トランプ氏、記者会見に姿見せず
11日 前引け 東証前引け 反落、一時300円超安 米景気策の期待後退
11日 大引け 日経平均反落、昨年来安値に 終値1万9416円
12日 寄り付き 日経平均、大幅続落で始まる 一時1万9000円割れ
12日 前引け 東証前引け 急落 トランプ演説で失望売り 2年11カ月ぶり安値
12日 大引け 日経平均終値、1万9000円割れ 2年11カ月ぶり
13日 寄り付き 日経平均、1300円超す下げ 1万7200円台で推移
13日 前引け 日経平均、一時1万7000円割れ 市場ドキュメント
13日 大引け 日経平均終値、1128円安の1万7431円
Twitterにいた一週間
この一週間は、かなりTwitterに生息して、いろいろな方々の株価に関する反応や、投資スタンスの宣言を見ていました。今回の下落は、短期的にはコロナウイルスという目に見えず対応が難しく、どこまで被害が拡大するのか分からない恐怖による、パニック売りです*1。
投資家のムードを見るのに、TwitterというSNSはたいへん便利なものです。感触としては、先週までは「撤退」「売り」「ロスカット」という話題が多かった印象でしたが、今週は「いまこそ買い」「大バーゲン」という表現を目にすることが増えました。そして週後半には、もはや売りとか買いという話題は少なく、「あーまた下がってるね」「すごいね」という達観したやり取りにシフトしていったように感じます。
人日の心理の振り子について、@きしやん さんがこんなふうに書いていました。
心裡の振り子のサイクル
— きしやん@コツコツ熊本の幹事やってます (@oyagakoniosieyo) 2020年3月9日
①思わしくないニュース
②ファンダメンタルズに高まる警戒感
③きわめて否定的なメディアの報道
④悲観的な話をすべて受け入れる姿勢
⑤懐疑主義の急激な高まり
⑥リスク回避志向の著しい高まり
⑦ほぼ閉ざされた信用市場の扉
⑧全般的に沈滞したムード
今は②~③かな
これは、『投資サイクルを極める』からの引用だということですが、まさに人間の心理変化を表しています。
「悲観的なメディアの報道」は3月に入ってからずっと続き、トップニュースはまずコロナ、次に株価下落でした。そしてそろそろ、「悲観的な話をすべて受け入れる姿勢」に移行しつつあるように感じています。
だって、もう「日経平均1000円超下落」と聞いても、「あぁ今日もそうなのね」としか感じなくなっていますから。リバウンドらしきものがあっても、再びダマシというのが続いている気分になってきています。
トップニュースからコロナが消えた日が、本当の底入れなのかもと思う、今日このごろです。
*1:中期的には、移動の制約などがもたらす実態経済の影響から、膨らんだハイイールド債などの信用バブルが弾ける局面につながっていくかもしれません。さらに長期的には、極端な金融緩和が生んだバブルが弾け、インフレへと突入していくかもしれません。