投資の初心者ってなんだ? と考えると意外に難しいもので、実はぼくはほんの数年前まで、板を見ることもなければまともな指値をしたこともありませんでした。ひたすら米国株のETFを買っていたためで、日本の株式市場に関する用語もチンプンカンプンでした。
なので、偉そうに「投資初心者」に向けて記事を書くというのもおこがましいのですが、きっとこういうことなんじゃないかな? という思いのもと、ぼくならこうするよという回答を考えてみます。
まずは投資のためにどんな方法を使うかについて。
投資するなら米国株がいいのでしょうか?
とんでもなく難しい質問で、ものすごいベテランでも回答はバラバラでしょう。「米国に投資するのがいい」という質問に対する論理的な回答は次の2つになります。
- 米国は世界最大のGDPを持つ国であり、今後も人口が拡大し、経済も拡大すると考えられるので、株式も成長が期待できる
- 全世界の株式に投資するインデックス投資を考えた場合、その時価総額の半分は米国が占めており、米国に投資すれば全世界に投資するのとほぼ変わらない
2つともファクトであり、あまり否定する論拠は見当たりません。これを言い換えると、米国以外の先進国や新興国に投資する必要があるか? という疑問になります。
正直、米国以外の先進国や新興国のパフォーマンスはこの10年以上、あまりよくありません。EFAは北米除く先進国のインデックス、EEMは新興国インデックスですが、いずれも米国の株式インデックスS&P500に大きく劣っています。
これを見ると、米国一本でOKという議論もわからなくはありません。逆に、中期的に伸びる国が変わっていくという見立てに立てば、そろそろ米国の時代も終わり、出遅れた新興国や欧州、日本などの出番だという考え方もあります。まぁそれはさらに5年後、10年後になるのかもしれませんが。
新興国や欧州、日本の復活があると考えるなら全世界へ、いや米国企業は全世界でビジネスしているんだから結局富は米国に集まると考えるなら米国株へ投資するくらいでいいのではないでしょうか。
ぼく自身は大きなサイクルとして米国以外が浮上してくると踏んでいて、米国以外の株式を相応に保有しています。
インデックス投資がいいのでしょうか?
これもよくある質問です。ぼくの回答としては、次のようになります。
- 資本主義経済の発展に伴う株式リターン(長期で6〜7%程度)を得たいならインデックス
- 数年で2倍、3倍にしたいならリスクを取って個別株や別の投資法
正直、インデックス投資と個別株投資は同じ株式に投資はしますが、考え方が全く違うと思っています。個別株投資は、「伸びる企業の株」「割安に放置されている企業の株」「収益と配当に比べて安い株」など、現在の株価が実際の価値に比べて低くなってしまっているものに投資します。つまり、市場の見立ては誤っていて自分は正しく評価できるという考え方です。
しかしインデックス投資は、資本主義経済自体が発展するだろうからそれに資金を費やすというものです。基本的に投資先を選別する必要はありません。投資タイミングを考えるかどうかについては、いろいろな考え方がありますが、少なくとも10年以上の長期投資が基本です。そして、期待できるリターンはそれほど高くありません。
そのため、どちらを選ぶかは、資産運用の目的が何かによって異なります。例えばあと5年で1億円を作りたいと思ったら、インデックス投資だと手元に7500万円くらいの資産は必要になります。しかも5年では到達しないかもしれません。ただし、長期で見てこのペースで増加する可能性は高いといえます。
このとき、もし手元に1000万円しかないのなら、インデックス投資以外の選択肢しかありません。相応のリスクを取って5年で10倍にする方法を考えるわけです。そして10倍になる可能性があるということは、10分の1、またはゼロになる可能性もあると考える必要があります。
いずれにせよ、インデックス以外の投資法は、他人よりも自分は経済や企業を見る目があるという前提のもとに行うものです。市場、つまり多くの投資家は、正しくその企業の価値を評価できていないと考えるわけですから。
ぼく自身はインデックス投資をメインとしながらも、米国個別株への長期投資を行っています。
証券会社はどこがいいのでしょうか?
証券会社もよく聞かれる質問です。下記でもいくつか紹介しましたが、証券会社にはそれぞれ得意とする投資商品があります。何に投資するかを決めてから選ぶべきでしょう。
- SBI証券 新たに海外株投資を行う場合
- 楽天証券 楽天経済圏からのお得を拾う場合
- 日興証券 優待クロスを行う場合
正直、インデックス投資をいま行うなら税制なども併せて考えると投資信託のほうがいいでしょう。そして、手数料無料(ノーロード)で買える証券会社ならどこでもいいということになります。とはいえあえていうなら、楽天カードを使って楽天証券で積み立て投資すれば、1%の還元が得られるわけで、この方法一択ですね。
また海外株へ投資するなら、手数料はほぼ横並び。ということは、日本円をドルに最も手数料安く変えられるSBI証券がベストといえそうです。
日興証券は実はコストの安さが強み。なんと信用取引の手数料は無料です。優待クロスでもその強さは発揮されますが、日本株の売買においても、信用で買ってから現引きすれば大幅にコストを抑えることができます。売るときも同様ですね。
個別株や株式以外への投資の場合、その証券会社で扱っているかどうかというのが最初のチェックポイントで、次に最も手数料が安いのはどこかということになります。まぁ上記の3つの証券会社なら大きな問題はないと考えています。
ぼく自身は楽天証券をメイン口座にしつつ、優待クロスのために日興証券をガンガン使っています。そのほかの複数の証券会社も目的に応じて利用中です。