FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記

九条です。資産からの不労所得で経済的独立を手に入れ、自由な生き方を実現するセミリタイア、FIREを実現しました。投資歴20年以上。米国株、優待クロス、クリプト、太陽光、オプションなどなどを行うインデックス投資家。ロジックとエビデンスを大事に、確率と不確実性を愛しています。

FXで税金対策 過去の損失をロールオーバーする

今回はちょっとレアケースのお話です。現在、先物取引の損失が存在しており、その繰り越し期限である3年目が終わろうとしています。このままだと、将来の利益と相殺できず単なる損失として終わってしまうので、なんとかこの損失を2021年にも繰り越したい。そのために考えたのが、FXを使う方法です。

株や先物の損失の話

まずは株や先物の損失に対する税制がどういう扱いになっているか、から。株も先物も利益が出たら、利益の20.315%を税金として払わなくてはいけません。一方、損失が出た場合は、それを翌年に繰り越して、翌年の利益と相殺することができます。

 

例えば、昨年100万円の損失が発生したとして、それを確定申告することで繰り越せば、今年利益が100万円出ても、相殺して0円とすることができ、税金をゼロにできるのです。

 

ただし、問題は繰り越せるのが3年間だということ。せっかく将来の利益を無税にできる権利なのに、3年を過ぎるとクリアされてしまうのです。

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上記の図でいえば、1年目の損失を消失させてしまうのはもったいない。ではどうすればいいかというと、その損失に相当する利益を作り出せばいいわけです。

意図的に利益を作る方法

利益を作るといっても、そんな簡単に儲けられるなら何も難しいことはありませんね。ただ、今年に利益を確定させて計上して、同じだけの損失を翌年に発生させることなら、比較的に簡単にできます。

 

そう、両建てを使うのです。

 

株式でいえば、A株を1000株買って、同じく1000株信用売りします。クロスポジションになるので、値動きは相殺されて合計損益には影響しません。ところが、A株が1000円から2000円に値上がったとすると、

  • 買いポジション +100万円の利益
  • 売りポジション  100万円の損失

となります。ここで、買いポジションをいったんクローズすれば100万円の利益が確定します。同時に2000円で再び買いポジションを作れば、各ポジションの含み損益は次のようになります。

  • 買いポジション 損益ゼロ
  • 売りポジション 100万円の損失

年が明けてから、両方のポジションを閉じれば、売りポジションの損失100万円が確定します。つまり、2020年に100万円の利益が出て、2021年に100万円の損失が出るわけです。2021年の損失は、ここからまた3年間繰り越せるので、その間に上げた利益は100万円以内は無税となります。

 

このようにして、意図したタイミングで利益を作り出したり、損失を作り出すことができます。

そうはいってもコストがかかる

ここではわかりやすいように株式の例を挙げましたが、株の売りポジションにはかなりのコストがかかります。売買手数料こそ証券会社を選べばゼロですが、貸株料は年率で最低でも1.1%がかかりますね。

 

税率は20.315%ですから、それに比べれば些細なコストですし、年末にポジションを建てて1月にクローズするのなら、1.1%がまるまるかかるわけではありません。それでも、1000株✕1000円の100万円、その3割にあたる30万円がずっと拘束されることにもなります。

 

幸いなことに、今回ぼくがロールオーバーしようとしているのは、株式ではなく「先物の箱」の損失です。先物に当たる投資商品としては、次のようなものがあります。

  • 先物
  • CFD
  • オプション
  • FX

この中で、比較的売買コストが安く、さらにファンディングコスト(金利相当額)が小さく、そして大きなレバレッジがかけられるのは何でしょうか。いずれも20倍以上のレバレッジがかけられるわけですが、両建てでファンディングコストをマイナス、つまりポジションを持てば持つほど利益が生まれるようにできるのは、FXだけです。

 

いわゆるFX異業者スワップアービトラージです。

トルコリラのスワップ差は、1万通貨あたり19円

コロナショックに伴う各国の金融緩和で、世界中からほぼスワップが消え、業者間の差異も小さくなってしまい、スワップアービトラージの機会も減ってしまいました。ただ、12月現在でいえば、トルコリラでそこそこのスワップ差が生まれています。

 

LINE FXのロングスワップは現在40円。一方で、セントラル短資のダイレクトプラスのショートスワップは-21円。その差は、1万通貨あたり19円になっています。

 

LINE FXのスプレッドは1.5銭、ダイレクトプラスは1.7銭なので、合計3.2銭。1万通貨で320円。つまり、現在のスワップ差が続くなら17日でスプレッドコストを埋めるだけのスワップが得られる計算になります。

 

トルコリラ価格は現在13.5円ですので、1万通貨で13万5000円。レバレッジ5倍のポジションなら、証拠金は2万7000円で済みます。それに対して、スワップ差19円/日を年間に直すと、6935円。実に25.6%ものリターンが生まれる計算になるわけです。

 

もっとも、スワップ差19円が継続する保証はなく、早晩これは変動してしまうでしょう。少なくとも17日間継続してくれれば、スプレッドコストを回収できるのでよしとします。何しろ目的はスワップアービトラージではなく、損失の先送りなわけですから。

 

というわけで、取り急ぎ、トルコリラのクロスポジションを作りました。LINE FXでロング100万通貨、ダイレクトプラスでショート100万通貨。それぞれ300万円の証拠金を入れて、証拠金維持率は550%程度にしています。

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課題と注意点

とはいえ、課題と注意点もあります。まず今回の目的からして、トルコリラが年内にそれなりの値動きをしてくれないと困ります。13.46円が10%変動すれば、12.11〜14.80円。そうすれば、134万円の利益が、ロング・ショートどちらかのポジションで発生するわけで、だいたい目的は達成です。

 

トルコリラのチャートを見てみましょう。高インフレの国らしく、凄まじい勢いで通貨安が進んでいます。年初の18.4円から現在の13.4円まで、年間で約27%も下落しました。

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TRY/JPYのヒストリカルボラティリティを見ると、次のようになっており、11月にあったような急落と反騰があれば、軽く10%くらいは動くことが分かります。

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ヒストリカル・ボラティリティ分析 |FXなら安心と信頼のセントラル短資FX

ちなみに、USD/TRYのデータですが、主要通貨ペアの中でもトルコリラは最も直近のボラティリティが高くなっています。今回の目的にはぴったりですね*1

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為替(FX)ボラティリティ計算ツール - Investing.com 日本

一方で、あまりに動きすぎるとロスカットが課題になります。もしもロスカットされると、それは損失が確定してしまうということになり、今回の趣旨の真逆の結果となってしまうからです。ロスカットを避けるにはこまめに証拠金の移動が必要ですが、そのためには銀行口座にある程度のキャッシュを常時置いておかなくてはいけません。優待クロスも山場のタイミングなので、できれば無駄なキャッシュを置いておきたくないですね。

 

さてさて、そんなわけで、FXの両建てで損失を2021年にロールオーバーしつつ、あわよくばスワップアービトラージによって利益も得ようという今回の計画になります。トルコリラ価格をにらみつつ、事故のないように進めたいと思います。

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*1:ちなみにひときわボラティリティの高いXAG/USDとは銀です。まさに悪魔の金属。