FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。投資歴20年以上。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

Kyashが残高に1%利息付与の攻略法

Kyashが大型の発表を行いました。12月8日配信の新バージョンから、残高に年利1%の利息を付与します。銀行預金が0.001%、楽天のマネーブリッジでも0.1%ですから、かなりの高金利。条件やリスクなどを洗ってみました。

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※サービス開始前日の7日夕方になって、Kyashが「サービスの公開中止と見直し」を発表しました。残念ながら、このままの形では提供されないようです。

 残高利息サービス 1%

普通、利息が付く預金サービスには銀行業の免許が必要です。ところが今回Kyashは、資金移動業の免許を大活用して、疑似預金のサービスを作り上げました。まず、1%が付くための条件は次の通りになります。

  • 銀行口座やATMから現金でチャージした残高が対象
  • 前月に1回以上のKyash決済が必要(12月は誰でも対象)

Kyashはクレジットカードからの残高チャージが可能でしたが、その分は対象になりません。また併せて、指定金額でのクレカチャージが不可能になります。つまり、

  1. 280円のものをKyashで買おうとする
  2. 280円分がクレカから自動で残高にチャージ
  3. 残高からKyashで決済

という流れだけになるわけです。

 

ちなみに、銀行口座やATMからのチャージには手数料はかかりません。

1%付与の流れ

1%付与は残高に対して日次で計算されます。つまり、毎日0.002739%が残高に対して付与されることになります。そして付与は毎月です。銀行預金も日次計算ですが、付与は通常年2回。それに比べると、利息が付いていることが分かりやすく、利息分を活用しやすくなっています。

 

ただし付く利息は、Kyashポイント相当となります。こちらは決済には使えますが、送金や出金は行なえません。ということは、利息に対してさらに1%の付利もないので、複利ではないことになりますね。

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ただし良い点もあって、現金相当の利息ではないため、法的には値引きポイント扱いとなり、課税が発生しないようです。当然、銀行預金のように源泉徴収もされません。

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残高は上限100万円

Kyashの残高として保有できる上限は100万円になります。つまり、最大で年1万円が利息の最高額ということになります。

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がしかし。ちょっと面白いのは、プラスチックカードを発行しないバーチャルカードでは、なぜか最大1000万円まで残高を保有できる場合があることです。しかも、本人確認を済ませてはいけません。1%付利は本人確認必須なので対象外ですけど、本当に1000万円対象なら、利息も10万円になるわけで、面白いところですね。

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また、100万円まで残高に入れられるといっても、入金には制約があります。最上位のKyash Card保有の場合で、1回あたりの入金上限は30万円、1日あたりの入金上限も30万円です。100万円の残高にするには、30万、30万、30万、10万と4日に分けて入金が必要になります。

 

銀行から入金した100万円については、のちほど銀行口座に出金も可能です。本人確認済みであることが条件で、手数料は220円。また、1日の出金限度額は100万円までなので、一回で全額出金可能です。平日9:00〜15:30であれば、当日中に出金先口座に反映されるとなっています。

リスクはあるのか?

銀行の100倍にもなる利息を付けるこのサービス、果たしてリスクはあるのでしょうか。まず、Kyash運営会社が破綻した場合はどうなるのでしょうか。

 

まず資金移動業者は、預かった資金の全額を供託する義務を持っています。これにより、事業者が破綻しても全額が戻ってきます。

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※一般社団法人日本資金決済業協会(PDF)

銀行の場合、預かったお金は貸出などに使ってしまっており、必ずしもすべてが保管されているわけではありません。そのために、預金保険機構に保険をかけており、1000万円までは保証されることになっています。いわゆるペイオフです。

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そういう意味では、少なくとも残高については完全に保全されており、リスクはないと考えていいと思います。

 

あり得るのは、サービスの内容変更です。Kyashは頻繁にサービスの内容を変更しており、今回も状況によってサービスを終了したり、改変するリスクはあります。とはいっても、残高が保証されていて、それが出金可能な限り、機会損失はあったとしても、損害を受けるリスクはないといっていいでしょう。

 

残高が勝手に使われてしまう不正利用の可能性はどうでしょうか? Kyashは不正利用に対して損害を保証する制度を設けており、手間ではあるものの、泣き寝入りにはならないでしょう。ただ、「不正利用による損害の発生から10日を経過している補償申請」は対象外となっており、利用通知のチェックは必須になります。

 

またKyashはカード利用をアプリから簡単にロックできるので、普段は基本的にロックしておき、使うときだけロックを解除するという使い方のほうが安心でしょう。これであれば、Kyash自体がハッキングを受けでもしないかぎり、不正利用は防げるはずです。

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どのように活用するか 毎月833円

では、この1%利息を得られる「残高利息」サービスをどう活用したらいいのでしょうか。まず大前提として、Kyashの還元率はわずか1%であり、他のクレジットカードからチャージすることで還元の2重取りをしても3%には満たないということです。つまり、現時点では、3%還元のVisa LINE Payカードで決済するほうがお得であり、Kyashをどう活用するかは、Visa LINE Payカード還元終了後の話になります。

 

そのため、100万円の残高を入れたとしても、これはKyashで決済するためではなく、定期預金代わりに入れっぱなしにすることが前提です。毎月833円相当の利息がポイントで付くので、これをKyashで買い物に使います。そうすれば、元本を毀損することなく、翌月の1%権利を確保し続けられます。

 

この毎月833円相当額が付与されるというのが、「残高利息」サービスのすべてです。なんとかランチ1回分という感じでしょうか。ただ、税金がかからないというのは、密かにうれしいところです。

 

また、100万円の流動性が高いのもいいですね。220円のコストはかかるものの、最短当日中に振り込まれるので、いざ現金が必要となっても困りません。念のためですが、本人名義の銀行口座にしか出金できないので、振り込み代わりには使えません。

 

そんなわけで、たかが100万円ですがされども100万円です。銀行預金に眠らせているお金があるなら、Kyashに入れておいて、毎月833円をゲットするのは悪くない選択だと思います。いざその100万円が必要になっても、それがカードで支払えるものならKyashで支払ってしまえばいいですし、そうでなければ220円を払って出金すれば当日中に銀行口座に入ります。100万円を預けて約8日で220円分の利息がつきますので、それ以降は本当にノーリスクということになります。

 

あとは年1万円の利息に対して、Kyashの管理にかかる負担をどう考えるかでしょうか。

 

個人的には、銀行業の免許を持たずに擬似預金の仕組みを作り出したKyashはすごいと思いますし、フィンテックベンチャーが1%の利息を実現できるのに、既存の銀行ができないのはアイデア不足、横並び意識によるエクスキューズだと思うので、これが既存の硬直した銀行に刺激を与えてくれればいいなぁと思っています。

 

また、ビル・ゲイツも言ったように、銀行機能(バンキング)は今後も必要とされるが、銀行(バンク)自体は存在しているか分からないというのは、真理です。新たな銀行を目指すKyashの戦略にうまく乗っかって、残高にお金を入れてみたいと思っています。

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