「投資FIREの落とし穴『こんなはずじゃなかった』となる前に知りたい失敗例」という記事が、Twitterで話題になっていました。
失敗例1:お金
しかし、世界経済の情勢により思っていたよりも運用でお金が増えなかったり、病気や事故、天災などで思わぬ出費がかかってしまい、お金が足らなくなってしまったりすることがあります。
著者が、FIREの失敗例として挙げるのが「お金がなくなること」です。いわんとすることは分かります。でも、面白いことにぼくの狭い交友関係で知っている中では、働き続けてお金に困っている人はいても、FIREした人でお金に困っている人はいません。
どんな状況でも「お金が足りなくなる可能性」はあります。しかし、「FIREした人のほうがお金に困る可能性が高い」というロジックもエビデンスもありません。
面白いのは、「健康で思っていたよりも長生きしてしまい、お金が底をつくというリスクも考えられます」ということを言っている点です。FIREしなくても、定年で退職すれば同じリスクに遭遇します。それとも著者にとって、定年退職はFIREなんでしょうか?
失敗例2:健康
逆に生活習慣が乱れ、不健康な生活に陥ってしまう人もいるようです。
こじつけ以外の何でもありませんね。僕が知っている限り、FIREした人はみな適度(か過度)に運動し、夏は日焼けして、良い体型を維持している人が多いです。
おそらく、職があるか/ないかで健康が変わるというより、FIREを志向するような人は、管理能力と将来を展望する能力が高いのかもしれません。お金と同じように自分の身体も管理し、将来に向けてしっかり運動をしている人が多いように感じます。
失敗例3:人生の充実度
そもそも人は、さまざまな人間関係の中で、自分が認められたいという承認欲求の性質を持っています。
著者は、仕事をやめてしまうと暇になり承認欲求が満たされない」と書きます。だから「FIREは人生が充実しない」というのです。
所属するコミュニティが職場だけなら、あながち間違っていないかもしれません。すっごく昭和な社会ですね。著者は昭和の頃に人格形成したのだろう……と思ってみたら、2008年に大学を卒業しています。あれ? いま36歳前後くらいですか? 思いっきり平成世代じゃないですか。
というか、iPhone登場の年に大学を卒業しているわけで、スマホ世代って呼んでもいいですよね。趣味のコミュニティはもちろん、ネットコミュニティも存在は知らないとは、さすが華麗な仕事経歴のFPだと思う次第です。
FIREを批判する人と自慢する人
全体として、「いるようです」「ことがあります」「考えられます」という言葉のオンパレード。つまり、結論に至るロジックが全く組み立てられておらず、持論を主張するためのエビデンスも持っていないということです。
言ってみれば、「私の華麗な経歴と、FPという資格からいうと、FIREには落とし穴があるわよ」という、権威主義による説得力しかないわけです。まぁ、あんまり叩いてもなんですが、適当な仕事をしていますね。
まぁ著者を援護するなら、このお題はLIMOの編集部が依頼したものでしょう。そのお題に沿って、適当に書いた記事というい感じです。ではなぜ編集部はこんな依頼をしたかというと、FIREがまだ耳目を集めていて、「FIREに成功する方法」または「FIREの落とし穴」に注目があるからでしょう。
このところ相場も不調なので、FIREを叩く記事の増加も予想されます。